原付・自転車は片道20円!! 九州から本州へ歩いて渡る 海底の「関門トンネル人道」を通ってみた

自転車(原付も)と一緒に歩いて海底を抜ける……そんな非日常の自転車旅を体験できる場所が日本にもあります。「関門トンネル人道」を使って、九州と本州に跨る関門海峡を渡ってみました。

「関門海峡」とは? その渡り方は?

 九州と本州をわかつ「関門海峡」には、原付バイク(50cc以下)や自転車と一緒に海峡を越えることができる、海底を通る「関門トンネル」=「人道」が存在します。世界的にも珍しいトンネルを実際に通ってみました。

「関門トンネル人道」のほぼ中間地点に引かれた、福岡県と山口県の県境
「関門トンネル人道」のほぼ中間地点に引かれた、福岡県と山口県の県境

 関門海峡は、福岡県北九州市(門司)と山口県下関市を隔てる海峡で、日本海と瀬戸内海をつなぐ重要な水路です。海峡の名は、馬関(下関)と門司から一文字ずつ取って名付けられました。約6000年前に本州と九州が分断され、海が入り込んで形成されたと言われています。

 現在、関門海峡を渡る方法は幾つか存在します。「関門橋」(高速道路)、「関門トンネル」(車道・徒歩対応)、電車、そして関門連絡船です。

 橋は自動車専用ですが、トンネルは徒歩や自転車・原付バイク(50cc以下)の通行が可能な「人道」があり、歩いて海峡を渡れる珍しいルートとなっています。

実際に「関門トンネル人道」を通ってみた

 今回は北九州側、門司から出発します。関門トンネル人道の入口に到着すると、巨大なエレベーターが出迎えてくれます。ゆるやかなスロープなどはなく、このエレベーターで自転車とともに、一気に海底深くまで潜ります。

 その落差は、門司側で地下約60メートル、下関側では地下約55メートルです。そのため車道トンネルは、入口から出口まで全長3461メートルあるのに対して、人道の全長はわずか780メートルとなっています。

 なお、自転車や原付での通行は可能ですが、乗車は禁止。押して歩く必要があります。通行料金については、歩行者は無料。自転車・原付は20円(片道)です。

 エレベーターを降りると、そこにはちょっとした展示スペースが広がります。門司の歴史や名物などが紹介されており、小さなミュージアムのような空間になっています。その奥に、海底へと続くまっすぐなトンネルが伸びています。

 ほぼ中間点に、福岡県と山口県の県境を示す標識があります。門司側からは約380メートル、下関側からは約400メートルで、県境を境に両端に向かって緩やかな上り坂になっています。地味ながら、海底で県境を越えるこの瞬間には、ちょっとした感動があります。

 再び広々とした空間に出ると、そこは下関側の終点。こちらも地元の情報が紹介された展示スペースになっています。展示は門司から下関についての内容に入れ替わり、トンネル越えの終わりをゆるやかに演出してくれます。

地上に出ると、そこは本州・山口県下関

 そして再びエレベーターで地上へ。扉が開くと、そこは歴史の舞台。源平合戦の最後を飾る「壇ノ浦の戦い」の地です。目の前には戦いを記念したモニュメントも立っています。

源平合戦「壇ノ浦の戦い」のモニュメントの上にかかる関門橋。向こうには関門海峡と、対岸の福岡県門司の陸地が見えます
源平合戦「壇ノ浦の戦い」のモニュメントの上にかかる関門橋。向こうには関門海峡と、対岸の福岡県門司の陸地が見えます

 視線を上げれば、海の向こうにさっきまでいた門司の街が見えます。確かに、自転車とともにこの海を「歩いて」渡り、山口県下関に立っているのです。

 旅のアクセントになる一風変わった「海峡越え」は、記憶に残る自転車体験になること間違いなしです。

【画像】ちょっと不思議な旅体験!? 自転車・原付を押して渡る海底トンネルを見る(13枚)

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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