後側方警戒支援システムの最新技術 聴覚で直感的に支援するヤマハ「感覚拡張HMI」について開発者に直撃インタビュー
7つのスピーカーで音を伝達
―――後ろから伝わる音はどのような仕組みで伝達しているのでしょうか。
ヘルメットの中にスピーカーが7つ入っています。後頭部中央から下側に扇形に配置されていますが、後ろから聞こえる音、基本的にはロードノイズですが、道路とタイヤの接地面から音がなります。

はるか遠くの音は耳の高さから聞こえるんですが、近づくにつれて低くなり、自分にぶつかる瞬間は足元から聞こえるんです。
なので、耳の高さから足元までの一軸で距離を表現できるんです。
直撃コースなのか、横に逸れるかは正中線(人間の前面、または背面の中央を縦にまっすぐ通る線)からの角度で表現できます。
そのため扇形の配置にすれば、どういうコースでどれくらいの距離にいるのかというのは表現できるんです。
ただし、これは二輪に限定する技術ではないので、四輪でしたらシートにスピーカーを埋め込んだり、立体音響技術を使うなど、色んな方法があると思います。
また、何らかの理由で首が回りにくい方もいらっしゃると思いますが、そうした方にはうってつけの技術になるでしょう。

―――音が聞こえない方にむけて、振動で伝達するなどの展開もありえるのでしょうか。
今のところは音で考えていますが、音と振動は割と近い存在なので可能性はあると思います。
ただし、気配のようなものを感じる際に何で実現しているかというと、音、または触覚(微妙な風を体毛で感じる能力)が主なので、基本は音で進めますが、耳が聞こえない方はまた他の感覚を使ってらっしゃいますので、そこに対しては色んな可能性があると感じています。ですから、発展の可能性はもちろんあります。
もともとこの研究も耳の聞こえない方の学術的な研究もヒントになっています。耳の聞こえない方の聴覚領域は、実は周辺視野のサポートをするようになるんです。
ですので、聴覚は実は周辺視野をサポートしているんです。
そうした観点からみても、見えない、もしくは見にくい範囲を聴覚でサポートするというのは理にかなっているんです。
―――目処が立ったら市販車への転用もありえるのでしょうか。
もちろんです。まだ目処は立っていませんし、二輪なのか四輪なのか、ほかのもので採用するかも含めて検討していますし、一緒にやってくださるパートナーも探しています。
楽しいかつ安全というのを世の中に普及させるためにも実現したいですね。
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ちなみに、伝達の際に使われている音はヤマハのサウンドチームの協力を得たもので、後方に車両がいる場合は一般的に使われる「ピーピー」といった警告音ではなく不協和音、両が通過して安全になると和音に変化。これらの音についてもライダーにとって何が最適なのか、研究が続けられるといいます。
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