日本GP直前! レプソル・ホンダの30年を彩ってきた最強マシンたち。その輝かしい戦績を振り返る
V5エンジン+ユニットプロリンクでMotoGP元年を制覇
【2002年型 RC211V】

4ストローク990ccと2ストローク500ccが混走したMotoGPクラス元年に登場した、新レギュレーションに対するホンダの最適解。
3気筒以下135kg、4気筒・5気筒145kg、6気筒155kgという4ストローク車のエンジン気筒数と最低重量の関係から最も競争力が高いと判断してV型5気筒をチョイス。4気筒のヤマハ、スズキらより1気筒多いため、高回転・高出力化しやすく、パワー面で優位に立った。またバンク角を75.5°とすることで一次振動を消せ、前側中央気筒を軸に小さくまとまった左右対称のエンジンは、パッケージングにも好影響をもたらした。
メインフレームに路面からの反力を直接伝えず、スイングアームが独立した動きをするユニットプロリンクサスペンションの採用で剛性設定の自由度が増し、優れた旋回性と穏やかなスライドコントロール性を実現。バレンティーノ・ロッシが11勝、宇川徹が1勝とレプソル・ホンダだけで12勝を挙げ、終盤4戦だけRC211Vを与えられたウェスト・ホンダ・ポンスのアレックス・バロスも2勝。16戦中14勝と他を圧倒した。
14勝/全16戦 バレンティーノ・ロッシ(11勝)、宇川徹(1勝)、アレックス・バロス(2勝)
ライダーズチャンピオン:バレンティーノ・ロッシ
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ
990cc最終年、“ニュージェネレーション”で王座奪還
【2006年型 RC211V】

990cc最終年、王座奪還に向けてエースのニッキー・ヘイデンにのみ“ニュージェネレーション”と呼ばれる完全新設計のマシンを供給。2勝を含む10回の表彰台でチャンピオンを掴んだ。
ブレーキング時の安定性能、コーナーでの旋回性能、立ち上がり時の加速性能を高める車体構成にするため、バンク角75.5°のV5という点こそ一緒ながらエンジンをコンパクト化。前後長を短縮したエンジンを前方に移動することでスイングアーム延長が可能になり、バランスの良いマシンに仕上がった。
一方、MotoGPルーキーのダニ・ペドロサは従来型を正常進化させた“オリジナル”を駆って2勝。サテライトのフォルトゥナ・ホンダ・グレシーニに所属するマルコ・メランドリ(3勝)とトニ・エリアス(1勝)も勝ち、ホンダ勢で17戦中8勝。異なるコンセプトのマシンを同時開発して結果を出し、常勝メーカーの底力を感じさせた。
8勝/全17戦 ニッキー・ヘイデン(2勝)、ダニ・ペドロサ(2勝)、マルコ・メランドリ(3勝)、トニ・エリアス(1勝)
ライダーズチャンピオン:ニッキー・ヘイデン
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ
800cc時代で唯一。2006年以来5年ぶりの三冠に輝く
【2011年型 RC212V】

2007年に排気量上限が800ccに引き下げられたのに伴い、5気筒の最低重量が4気筒に対して7.5kg重くなって優位性が失われたため、RC212Vはバンク角78°のV型4気筒を採用した。かつてない車体の小型化が裏目に出てセッティングがシビアになり過ぎたこともあり、4年続けてタイトルを逃したが、2011年に地道な開発が実を結んだ。
金属バルブスプリングの代わりに圧縮空気(窒素)でバルブを駆動し、高回転・高出力化を実現するニューマチックバルブを2008年、シフトチェンジ時のロスとショックを抑えるシームレスミッションを2009年に導入。マシン全体の制御も煮詰めて迎えたこの年は、新加入のケーシー・ストーナーが10勝、ペドロサが3勝を挙げ、レプソル・ホンダとして2006年以来となるライダーズ&チームチャンピオンを獲得。ホンダとしても全クラス合わせて60回目となるコンストラクターズタイトルを決め、三冠に輝いた。
13勝/全17戦 ケーシー・ストーナー(10勝)、ダニ・ペドロサ(3勝)
ライダーズチャンピオン:ケーシー・ストーナー
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ
マルケスがMotoGP歴代最高得点の420ポイント獲得
【2019年型 RC213V】

2012年の1000cc化に合わせて最大気筒数が4に定められたため、バンク角90°のV4を選択したRC213Vは、マルク・マルケスを通算6回(2013〜2014年、2016〜2019年)の最高峰王者に導いた。
とりわけ2019年は、19戦中12勝、リタイア1回を除いたそれ以外のレースは全て2位という凄まじい成績で、MotoGP歴代最高得点の年間420ポイントを稼ぎ出した。
コーナー進入や立ち上がりでのトラクション性能向上を狙った逆回転クランクを2016年、扱いやすさを求めた不等間隔爆発のエンジンを2017年に投入。ドゥカティが先鞭をつけた空力デバイスの追加など、それまでも改良を加えてきたが、2019年型はエンジンへの吸気経路をストレート化。
ステアリングヘッド真ん中を通すことでエンジンパフォーマンスが上がる一方で、新しいフロントまわりは剛性が高過ぎ、ハードにブレーキングするマルケス以外のライダーは接地感を得にくいという問題が発生。“マルケス・スペシャル”と揶揄する声もあった。

12勝/全19戦 マルク・マルケス(12勝)
ライダーズチャンピオン:マルク・マルケス
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ









