これって日本だけ? すり抜けは当たり前? 海外と日本でのバイクに関する交通ルールの違いとは?
外国人観光客による交通トラブルが増える中、バイクにおいても「ルールの違い」による危険性の増加は無視できない問題です。では、日本と海外では交通ルールに、どのような違いがあるのでしょうか。
赤信号でも進んでOK!? 国によって異なる信号ルール
近年、訪日外国人観光客の増加とともに、外国人観光客のレンタカーによる交通事故のニュースを目にする機会が増えています。
ニュースにおいてはクルマに焦点が当てられることが多いものの、実際にはバイクを運転する人々にも大きく関わる問題です。
そこで、日本と海外の交通ルールにはどのような違いがあるのかを調べてみました。

たとえば、タイやインドネシアではバイクの保有台数が非常に多く、通勤や買い物など日常のほとんどの場面で活躍しています。
これらの国々は日本と同じく左側通行ですが、日本とは異なり「赤信号でも左折できる」というルールがあります。
日本では原則として赤信号は「完全停止」ですが、タイやインドネシアでは、別途標識で規制されていない限り、左折することが可能。
しかし、東南アジアのルールが身に染み付いた人が、日本国内でも同様の感覚で赤信号にもかかわらず左折しようとすれば、信号無視になってしまうことは言うまでもありません。
さらにアメリカでも右側通行のルールにおいて、赤信号で右折できる州が多く存在。これも、日本で言えば「赤信号でも左折ができる」という感覚になってしまう可能性があるルールと言えるでしょう。
すり抜けOK? 歩行者優先? “無意識の違反”が危険を招くことも
バイク特有のルールに目を向けると、すり抜けに関するマナーも国によって大きく異なります。
たとえば、タイやインドネシアなどでは、すり抜けはほぼ日常的な運転スタイルの一部となっており、渋滞時には車両の隙間を縫うように走ることが当たり前のようにおこなわれています。
現地ではドライバーもそれを見越して走行しているため、ある種の“秩序”が成立しているのですが、日本ではすり抜けは推奨されている行為とは言えません。
厳密に禁止されているわけではないものの、走り方によっては安全運転義務違反や車線変更禁止違反に問われる事は否めません。

さらに、歩行者に対する対応にも大きな違いがあります。
日本では、基本的に横断歩道を渡る歩行者がいれば、クルマもバイクも一時停止は必須です。
一方、東南アジアの一部地域では、歩行者に道を譲るという文化が日本ほど浸透しておらず、「流れを止めないこと」や「先に行った者勝ち」といった意識が根強い傾向があります。
こうした“交通の風土”に慣れた人が来日し、同じように走ってしまえば、当然ながら歩行者との接触事故に発展するおそれが高まってしまいます。
交通ルールは国や地域によって違いがあるため、知らず知らずのうちに誤解やすれ違いが起きる可能性をゼロにする事は難しいでしょう。
そうした違いをお互いに理解しながら、ゆとりを持って走ることが、より安全で気持ちのよい交通環境につながっていくはずです。