初心者ライダーは混乱しがち?バイクのスペック表ってどう見ればいい?

バイクのスペック表をうまく活用すれば、目の前に車体がない場合でもその車両の大まかなイメージを掴むことができます。では、バイクのスペック表はどのように見ればよいのでしょうか。

初心者ライダー必見!バイクのスペック表とは

 いざバイクを買うことになったとき、そのデザインに惚れ込んで購入を決める人は多いかもしれません。しかし、ひと言にバイクといっても種類はさまざまで、外観を見ただけでは細かいところまではわかりません。

 そのバイクがどんな性能でどのくらいの大きさなのかなどを知るには、カタログやメーカーHPに記載されている「スペック表」を確認するのが早道です。

ホンダ「CL500」と主要諸元
ホンダ「CL500」と主要諸元

 スペック表とは、そのバイクがどんな性格なのかを表した一覧表のようなものです。メーカーによっては、「主要諸元」や「仕様書」などと呼ばれることもあり、数値や用語で表してバイクの特性を確認することができます。

 実際にバイクに試乗しなくても、スペック表を見るだけで性能やサイズ感などをある程度イメージすることが可能です。

 では、スペック表にはどのようなことが書かれているのでしょうか。

ホンダ「CL500」の全長・全幅・全高
ホンダ「CL500」の全長・全幅・全高

 まず「全長・全幅・全高」の項目では、長さ、幅、高さをミリ単位で表しており、おおまかなバイクの大きさがわかります。見るときに注意したいのが、車体から出っ張っているミラーは大きさに含まれないということ。ミラーを除いたパーツの端から端までの長さを数値化しています。

 走っているときは、バイクの大きさはそれほど気にならないかもしれませんが、この項目が重要になるのは、駐車する場所が限られたスペースである場合などです。よく考えずに購入して「大きすぎて停められない」ということにならないように、あらかじめスペック表でサイズをよく確認しておくことが大切です。

ホンダ「CL500」のシート高
ホンダ「CL500」のシート高

 そして「シート高」は、地面からシート面の一番低い部分までの長さを表した数値です。基本的にシート高が低ければ足つき性は良くなりますが、シートの形状や車体の幅などで印象がかなり違ってきます。

 なお、シート高はあくまでも目安として考え、足つき性を重視するなら実車に跨って確認するのが一番の方法です。

 またバイクの重さを表す「車両重量」は、車体だけでなくガソリンやオイル、冷却水など、走るために必要な液体類をすべて含んだ総重量を表しています。かつては、液体類をすべて除いた「乾燥重量」で表していましたが、現在では車両重量(装備重量)で表記するのが一般的です。

 なお、軽いバイクほど取り回しが良く軽快な乗り心地になります。反対に重くなるほど取り回しは大変になりますが、横風などに強くどっしりと安定感のある走りを味わえます。

ホンダ「CL500」の最高出力「kW/PS」との最大トルク「N・m/kgf・m」
ホンダ「CL500」の最高出力「kW/PS」との最大トルク「N・m/kgf・m」

 エンジンが発揮する出力の最大値を表すのが「最高出力」と「最大トルク」です。この数字が大きくなるほどハイパワーなマシンになるといえます。

 最高出力は「kW/PS」という単位で表し、エンジンが発生する最高の出力を数値化したもの。一方の最大トルクは「N・m/kgf・m」で表し、エンジンが発生する最大の回転力を数値化したものになります。

 出力とトルクは密接に関連していて、わかりやすい例えが自転車のペダルです。こぎ出す力がトルクで、ペダルをこいで路面を走らせる力が出力。そして、限界のスピードに達したときが最高出力というわけです。つまりトルクがベースにあり、「トルク×回転数=出力」と考えることができます。

ホンダ「CL500」の燃料消費率(km/L)
ホンダ「CL500」の燃料消費率(km/L)

 また「燃料消費率」は、ガソリン1Lでどれだけの距離を走れるかを表した数値です。この数値が大きくなるほど、燃費の良いバイクといえるでしょう。

 スペック表を見ると燃料消費率には2つの燃費値が表示されています。「定地燃費値」は、一定のスピードでノンストップで走り続けたときの燃費データです。

 一方の「WMTCモード値」は実際の走行状態に近づけた数値で、発進や加速、停止を繰り返した燃費データになっています。もし燃費を重視してバイクを選ぶ際は、WMTCモード値を参考にするとよいでしょう。

ホンダ「CL500」の燃料タンク容量
ホンダ「CL500」の燃料タンク容量

 満タンにしたときの燃料タンクに入るガソリンの量を表したのが「燃料タンク容量」です。この容量が大きいほどガソリンスタンドに行く回数を減らすことができます。

 また、WMTCモード値に燃料タンク容量の数値を掛け算することで、1回の給油でどれだけ走り続けられるかを示す「航続距離」がわかります。ツーリングが趣味という人は、燃料タンク容量が大きく航続距離が長いモデルを選ぶとよいかもしれません。

「総排気量」は、エンジンが1回に吸い込める混合気(空気とガソリンが混ざったもの)の量を表した数値のこと。排気量が大きくなるほど一度により多くの混合気を爆発させることができるため、パワーを生み出しやすくなります。

 バイクは車名に排気量の数字が入っていることが多いですが、なかには車名だけのバイクも少なからず存在します。排気量がわからないときはスペック表を見て確認しておくと間違いないでしょう。

ホンダ「CL500」のタイヤサイズ
ホンダ「CL500」のタイヤサイズ

 そして「タイヤサイズ」は、バイクのホイールに取り付けられるタイヤのサイズを表しています。単位はミリ単位で表記され、前後でサイズが異なりリアタイヤの方が太くなります。

 例えば、「110/70R17M/C」と記載されている場合は、110の数字がタイヤの幅、70の数字が扁平率、17の数字がリム径で、いわゆるホイールサイズのこと。タイヤサイズのなかで最も重要なのがリム径で、これを間違えるとタイヤをホイールに取り付けることができないので注意してください。

 ちなみに表示の「R」はタイヤの構造を表し、この場合はラジアルの意味。また、「M/C」はモーターサイクルを意味しており、バイク用タイヤを表しています。

※ ※ ※

 バイクのスペック表は、その項目の多さとむずかしい用語や数字があるため、どうしても見るのを敬遠してしまいがちです。しかし、ポイントを押さえて理解するだけでも、バイクの性格を十分に知ることができます。バイクを購入する際に迷ったときは、スペック表を見ることで最適な一台に出会えるかもしれません。

【画像】ホンダ「CL500」主要諸元を画像で見る

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