内燃機関から決別するホンダ かつての「ビート」にそれホント? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.218~

バイクの方の「ビート」とは……?

 排気量49ccの水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載していたバイクの方の「ビート」は、そのエンジンがまた強力で、最高出力は7.2psを炸裂させていました。現在のホンダ「タクト」は49ccで最高出力が4.5psですから、どれほど強力だったかが想像できます。

1983年に発売されたホンダ「BEAT(ビート)」は、世界初の水冷2ストロークエンジンを搭載した50ccクラスの原付スポーツスクーター。その際立つスタイリングは現在でも斬新に目に映る
1983年に発売されたホンダ「BEAT(ビート)」は、世界初の水冷2ストロークエンジンを搭載した50ccクラスの原付スポーツスクーター。その際立つスタイリングは現在でも斬新に目に映る

 特殊な排気デバイスを採用しており、デュアルチャンバーとしていたのです。サブチャンバーは低速トルクのため、メインチャンバーは高回転用、しかもその切り替えは、ライダーがペダルを踏み替えて選択するというものです。

 メーター内にはメインチャンバーとサブチャンバーの出力特性を表す性能曲線が描かれていました。高回転型にチャンバーをセットすると、赤ランプが点灯する仕掛けです。

 軽自動車の「ビート」は660ccという排気量枠の中で特殊な吸気システムを採用し、64psを絞り出しました。バイクの「ビート」は2タイプの排気チャンバーを切り替えることで、原付50cc枠の頂点を極めたのです。いやはや、ホンダは高回転エンジンに美学を抱くメーカーのようです。

 近い将来、ホンダは内燃機関から決別すると公表していますが、こんなふたつの「ビート」を作ったメーカーが、本当にガソリンエンジンから離れることができるのでしょうか? 軽自動車とバイクの「ビート」を思い出すと、それには懐疑的な気持ちになってしまいます。

【画像】ホンダが作ったふたつの「ビート」を画像で見る(10枚)

画像ギャラリー

Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

1 2

編集部からのおすすめ

レッドバロンは全国どこでも同じ高い品質! その裏側にある岡崎の拠点とは? 潜入取材で一部始終を見た【PR】

レッドバロンは全国どこでも同じ高い品質! その裏側にある岡崎の拠点とは? 潜入取材で一部始終を見た【PR】

最新記事