製造から半世紀してもまだまだ現役のホンダ「スーパーカブ90」 コントロールする楽しさはレスポンスが良い操作性が大切 「スライド式スロットル」ならではのメンテナンス方法とは?
1974年に生産された、通称「かもめ」スーパーカブC90の2型をベース車両に、メンテナンス&チューニングを楽しませていただいてます。自分好みかつ気持ち良く走れる仕様を求めて様々な個所に手を加えていますが、決して軽快とは言えないスロットルの操作感が以前から気になってます。ワイヤーで操作するスロットルと言えば「巻き上げ式」
現代のバイクとは違った「スライド式スロットル」の旧型スーパーカブ
愛車のホンダ「スーパーカブC90 K2」は、生産から50年以上たった今でも容易にエンジン始動できます。
しかし、スロットルの操作感が今ひとつ気になっているのが正直なところです。

そもそも旧カブシリーズのスロットル機構は、現代のような巻き取り式ではなく「スライド式スロットル」のため、フリクションロスが多く、現代の巻き取り式と比べると、作動性がかなり劣っています。
具体的には、スロットルパイプの内側にスパイラル溝があり、その溝とスライダー面の溝が凸凹で組み合わされていて、右手でスロットルパイプを回すと、スパイラル溝に沿ってスライダーが移動し、その移動量に合わせてキャブレターのスロットルバルブが上下してエンジン回転を上下させます。そんな機構が、通称「スライド式スロットル」です。
巻き取り式スロットルの機敏なスロットルフィールに慣れてしまうと、さすがにスライド式スロットルには、馴染めないライダーが多いようです。そのため、巻き取り式にモディファイする例も多く見られます。
1970年代の後期以降に登場したスーパーカブは、同じデザインのスーパーカブなのに、スライド式から巻き取り式のスロットルにアップデートされたモデルもあります。しかし、オリジナルデザインを好むノーマル派にとっては、見た目のシンプルさに欠けてしまうため(巻き取り式はスロットルワイヤーが外部に露出している)、操作性を犠牲にしても見た目のシンプルさを尊重するライダーもいます。
ここでは、あくまでスライド式スロットルの作動性向上を狙って、分解メンテナンスを行うことにしました。要チェックポイントは、ハンドル側のスライド溝に対して、スライダーがスムーズに作動しているか? ハウジングに対して、スロットルパイプがスムーズに作動しているか? スロットルケーブルがスムーズに作動しているか? などなどです。

ここでは、ハンドル周りとスロットルパイプのメカニズムを点検しましたが、スロットルパイプに差し込んだグリップラバーが、スロットルハウジング側面と接触していて、それが大きな原因で、スロットル操作時に引き摺りが発生していました。
グリップゴムフランジとスイッチハウジングの擦れを改善したら、作動性が軽くなりました。それでもまだまだ改善の余地がありそうなので、後日、スロットルワイヤー単品の点検と同時に、もう一度細部を確認し直し、スロットルの操作感をさらに向上させたいと思います。今回も作業は写真とキャプションをご参照ください。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。










