2024年はMoto2昇格の佐々木歩夢選手 現チームでステップアップを選ばなかった理由とは?
MotoGPのMoto3クラスに参戦中の佐々木歩夢選手が、2024年シーズンよりMoto2クラスへステップアップすると発表されたのは、日本GPのレースウイーク真っただ中の9月30日のことでした。Correos Prepago Yamaha VR46 Master CampからMoto2クラスに参戦します。
Moto3からMoto2クラスへ、2024年シーズンは新チームと共に挑む
“クレイジーボーイ”をニックネームに持つ佐々木歩夢選手は、2017年シーズンからロードレース世界選手権のMoto3クラスにフル参戦を開始し、今季は同クラスで7年目のシーズンを戦っているライダーです。2023年シーズンは日本GPでの2位を含め8度の表彰台に立ち、日本GPを終えて、チャンピオンシップのランキング2番手、チャンピオン争いを展開する3人のライダーの1人です。

そんな日本GPの土曜日、佐々木選手が2024年シーズンはCorreos Prepago Yamaha VR46 Master CampからMoto2クラスに参戦することが発表されました。佐々木選手はかねてより2024年シーズンにはMoto2クラスへのステップアップを希望しており、念願が叶った形です。
日本GPの決勝レースを終えたあと、佐々木選手にMoto2へのステップアップとチームの移籍について聞きました。ひとつの疑問として、現在所属するLiqui Moly Husqvarna Intact GPでステップアップする可能性はなかったのか、というものがあったのです。
同チームはMoto3チームとともに、Moto2チームを所有しています。そして、このLiqui Moly Husqvarna Intact GPに2022年に移籍し、目標を共有できるチームと心から信頼できるクルーチーフ、メカニックに出会ったことが、本来のポテンシャルを取り戻したひとつの要因だったと、以前に佐々木選手はそう語って信頼を寄せていました。

「今のチームでMoto2に上がることもできたのですが、同じクルーを連れていけないと分かっていたんです。だから、今のチームでステップアップすることは選択肢に入れませんでした」と、佐々木選手は答えました。
「(今のチームは)すごくいいチームだけど、(来年は)ヤマハさんのほうで、自分もチームづくりに入りながら自分に合うクルーチーフと一緒にチームをつくっていけたら、という形での契約です。まだ誰がクルーチーフになるかわかりませんが、それについては今、いろいろ動いてもらっているので、あまり心配していないです」
2024年はMoto2のチームで、チームづくりにも加わるという佐々木選手。MotoGPクラスはもちろんですが、Moto2やMoto3はチーム力が重要な要素でもあります。佐々木選手にとっては新しい挑戦となりますが、Moto3での経験を礎として戦っていくのでしょう。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。