かつてはスーパーカブの「純正ツーリング仕様」が存在していた!? 1970年代の輸出モデル用セミダブルシートでスポーティなイメージに
1974年に生産された、通称「かもめ」スーパーカブC90K2と言えば、もはや立派な旧車です。現代のスーパーカブとはひと味違う、通称「鉄カブ」と呼ばれるプレス鋼板フレームを持つのが特徴です。走りを楽しむツーリングへ出掛けると、お尻が痛くなってしまうことがよくありますが、そんなときには、着座ポジションを変えてお尻の痛みを和らげますよね? しかし、スーパーカブ純正のサドル型シートでは、それが簡単にできません。荷物満載のツーリングなら諦めもつきますが、スーパーカブで走りを楽しみたい派には、シート交換や改造がお勧めです。
国内にもあったツーリング仕様のスーパーカブ2型
スーパーカブで楽しむロングツーリングと言えば、荷台に箱を載せて、さらにその上に追加の荷物やテントや寝袋を載せた荷物満載仕様を思い浮かべます。
超ロングツーリングやキャンプツーリングなら、そのような荷物満載仕様になってしまうと思います。しかし、日帰りツーリングで、しかも「走り」を楽しみたいとか、普段からタンデムするケースが多いユーザーなら、荷台の上には箱ではなく、純正オプションのキャリヤ用脱着シートを取り付けることが数多かったと思います。

1974年に生産された我がかもめカブC90K2も、購入時には、クロームメッキのリヤキャリヤ+オプションの脱着シートが装備されていました。使い勝手を考えれば、必要に応じて簡単に脱着できるオプションシートで十分だと思います。
一方、スーパーカブでも輸出モデルに多いダブルシート仕様もたいへん魅力的です。国内スーパーカブのイメージは、間違いなくビジネスバイクであって、荷物を積んだり、書類を積んで走るビジネスイメージが圧倒的に強いのですが、海外=特に1970年代以前の東南アジア諸国では、3人乗りや4人乗りで使われる例が多い時代でした。そのような使い方を考えると、通常のロードバイクと似たダブルシートが好まれます。中には、純正ダブルシートよりも大きく長いカスタムシートが販売されている例もあります。
ホンダ純正ダブルシートにも、数タイプありました。かもめハンドル時代には、セミダブルシート、完全なダブルシート、ダブルシートでも、やや短いダブルシートなどがありました。
そんな当時の輸出用シートは、今ではなかなか手に入りませんが、ガレージセールでシート表皮が破れた部品で、かもめハンドル時代のセミダブルシートを発見したので購入しました。さらにそのシートに組み合わせる、純正リヤキャリヤ(ツーリングキャリヤ)も見つけたので、かもめ90に取り付けてみようと思いました。
海外のインターネットサイトを閲覧すると、純正セミダブルシートデザインを模した補修用表皮が販売されていましたので早速、購入しました。そして、張り替え作業を行い、かもめC90に取り付けたことで、走りを楽しむツーリング仕様のスーパーカブC90が完成しました。
スーパーカブ用ダブルシートは、各年式各モデル用に様々なタイプが販売されていますので、気になる方はショップのwebサイトで確認してみてください。なお、今回もシート張替え作業に関しては写真とキャプションをご参照ください。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。



















