後側方警戒支援システムの最新技術 聴覚で直感的に支援するヤマハ「感覚拡張HMI」について開発者に直撃インタビュー
ヤマハ発動機は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」で現在研究中の新技術「感覚拡張HMI」(HMI=ヒューマン・マシン・インターフェース)を出展しました。
人に負荷を少なく、楽しみを最大限に
ヤマハ発動機は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」で現在研究中の新技術「感覚拡張HMI」(HMI=ヒューマン・マシン・インターフェース)を出展しました。

現在、自車周辺環境の認識を支援する技術はミラーやカメラなど視覚を介した技術が主流ですが、ヤマハが研究する感覚拡張HMIは、聴覚を利用して後方認知を直観的に支援する技術です。
同技術は、2017年にカリフォルニア工科大学との共同研究により開発されたもので、学会発表や特許の取得、基礎研究、いわゆる学術的な研究を経てシミュレーターを使った応用研究にたどり着いています。

今回の研究・開発を行った技術・研究本部 技術戦略部 博士(心理学)の末神 翔さんに話を伺ってみました。
―――感覚拡張HMIの一番の目的を教えて下さい。
後ろから来たものを分かりやすく通知してあげる技術の開発で、いわゆるレーダーで探知して伝える後側方警戒支援システムの聴覚版となります。
今の技術は見えないものを見せる技術なんです。しかし、人間の脳は後ろから来るものを聴覚で捉えるので周りのものがどういうふうに移動しているのかを、ある程度音で認識する仕組みになっています。
本来、見えないもの、例えば『気配を感じる』というのは『音』なんです。
なので見えないものを見せるというのはエンジニアリング的には正攻法なんですけど、人間の視点だと正攻法ではないんです。
我々が日常的に行っている『聴覚』で認識するというほうが、遥かに自然で負荷が低いですし、負荷が少ないということはより楽しめる、ということにも繋がります。

―――おそらくは、目線を動かすことが減るということに繋がると思いますが、そうした点もメリットと考えていいのでしょうか。
視覚的に提示するのは結構リスクがあって、あちこちに提示すればするほどよそ見してしまうんですよね。
あとはミラーで後ろのものを見るという時も目は前を向いているので、前を向いているという情報が認識されるんです。
一方で対象物は後ろにあるじゃないですか。前を見ながら後ろを見るというのは凄く難しくて、かつ鏡に写っているのでそれを反転しないといけないので認知するまでに時間はかかるんです。
また、認知に時間がっかるということは運転に集中できないですし、楽しめないということにも繋がります。
―――ミラーなどを付けずに走るレースなどでは特に重宝されそうな技術ですが、そういたった技術転用も考えられるのでしょうか。
まさに仰るとおりで、レースなど極限で少しのリソースを争う状態こそ効果を発揮します。
当然、安全性も高まりますが、そうした安全性と楽しさを両立できるのがヤマハらしい技術だと考えています。














