名車カワサキ「Z2」エンジン腰下組立完了間近!! 注意すべきポイントは?〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.32

メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在なのがカワサキ「Z1/Z2」シリーズです。1975年式750RSを購入して、フルレストアに取り組んでいる一部始終をリポートしているのがこの企画です。すべての組み立て段取りを終えてから作業に入りました。ここでは、エンジン腰下を完成させます。

各作動部分のコンディションを確認しながら組み立て進行

 カワサキ750RS/Z2-A後期モデルのフルレストア・プロジェクトもいよいよ佳境を迎えています。

 ここでは、エンジン腰下の組み立て作業を進行していますが、組み立て作業を終え、すでに完成している車体へコンプリート・エンジンを搭載すれば、いよいよバイクとしてのカタチは完成域に達します。

威風堂々の空冷ツインカムエンジンです。Z1/Z2シリーズをリスペクトしたZ900RSのデザインや性能も魅力的ですが、エンジンを丸出しにした、往年のツインカム4気筒空冷エンジンの迫力は、それ以上に圧巻です。存在感が違いますね
威風堂々の空冷ツインカムエンジンです。Z1/Z2シリーズをリスペクトしたZ900RSのデザインや性能も魅力的ですが、エンジンを丸出しにした、往年のツインカム4気筒空冷エンジンの迫力は、それ以上に圧巻です。存在感が違いますね

 未走行だったレストアベース車両を完全分解してから仕上げるフルレストアとは違って、今回は、現状中古車として数百キロほど走り、気になる部分や明らかに悪い部分、要修理ポイントを明確にして、さらに修理を施し、ある程度以上の距離を走らせてからフルレストアへ取り掛かりました。いわば「未知なる部分」が無い状況下からのフルレストアでしたので、気楽に作業進行できました。

 完全なるベース車両、状況によっては欠品部品が多く、走らせることができないベース車両から始まるフルレストアとは大きく違い、コンディション良く走っていた車両を「お化粧直しする」という意味合いの方が強い作業になると思います。

 例えば、フルレストアへ取り掛かる前の試運転で気になり、レストア前に交換済だったクラッチ関連パーツは、今回の作業では一切分解することなく組み立て復元しました。これはまさに、分解前に走行履歴があったからこそできたことだと思います。

 アッパーケースにクランクシャフト、ミッションのカウンターシャフトとメインシャフトを先行で組み立てていたので、ここでは、クランクシャフトのセンタージャーナルの固定から作業再開します。

 ちなみに、現代的な一体型クランクシャフトを採用するエンジンでは(プレーンメタル仕様)、アッパーとロアのクランクケースで、直にクランクシャフトを締め付け固定します。

 一方、ローラーベアリングを採用した組み立て式クランクシャフトの初代空冷Zエンジンは、カムチェーン部分のセンタージャーナルを専用部品で固定しているのが特徴です。この固定部品の組み立て後にクランクシャフトがスムーズに回転するのか? ロアケースの組み立て段取り中には、シフトドラムがスムーズに回転するか? 上下クランクケースを規定トルクで締め付け一体化したときには、ニュートラルからローギヤ、さらに2速→3速→4速→5速へとスムーズにシフトできるかなどなど、組み立て直後に確認することで、ひとつひとつの作業判定をその場で行うことができます。

 効率良くかつスムーズな組み立て進行を行うためには、極めて大切な確認作業になります。作業の詳細に関しては写真とキャプションでレポートしていきます。

【画像】だんだんエンジンぽい形になってきた!! カワサキ「Z2」エンジン腰下組立の様子を画像で見る(30枚以上)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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