バイクにもヘッドアップディスプレイが!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.208~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、BMW Motorradが開発した「コネクテッドライド・スマートグラス」に無限の可能性を感じると言います。どういうことなのでしょうか?

ライダーにとっては余計なお世話かもしれないが……

 BMW Motorradが開発した「ConnectedRide Smartglasses(コネクテッドライド・スマートグラス)」のことを知り、僕(筆者:木下隆之)はこれからのライディングの世界が大きく変わるかもしれない可能性を秘めていると感じました。拡張性が高く、今後さまざまなアイデアが投入されていくに違いありません。

BMW Motorradが開発した「ConnectedRide Smartglasses」
BMW Motorradが開発した「ConnectedRide Smartglasses」

 スマートグラスの原理は簡単です。スマホの中に格納されている情報を、Bluetoothやアプリを経由して、ライダーが装着したゴーグル(サングラス)のレンズの一部に映し出すのです。クルマの「ヘッドアップディスプレイ」に似ていると言えるかもしれません。情報はスマホ次第ですが、速度や方位などはもちろんのこと、カーナビゲーション機能を映すことも簡単でしょう。

 本体にはリチウムイオンバッテリーが組み込まれており、最大で10時間利用できるとのことです。よほどの強行スケジュールでなければ、朝に出発して夕方に帰るようなツーリングなどでも役立ちそうです。

 じつは、BMWは4輪レースの世界でもスマート機能を取り入れています。マシンの四方をカメラや赤外線センサーで監視しており、たとえばライバルが自車を右から抜こうとした場合には、マシンを右側に誘導するよう合図を送るのです。レーシングドライバーは本来、センターや左右のミラーを確認しながらライバルとの攻防を繰り返しています。それが、クルマからの指示通りにライン取りをすれば良いのですから、なんとも時代は進化したと言うか、大きな武器になると言いますか……

 レースの本質が問われる時代でもありますが、ともあれ、BMWのドライバーは大歓迎しているそうです。逆にライバルは、とても鬱陶しいものだと苦虫を噛み潰しているに違いありません。

 バイクにこの機能を持ち込むには、四方を監視するセンサーを組み込まなければなりませんが、将来的には、スマートグラスの機能がさまざまに進化していくことは目に見えています。

 レース用マシンのように、懇切丁寧に車線変更のタイミング等を知らせる機能は、自由を好むライダーにとっては余計なお世話に映るかもしれませんが、バイクにとっての死角が減ることは歓迎したいところです。

 ライディング中のバンク角や速度から演算して、「もっと傾けられますよ」なんて、注意されてしまう時代もすぐそこのような気もします。

 というように、コネクテッドライド・スマートグラスには、革命的な無限の可能性があるような気がします。

【画像】まるで「スカウター」のようなゴーグルを見る(7枚)

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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