メリットはどこにある? バイクのミラーを広角に交換するカスタム
右左折や車線変更の際に必ず確認することになるミラーですが、鏡面の大きさは限られているため、死角も多く存在します。そんなミラーを、通常のものから後方の視界が広くなる広角ミラーに交換すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
広角ミラーを使うメリットとは?
運転中に振り向くことなく後方を確認することができるミラーは、バイクに乗る上で非常に重要なパーツです。しかしバイクのミラーは小さく、後方確認の際に不便さを感じたことがある人も多いでしょう。
一方で、後方の視界を広げるためには、ただ大きいミラーに交換すればいいように思えますが、2007年以降に製造されたバイクに取り付けるミラーの大きさについては、保安基準で定められています。

鏡面の面積は69平方センチメートル以上、円形の場合は直径94mm以上150mm以下、円形以外の場合は縦横120×200mm未満で、直径78mmの円が収まる大きさでなければなりません。つまり、大きすぎても小さすぎても整備不良となってしまうのです。
もちろん保安基準から外れてしまっていると車検には通らず、走行中に整備不良(尾灯等)で取り締まられてしまうと違反点数1点に加え、二輪車の場合は6000円、原付の場合は5000円の反則金が科されてしまいます。そのため、鏡面を大きくして視界を確保する方法には限界があると言えるでしょう。

その点、広角ミラーに交換すれば鏡面の大きさはそのままで、より広い範囲を映すことができるようになります。ミラーの死角が減ることで、目視の際の負担も減り、より安全に運転できるようになるでしょう。
なお、広角ミラーには凸面鏡と呼ばれる、球面が盛り上がっている方を鏡面とする構造が採用されており、カーブミラーやATMの後方確認ミラーと同じ原理によって広い視界が実現されています。製品によって差はありますが、同サイズの通常ミラーと比べておよそ2倍の範囲を映すことができる広角ミラーもあるようです。
規制があるため、通常ミラーの面積を2倍にすることは非現実的ですが、広角ミラーを使用することで、それと同等の視界を確保することが可能です。
広角ミラーを取り付けるにあたって、気をつけることはある?
前述したように、大きなメリットを持つ広角ミラーへの交換ですが、実際に取り付ける際に注意するべきポイントはあるのでしょうか。

まずひとつ目は、ミラーを固定しているネジの向き。多くの場合は通常のネジで固定されていますが、車種によっては右ミラーに逆ネジが採用されていることがあります。
逆ネジとは文字通り、通常のネジとは締まる方向が逆になっているネジで、衝突や転倒の際に緩んで衝撃を吸収しやすい仕様。通常のネジと同じように緩めようとすると、きつく締まっていってしまい、ネジ穴を潰しかねないので注意してください。もともと付いているミラーの表面に貼るだけで使える広角ミラーもあるため、取り付け作業に不安のある人は探してみると良いでしょう。
ふたつ目は、広角ミラー特有の映り方。大きくない鏡面に広い範囲を映すことになるため、映るものが小さく見えてしまうという性質があります。
近くにあるものが遠くにあるように見えてしまう事もあるので、取り付けの際に、通常のミラーと比較してどのように見えるかの違いを確認しておくと安心です。