毎年恒例「秋の全国交通安全運動」実施 すべての道路利用者にとって安全な交通環境を
毎年恒例の「秋の全国交通安全運動」が、2023年9月21日(木)から30日(土)までの10日間に渡って実施されます。「毎年のこと」と流したりせず、自転車をはじめとするすべての道路利用者が意識して欲しい運動です。
歩行者・自転車・バイク・クルマなど、すべての道路利用者へ
今年も「秋の全国交通安全運動」が実施されます。この運動の歴史は1948年からと古く、広く国民に交通ルールや安全マナーについて周知し、交通事故ゼロを目指して続いています。毎年春と秋に行なわれるので、この運動で季節の変わり目を感じている人もいるのではないでしょうか。実施期間は2023年9月21日(木)から30日(土)までの10日間、最終日の9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」となっています。

これに合わせて、全国各地で一日警察署長が交通安全を啓蒙したり、交通安全教室などが開催されるなど、さまざまなイベントが開催され、テレビなどのメディアで交通安全運動に関するニュースなどを目にすることも多くなると思います。
しかし今年は、とくに自転車が注目されていると感じることがあります。
もちろん、毎年自転車の交通安全に関するアピールが行なわれていますが、2023年はヘルメットの着用が努力義務になったり、自転車の危険運転を積極的に取り締まる方針が打ち出されたほか、7月1日からはほぼ自転車扱いの特定小型原動機付自転車、いわゆる「電動キックボード等」が同じ環境を走るようになり、それに関する新たな交通ルールも定められ、より強く印象に残っているのかもしれません。
実際に、自転車利用者に対する交通ルールやマナーについての周知は急務であり、関係各所が切実に願うところでもあります。
自転車利用者に交通ルールやマナーに関する理解を深めてもらいたい背景には、自転車が関係する交通事故が一向に減らないという現実があります。
警察庁によると、じつは自転車に乗っている人が交通事故で亡くなる数は減少している一方で、自転車が関わる事故の件数は2年連続で増加しており、すべての交通事故のなかで、自転車が関連する事故の割合は増加傾向にあるそうです。
そして自転車乗用中の死亡事故では、自転車側の多くに法令違反が認められるとのことです。
自転車での事故死傷者数のうち、10歳から25歳未満の若い世代の割合が高いというデータもあります。残念ですが、これは交通ルールやマナーが周知されていないために、事故が増えているということの裏付けになるのではないでしょうか。
もちろん「秋の全国交通安全運動」は自転車だけでなく、すべての国民が注目すべき運動です。
ライダーやドライバーにとっては、検問や取り締まりが強化される厄介な時期という印象があるかもしれませんが、交通事故ゼロを目指し、交通ルールやマナーについて理解を深めるための大事な期間です。
自転車だけではなく、歩行者・クルマ・バイクなど、道路を利用する全ての人が注目し、交通環境が改善していくことを願うばかりです。