人口の多い地域に目立つ駅前放置自転車 東京都内のワースト駅は!?

エコで手軽に乗れる自転車は便利な移動手段です。「ちょっと駅まで」と走らせたものの「停める場所が見つからない!」なんてこともよくあるのではないでしょうか。全国的には減少傾向にある放置自転車ですが、そのほとんどが首都圏に集中し、撤去と放置のいたちごっこが続いているようです。

じつは減少傾向にある、駅周辺の放置自転車だが……

 東京都の「駅前放置自転車の現況と対策」(令和4年度)を見ると、都内の駅前放置自転車等の台数は過去最少をマークしています。その数は1万7559台で、前年からは1871台減、過去最多だった平成2年度と比較すると、なんと約14分の1にまで減少しています。

駅周辺の放置自転車を減らすべく、駐輪場の整備が進められている
駅周辺の放置自転車を減らすべく、駐輪場の整備が進められている

 駅前放置自転車等減少のもっとも大きな理由として、駐輪場の整備が挙げられます。公設・私設ともに増加しており、その収容力は年々増えています。また、都内では毎年「駅前放置自転車クリーンキャンペーン」を実施しており、放置自転車の撤去や放置防止の普及啓発を行なっています。キャンペーンポスター等に使用する統一標語も募集しており、ちなみに前回の大賞は「自転車の 代わりに置こう 思いやり」です。

 数字を細かく見ると「令和4年10月中、晴天の平日のうち任意の1日、概ね午前11時頃の駅周辺における自転車、原動機付自転車及び自動二輪車の放置台数」の調査で、100台以上放置自転車がある駅は45駅です。1000台以上の駅は平成20年以降、500台以上の駅は平成28年以降、それぞれ存在しないということなので、いかに放置自転車が減っているかがわかります。

 そして都内の駅周辺における放置自転車の台数ワースト5は以下の通りです。

1位 新小岩駅(326台)
2位 高円寺駅(313台)
3位 馬喰町・馬喰横山・東日本橋駅(301台)
4位 小川町・淡路町駅(208台)
4位 亀戸駅(208台)

 全体的に人口の多い地域であり、駐輪場整備が追い付いていない地区が目立ちます。

 それでは、全国ではどうでしょうか。令和4年3月に国土交通省の交通安全対策室がまとめた「駅周辺における放置自転車等の実態調査の集計結果」を見ると、令和3年度の放置台数は約2万8000台で、東京都と同じく減少傾向にあるとのこと。

 ただ、東京・大阪・名古屋の三大都市圏の放置台数が全体に占める割合はおよそ8割と多く、東京都も含めた令和3年調査時点では以下の通りです。

1位 動物園前(新今宮)駅/大阪市(967台)
2位 久屋大通駅/名古屋市(944台)
3位 上前津駅/名古屋市(813台)
4位 栄駅/名古屋市(706台)
5位 梅田駅/大阪市(651台)

 ワースト駅の上位を大阪市・名古屋市の駅が占めています。また、放置自転車の多い駅では、放置禁止区域がなかったり、放置自転車台数が駐輪可能台数を上回っているケースが見られました。

 ちなみに、10位までの中に東京都の駅は含まれておらず、自治体別で見たワーストランキングは、以下の順位になっています。

1位 名古屋市
2位 大阪市
3位 札幌市
4位 横浜市
5位 神戸市

 ワースト1位となってしまった名古屋市では、撤去自転車の返還手数料を1500円から3500円に値上げしたり、ITシステムを使った撤去システムを採用したりとさまざまな取り組みを行っていますが、なかなか解決の糸口が見つからないそうです。

 さらに規制を強化し、即時撤去の実施や放置禁止区域の拡大に乗り出したそうですが、禁止区域を設ければ別の場所に増えるといういたちごっこの状態が散見されており、駐輪場のさらなる整備が期待されています。

 放置自転車は街の景観を損ねるだけでなく、人の流れが集中する駅周辺では危険も伴います。自治体が行なう解決策の推進とともに、私たち自転車に乗る立場の人間のモラルも高めていきたいところです。

【画像】駅周辺の駐輪場と放置自転車を見る(7枚)

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