ヤマハの右ミラーは、なぜ逆ネジ? 採用した理由があった!
ほとんどのネジは時計回りに回して締める、「正ネジ」と呼ばれる仕組みのものが使用されており、バイクもその例に漏れません。しかしヤマハのバイクは「逆ネジ」が使用されているようです。いったいなぜなのでしょうか。
前からの衝撃を受けたとき、破損や転倒のリスクを軽減
バイクのミラーは、走行中に後続車や周囲の車両、自転車、歩行者などを把握し、安全に進路変更や停止するために欠かせない装備です。
ところで、バイクのミラーにまつわるひとつのウワサがあります。それが、「ヤマハバイクの右ミラーは、逆ネジになっている」というもの。

一般的に、バイクに限らずほとんどのネジは時計回り、つまり右回りに回すと締めることができ、左回りに回すと緩まる仕組みになっています。これを「正ネジ」と呼びます。反対に、左回りに回すと締めることができ、右回りに回すと緩まるネジが「逆ネジ」と呼ばれるものです。
ほとんどのバイクのミラーが正ネジを採用しているにもかかわらず、前述の通りヤマハの右ミラーには逆ネジが採用されています。いったいなぜ、ヤマハの右ミラーは逆ネジになっているのでしょうか。
理由は、あえて緩みやすくすることで前方からの衝撃を受けた際に破損を防止することが期待できるためです。
たとえば前から人や物が右ミラーに接触してきたとき、ミラーは後方に強く押されます。正ネジの場合、ネジがさらに強く締められて衝撃を受けるので、ミラーが折れたり、ハンドルを取られて転倒したりする危険性があります。
しかし逆ネジの場合、ネジが緩む方向に力が加わるため、ネジが緩んでミラーが回転するため衝撃が吸収されます。そのため、ミラーが折れたりハンドルを取られ転倒する可能性が低くなるというわけです。

また転倒した際も、同じ原理でネジが緩んでミラーが回転して倒れるため、正ネジのミラーより破損のリスクや深刻度が低くなります。
「なぜ右ミラーだけなの?」「右のほうが接触の可能性は高いのだろうか」と考える人もいるかもしれません。しかし左ミラーは、前方からの衝撃を受けた際にネジが緩む方向に力が加わるのは正ネジであった場合がほとんど。そのため、左ミラーは正ネジ、そして右ミラーのみが逆ネジになっています。
ちなみに、バイクのミラーは走行中の振動や寒暖差による金属の膨張、伸縮などによって、徐々に緩んできてしまうことがあります。この場合はナットの増し締めをする必要がありますが、逆ネジの場合、少々混乱してしまう場合も少なくありません。
混乱してしまうのは、ミラーの固定はダブルナットになっているのが主流であるにもかかわらず、どちらが逆ネジなのか分からなくなってしまうことがあるため。

あくまで逆ネジになっているのは下のナットであり、上のナットは正ネジになっていることを覚えておきましょう。左ミラーの場合はこれが上下共に反対になります。
また、下のナットはミラー本体を車体に取り付ける役割のもの、上のナットは位置を決め、固定する役割のものです。上下のナットが正ネジと逆ネジなので、下のナットをきつく締めなおしたあとに上のナットを締めなおすと、せっかく締めなおしたはずの下のナットが一緒に回って緩んでしまうことがあります。
この場合はスパナを2本使い、下のナットの増し締め後に下のナットはスパナで動かないよう固定して上のナットを締めるとうまくいきます。
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なお、ヤマハ車の純正ミラーから他社の気に入ったミラーに付け替えたり、他社のバイクにヤマハ車用のミラーを取り付けることができないのかと言えば、そんなことはありません。「正ネジアダプター」「逆ネジアダプター」を使用することで、ヤマハのバイクでも正ネジの右ミラーを、その他のバイクでも逆ネジの右ミラーを付けられるようになります。
作業の手順はとても簡単で、車体のミラーホルダーにアダプターを装着し、そこにミラー本体を装着するだけ。アダプターを使用する分、右ミラーだけ高くなってしまうという問題を解消するために、左ミラー用のアダプターも付属される場合も多いです。









