そのゼッケンの由来は? 世界選手権に参戦する日本人ライダーに聞いた~2025年版~
世界選手権に参戦するライダーはそれぞれ、自分のゼッケンナンバーを持っています。2025年シーズン、MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスに参戦する5名の日本人ライダーに、それぞれのゼッケンナンバーの由来を聞きました。
そのナンバーの由来は?
2025年シーズンのロードレース世界選手権に参戦する日本人ライダーの、それぞれのゼッケンナンバーの由来をお届けします。(※この内容は、2024年シーズンの記事を改訂、追記したものです)
MotoGPクラス/小椋藍選手/#79
今季MotoGPクラスにステップアップし、最高峰クラスを戦う小椋選手は、Moto3、Moto2クラス時代以前から使用する「79」を引き続き使用します。
「小さいころからずっと7番を使っていて、好きな数字だったので、7は使いたかったんです。あと、アジア・タレントカップで9番だったんですよ。それで、ルーキーズカップにいくとき、7と9をくっつけて“79”にしたんです。そこから、好きでずっと使っています」

Moto2クラス/佐々木歩夢選手/#71
2024年シーズンにMoto2クラスにステップアップした際、それまで使用していた「71」をすでに他のライダーが使っていたため、佐々木選手は「22」のナンバーでシーズンを戦いました。
Moto2参戦2シーズン目の今季は、再び「71」に戻しています。「71」はルーキーズMotoGPカップでチャンピオンを獲得した当時、また、Moto3クラスでチャンピオン争いを繰り広げたときのナンバーでもあります。
「Moto2クラスにステップアップしたときも“71”で走りたかったのですが、(デニス・)フォッジャ選手が使っていたので(使用できなかった)。今年は(フォッジャ選手がMoto3クラスに変更して)空いたので、“71”に戻しました」
「“71”の由来は、そのゼッケンナンバーでレースをしていたこともあるのですが、昔、マン島TTレースで亡くなった松下ヨシナリさんに関係の近い方が、僕のレース活動を手伝ってくれていたんです。松下さんが亡くなったとき、僕はまだ9、10歳くらいで、マン島TTレースは全く知らなかったけれど、“71”は当時の自分が好きな番号でもあったし、“ぜひ使ってくれ”と言われて、使い始めました」

Moto2クラス/國井勇輝選手/#92
2021年で一度、Moto3クラスのシートを失い、全日本ロードレース選手権で3シーズンを戦ったのち、再び世界へ返り咲いた國井選手は「92」です。由来はもちろん、「國井」の名字から来ています。
「(2024年に参戦した)アジアロードレース選手権でも“92”でした。自分のゼッケンナンバーである“92”をやっと使えて、良かったなとは思いますね」

Moto3クラス/古里太陽選手/#72
古里選手もチーム、ゼッケンナンバーともに前年と変わりません。「72」でホンダ・チームアジアからの参戦です。
「僕は7月12日生まれなんですけど、高橋裕紀さん(元MotoGPライダー。その後、全日本ロードレース選手権などで活躍し、2023年をもって引退)も一緒なんです。先生をしてくれたりもしていて。同じ誕生日だから、同じゼッケンを使わせてもらおうと思って、裕紀さんに“使わせていただきます”と話をして、使っています」

Moto3クラス/山中琉聖選手/#6
山中選手は、2025年シーズンもMoto3クラスに参戦します。Moto3クラス参戦6年目の山中選手ですが、前年と同じチームからの参戦は初めてです。
「アジア・タレントカップのときは12番を使っていて、そのあと参戦したルーキーズカップでも12番を使いたかったんですが、今、他のライダーが12を使っているから使えなかったんです」
「僕の誕生日、12月6日なんですよ。だから“6”がいいかなって。2024年、本当は“06”にしたかったんですけど、大会側に“06”は不可能と言われて(できなかった)。エストレージャ・ガルシア0,0にいたときはスポンサーの関係でできたんですけど、個人だとできないのだそうです」

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ゼッケンナンバーを知っておくと、レース結果やレース中のポジションをフォローするのも楽になるのでオススメです。まずは応援したいライダー1人からでもゼッケンナンバーを覚えて、MotoGP観戦をさらに楽しみましょう!
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。