乗ったぞホンダCL500! スクランブラースタイルの中に大型二輪の余裕やツインの鼓動があり、乗り手を選ばない!!
水冷並列2気筒エンジンを搭載したホンダのNEWモデル「CL500」をバイクジャーナリストの青木タカオさんが早くも試乗しました。スクランブラーの初代「CL72」もまたパラレルツイン。まずはエンジンフィーリングを熱く語ってくれました。
500もあるツインの心臓部は“らしさ”満載!
低中速ではツインらしいパルス感を伴いつつ扱いやすいトルクを発揮し、スロットルを開ける楽しみを心地良いサウンドとともに堪能できます。

ライダーの耳から近い位置にあるアップマフラーのおかげで、歯切れの良い排気音がよりはっきり聴こえるのが嬉しいかぎりで、アクセルを開けて加速するたびにヘルメットの中でニンマリ、頬が緩むではありませんか。
そして、高回転はDOHC4バルブならではのシャープな吹け上がり。最高出力は46PSと、数値的なインパクトはありませんが、実際の走りで物足りなさを感じることはなく、どこからでもビシッと加速でき、キビキビ走ってくれます。
素の味付けだけで勝負できる万能さ!
モードセレクターはなく、味付けは“素のまま”一択ですが、これが絶妙としか言いようがありません。オールマイティなシーンに応える“さじ加減”で、それでいて冒頭で述べたようにアクセルを操るライダーが思わずニンマリしてしまうような味付け。セッティングを徹底追求していることがわかります。

アクセル操作に対して、唐突であったり神経質さは皆無。穏やかで扱いやすいのに、乗り手がパワーを欲しいときには力強く応えてくれるから、持て余すことなく操れる感覚が持てるのが楽しさに繋がっています。
穏やかと言うと、のっそりしていると思われがちですが、それは誤解。マイルドでありながら、トルクフィールに程よくパンチが効いて、市街地走行で多用する常用回転域ではとても味わい深い。高いギヤを使って、トコトコ走らせることもできますし、そのままシフトダウンを横着し、アクセル操作だけで加速することにも対応してくれます。

もちろんギヤをガツンと落とせば、猛ダッシュもできますし、コーナー進入でのシフトダウンもスムーズ。アシスト&スリッパークラッチを標準装備したことで、シフトダウン時の衝撃を逃してくれ、後輪が跳ね上がるホッピングも抑止してくれます。
オフ車のように視線が高く、身のこなしが軽い!
街乗りが楽しいのは身のこなしが軽く、視線を高くしていることも大きなポイントで、これが『CL500』の持ち味とも言えます。

スクランブラースタイルは名ばかりではなく、実際にサスペンションストロークをフロント150mm、リヤ145mmと余裕を持たせていることも見逃せません。前後サスを伸ばした結果、シート高は790mmと若干高め。数値的には『CL250』と変わらず、『レブル500』や『レブル250』とは10cmほど高くなりました。
■シート高
CL500:790mm
CL250:790mm
レブル500:690mm
レブル250:690mm

幅が広く、グリップ位置の高いバーハンドルがゆったりとしたライディングポジションをもたらし、気軽さを乗り手に感じさせます。視線が高く、混雑する都会でも目からの情報が得やすいのです。

12リットルの容量を確保しておきながら、小振りでスリムな燃料タンクはニーグリップパッド付きで、しっかり下半身をホールドできます。このパッド、デザインのための要素ではなく、機能もちゃんと果たしているのです。さすがはホンダ!!
■タンク容量
CL500:12リットル
CL250:12リットル
レブル500:11リットル
レブル250:11リットル
CL250:12リットル
レブル250:690mm
レブル500:690mm
自然な位置にあるステップはワイドタイプで、これもまたリラックスした乗車姿勢に貢献。制振ラバーが不快な振動を軽減し、高速巡航も快適なものとしています。

シート高は790mmで、数値的には『CL250』と同じ。『レブル500』や『レブル250』とは10cm高くなります。身長175cm、体重67kgのライダーの場合、写真の通り。両足を地面に下ろすと、カカトがうっすら浮くか着くかという感じで、足つき性に不安はありません。車両重量も200kgを切り、押し引きなど取り回しもアンダー400と変わらぬイージーさです。
■シート高
CL500:790mm
CL250:790mm
レブル500:690mm
レブル250:690mm
■車両重量
CL500:192kg
CL250:172kg
レブル500:191kg
レブル250:171kg
ソフトな足まわりも“気軽さ”に貢献
インナーチューブ径41mmの正立式フロントフォークは、初期荷重からよく動いて路面追従性に優れます。ワイドピッチであるとともに、飛石や泥などからインナーチューブを守るフォークブーツを備えるのも、スクランブラースタイルの演出に一役買いました。

19インチの大径ホイールとの組み合わせで、ヒラヒラと軽快なハンドリングをもたらし、高い視線と幅広なハンドルで操る感覚が、扱いやすいエンジンと相まって、気軽さであったり高いコントロール性を生み出しています。
ツインショックのリヤサスペンションもなめらかに動き、荒れた路面やフラットダートも臆せず駆け抜けられる安定性を発揮します。5段階のプリロード調整機構を備え、ライダーの体重や荷物の重量に合わせて最適な車体姿勢を保ちます。
セミブロックタイヤを前後に履き、しなやかな足まわりでフラットダートも走れる。ストリートの中で土の匂いを感じさせ、親しみがわく佇まい。それでいて、大型二輪免許が必要な“500”らしく、高速道路でも余裕を見せ、ワンランク上の走りが楽しめます。
ビッグバイクビギナーにもオススメ
今回は普通二輪免許から大型二輪免許へステップアップしたばかりのビッグバイク初心者である高梨はづきさんと『CL500』に乗りましたが、聞けば彼女は初の大型バイク体験。試乗後に感想をたずねると「大型とは思えないほど、イージーに乗れました」とのこと。たしかに危なげなく乗っていましたし、取り回しで苦労する様子もありませんでした。

『CL500』はそんなビギナーにもうってつけですし、ベテランも唸らせる1台になりそうな予感がしてなりません!
車体価格は86万3500円。今回試乗したブルーの他に、グリーンの車体色も選べます。

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。














