一体どこを見ているの? 公道を走る排気量250㏄超えバイクに必須の車検内容を徹底解説

排気量250cc超のバイクで公道を走るには、車検が必須です。車検は新車購入時から3年、その後は2年おきに受ける必要があり、期限が切れてしまうと無車検車として取り締まりの対象になってしまいますそんな車検は、一体なにを確認しているのでしょうか。

車検はどこで、いつ受けられる?

 排気量250cc超のバイクで公道を走行する為には、受ける事が必須となっている車検。車検は新車購入時から3年、その後は2年おきに受ける必要があり、期限が切れてしまうと無車検車として取り締まりの対象になってしまいます。

 バイクが法律に沿った正しい状態にあるのかを定期的に確認するのが車検ですが、一体なにを確認しているのでしょうか? 

 その費用は安くないだけに、しっかりと知っておくようにしましょう。

バイクの車検ステッカーはナンバープレート左上に貼り付ける
バイクの車検ステッカーはナンバープレート左上に貼り付ける

 バイクに車検が必要かどうかは排気量で決められていて、250cc超の小型自動二輪以上で公道を走る為には、受検する必要があります。そして車検に通ったらクルマの場合、有効期限を示すステッカー(検査標章)がフロントウインドウに貼られますが、バイクの場合はナンバープレートの左上に貼るように定められています。

 なお、クルマは2023年7月から車検ステッカーを貼る位置が変更となり、取得忘れを防ぐために確認しやすい運転席の前へと変わる事が発表されていますが、バイクは今まで通りです。

 車検は満了日の1か月前から受ける事ができ、合格すればそのまま期間を継続できるとされていますが、実は1か月より前でも受ける事は可能。しかし、その分、期限の満了期間が早くなってしまうので、早期に受ける意味はありません。

バイクの車検は運輸局だけでなく認証工場を持つディーラーや専門店でも取得可能
バイクの車検は運輸局だけでなく認証工場を持つディーラーや専門店でも取得可能

 車検を取得する場所はいわゆる車検場と呼ばれている運輸支局だけでなく、ディーラーや専門店が民間車検場の認証を取っていればそこでも取得可能。その内容に違いはありませんが、たとえば日曜日に営業している民間車検場であれば平日でなくても取得できます。

 預かりの場合はあまり関係ありませんが、1日車検のように短時間で取得できるメニューがあるショップの場合、日曜日でも取得できるというのはメリットと言えるでしょう。

 また、自分で点検整備をして、自ら運輸支局に持ち込んで受検するユーザー車検も可能です。

定期的に車検を受ける目的とは?

 バイクで公道を走るためには車検は必要で、切れてしまうと走れなくなってしまいます。

 しかし最近は無車検車が増えていて、社会問題化。取り締まりにも力が入れられていますが、もし車検が切れたままで公道を走った場合、違反点数6点なので30日の免停。さらに6か月以下の懲役または30万円以下の罰金と、かなり重い処罰が課せられます。

車検が切れたバイクで公道を走ると取り締まりの対象となる
車検が切れたバイクで公道を走ると取り締まりの対象となる

 そのため、もしうっかり切れてしまった場合は、引き取りに来てもらうか自分で運ぶか、役所で仮ナンバーを発行してもらって移動させることが必須。

 加入が義務とされている自賠責保険は車検の期間とリンクしていることがほとんどなので、切れた状態で走って事故を起こしてしまうと最低限の保証もされなくなってしまうので、車検が切れたバイクには絶対に乗らないようにしましょう。

 車検は保安基準にそのバイクがキチンと合致した状態にあるのかどうかを確認するためにあります。つまり、車体が危険な状態では無いかや、車検証に記載されている項目から変更がないかを確認するために実施されているという事。

 一方で、車検を受けてから次の車検を受けるまでの2年間、問題のない状態を保証するものではなく、車検時に問題がないかを見るだけのものなので、車検を取得した直後に故障しても車検自体に対する責任はありません。

車検ではなにを検査する?

 バイクの車検を取得するには、結構な費用がかかります。ただし、税金や自賠責保険、手数料を含んだもので、これらは最近のバイクであれば1万3760円ほど。

 バイクの場合、重量税はそれぞれの車重ではなく、新車からの経過年数で決められるので、法定費用と呼ばれる税金などは車種による差はありません。費用がかさむのは、車検のための整備費用や代行料がかかってくるからです。

車検が高く感じるのは自賠責保険料や手数料、整備費用や代行料がかかる為
車検が高く感じるのは自賠責保険料や手数料、整備費用や代行料がかかる為

 車検整備は法定となる24か月点検をベースにして行なわれますが、ディーラーやショップなどではワイヤー類への注油や各部の調整なども合わせて実施することがほとんどです。

 では、実際の車検でも細かく、24か月点検の項目に即して確認されるのかというと、実はそうではなく、ライト類の検査、寸法などが車検証と違っていないかを事前に確認したあと、いわゆる車検ラインでは排ガス、スピードメーター、プレーキ、ヘッドライトの光軸がそれぞれ規定に沿っているかを見るだけです。

 慣れてしまえばユーザー車検を行うのも難しくはないと言われるのは、この項目の少なさにも理由があります。事前に測定をして、車検に通るように調整してくれる専門業者も運輸支局の近くにあるので、これらを利用すればさらにスムースにユーザー車検をパスすることもできます。

車検はバイクの健康診断と考え、定期的に受ける事が重要
車検はバイクの健康診断と考え、定期的に受ける事が重要

 このように、簡単にゆえに車検不要論を唱える人もいますが、定期的にしっかりと点検・整備をする機会としての車検は意義があるものと言って良いでしょう。
 
 世の中はメンテナンス意識の高いライダーばかりでなく、乗りっぱなしという人も珍しくはありません。車検がなければ野放しになってしまうだけに、車検は車体の健康診断の節目として考え、しっかりと手をかけてやりましょう。

 ユーザー車検も同様で、自ら点検・整備ができるライダーが行なうべきものなので、知識もなにもないけど費用を節約したいが為だけにユーザー車検で通すという場合は、点検だけでもプロに依頼する事がおススメです。

【画像】定期的な車検を受けてバイクライフを楽しむ様子を画像で見る

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