ライダーズ神社とコーヒー店を巡る南房総の新春ライド バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.15
バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。今回は千葉県鴨川のライダーズ神社と館山の老舗喫茶店を巡る、南房総の新春ツーリングについてお届けします。
源頼朝が建てた“ライダーズ神社”!?
明けましておめでとうございます! バイクを楽しむコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。コーヒーとバイク、それぞれに奥深い世界観を持つ魅力的な存在ですね。今年もそんな二つの世界を行き来して気付くトピックや出来事を、このコラムでお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
と言うことで早速ですが、お正月といえば初詣。今回はライダーズ神社とコーヒー店を巡る、南房総の新春初ライドの様子をお届けいたします。

まず目指したのは千葉県の鴨川にある天津神明宮(あまつしんめいぐう)。ここはイイクニ作った源頼朝が、あの伊勢神宮から分霊(神様を分けてくること)してきて建てたという神社です。

そんな由緒正しき神社が“ライダーズ神社”を名乗るようになったきっかけは、地域活性化への取り組み。千葉県でツーリングを楽しむイベントとして、天津神明宮をゴールにして開催されたラリーがきっかけでした。近頃は地域活性化の目的で、何かのランドマークをバイク神社とするケースも多いですが、ここは本物の神社。ライダーにとっては大変有り難みのある場所でもあります。

当日は今年最初の週末。出発が午前10時くらいと遅かったのもあり、東京湾アクアラインは安定? の渋滞でしたが、そこを抜ければあとは快適なライド。昼過ぎに神社前へ到着しました。「オートバイはP4へ」という案内看板を見るまでもなく、バイクが何台も止まっている一角がありました。その駐輪場はバイク専用で、バイク用の茅の輪まで設置されていていました。茅の輪で記念撮影をしている一群がいて、時間がかかりそうだったので、僕は先にお参りをすることにして御社殿へと向かいました。

手水舎でお清めし、参拝した後に、御守りを買おうと社務所へ立ち寄りました。そこには一般的な交通安全守の他に、ライダー専用の御守り「鉄馬守」がいくつかあり、その一つを購入。ついでにおみくじも引くなど、神社詣を堪能してから駐輪場へ戻りました。茅の輪には誰もいなくなっていたので、自分のバイクを持っていって撮影していたら、参拝を終えて戻ってきたライダーから「撮りますよ!」とのお声掛け。自分とバイクの2ショットって案外少ないので、感謝でした。
そして遅めのランチタイム。国道をしばらく南下して回転寿司店へ立ち寄りました。ここは僕の店の常連客で、毎週のように外房でサーフィンを楽しんでいる“せっちゃん”が教えてくれた店です。
どの寿司も想像以上の美味しさで、いい意味で裏切られました。お腹も満足したところで、本日二つ目のメインイベント、コーヒー店訪問です。更に南に向かってバイクを走らせます。昼とも夕方ともつかない穏やかな時間に、海岸線をゆっくり流していると、波間に陽射しが煌めく様子に、一瞬素敵な夢を見ているような気分になります。
老舗の自家焙煎珈琲で原点回帰
小一時間ほどバイクを走らせ、やってきたのは館山にある老舗の自家焙煎珈琲の喫茶店。南房総辺りにはライダーズカフェもイマドキのコーヒーロースターもあるのですが、年始の一発目ということで、何か原点のようなモノに触れたいと思って選んだお店です。

店に入ると結構混んでいましたが、カウンターの一番端に座ることが出来ました。店内は長い年月を経ることで醸し出される佇まいがあります。でも心地よく落ち着く感じは、地元で長く愛されてきた証です。コーヒーは様々な種類の豆がありましたが、あえてブレンドを注文しました。

ドリップはペーパードリップで、当たり前ですがお店独自のレシピで抽出している様子が伺えます。出来上がったカップを一口⋯⋯。
焙煎度合いはやや深めの中煎り。スペシャルティのような一点で際立った香味ではなく、3〜4種類をブレンドし多様な味わいでバランスを取った印象。これを言ったら元も子もないのですが、要は昔ながらの喫茶店の美味しいコーヒーの味です笑。バイクで言うとヤマハの名機SR400のような。ウチのコーヒーにどこか共通する気がしたのは、焙煎機がウチの店と同じ直火式のタイプだったからでした。後で調べて分かり、なるほどと合点がいきました。

店を出るともう夕暮れが始まろうとしていました。再びバイクを走らせ、そのままドン突きの北条海岸を訪れました。桟橋と防波堤が、砂浜の端から海に向かってまっすぐに伸びています。
防波堤の突端で釣り人が糸を垂らし続けていました。少し強くなった潮風を浴びながら、僕はしばらく海を眺めて過ごしました。ふと振り返ると、思いのほか夕闇が深くなっていて、時間が経っていることに気づきました。バイクの元へ戻り、いつもの儀式のようにライディングの身支度を整えると、夜が始まった館山を後にしたのでした。
Writer: 黒田悟志
世田谷の自家焙煎カフェDay Drip Coffee店主。自転車ロードバイクに20年ほど乗ってきたが、2年前オートバイに目覚めて自動二輪免許取得。両足2気筒から4スト単気筒へ。昨年はSSTRにも初参加しバイクライフを堪能中。







