ハーレーの一番人気を争う「ブレイクアウト」がキャラ変可能に!? 大排気量Vツインならではの持ち味を強調!!
ハーレーダビッドソンのブレイクアウトは、同社のクルーザーモデルの中で1、2を争う人気モデルで、日本でも高い支持を得ています。2025年式ではライドモードを新たに標準装備。試乗したバイクジャーナリストの青木タカオさんは、その秀逸なセッティングに舌を巻くばかりです。
ライドモード搭載で熟成極めたVツイン
極低回転域からトルクが潤沢にあり、クラッチミートに気を使う必要がありません。エンスト防止機能があるものの、これはクランクマスの重さが相まった押し出し力であり、右手のスロットル操作と駆動輪が直結したかのようなダイレクト感が味わえます。
新たに搭載したライドモードを「スポーツ」に設定すれば、アクセル操作によりリニアに反応し、車体を鋭くダッシュさせるから痛快としか言いようがありません。

今回試乗した2025年式ハーレーダビッドソン『ブレイクアウト』では、168Nmものビッグトルクを3000rpmで発揮。24年式では3500rpmで発生していましたが、吸排気セッティングの見直しなどがあり、最高出力も102→103HPに引き上げられました。
ライドモードは他に『ロード』と『レイン』があり、4インチのスピードメーターに埋め込まれたデジタルディスプレイを見ながら、ハンドル右の新作スイッチですぐに切り替えができます。
『レイン』にすれば、トラクションコントロールの介入度が高まり、その名の通り雨天時の濡れた路面でも、臆せずスロットルを開けられますが、大排気量クルーザーらしい、穏やかなライドフィールも同時に味わえるのが興味深いところです。
アクセルレスポンスにシャープさがなくなり、まろやかで潤沢なトルクをゆったりと引き出していきます。
『レイン』とネーミングされていますが、このおおらかさは味わい深く『クルーズ』であったり『テイスティ』と名付けてもいいのではないかと思えるほど、大排気量Vツインの懐の深さを堪能できるではありませんか。

あらかじめ設定されているライドモードは他に『ロード』があり、つまり3段階。それぞれに味付けを際立たすことで、キャラクターを明確に差別化でき、最新のミルウォーキーエイトエンジンの多様性をフルに出し切ることができています。
そういう意味では、ライドモードを新たに搭載した2025年式は、ミルウォーキーエイトエンジンの一つの完成系へと至り、大きな節目となっていると言えるのではないでしょうか。
ロングストロークエンジンは今なお健在
伝統の45度V型2気筒エンジンはOHVのまま4バルブ化され、ツインスパークや空油冷システムを採用。ボア・ストロークは103.5×114.33mmと、相変わらずのロングストローク設計で、排気量はなんと117キュービックインチ、1923ccにも達します。

今となってはラインナップに欠かせないモデルとなっている『ブレイアクト』ですが、初代は2013年式のカスタマイズオプションの最高峰「CVO(Custom Vehicle Operations/カスタム・ビークル・オペレーションズ)」として登場しました。
レギュラーモデルの排気量がまだ1584ccあるいは1689ccの時代に、1801ccの特別仕様としたVツインエンジン「ツインカム110B」を搭載。『ブレイアクト』は生まれながらの“ファクトリーカスタム”なのです。
発売以来、瞬く間に人気モデルとなり、フレームとエンジンを刷新してからも排気量を1745ccからスケールアップし続け、現在に至ります。
流麗なシルエットがファンを魅了してやまない
太くたくましいかと思えば、繊細でスリムなくびれたラインも併せ持つ『ブレイアクト』は、ロー&ロングに身構えた流麗なシルエットで、ハーレーの中でも1、2を争う人気モデルとなっています。

深く寝かせたフロントフォークに、大径21インチのカスタムホイールを履くフロントエンドに対し、18インチのリヤタイヤは240mmと極端なほどに太い。
ハンドリングに影響を及ぼし、コーナリングでは軽快とは言えず、寝かし込みにクセがあります。というのは、一世代前のシャシーを採用した2バルブエンジン時代のモデルでの話しでした。
1984年に登場し、2017年まで採用され続けたソフテイルフレームは、ミッションケース下に2本のショックアブソーバを路面と水平配置し、路面からの衝撃を受けた際はリジッドフレームのように見せたトライアングル形状のスイングアームを時計回転で、上の方向へ動かす構造としていました。
2018年から導入しているNEWソフテイルフレームでは、シート下にモノショックを配置するカンチレバー式リアサスペンションとし、飛躍的に運動性能を高めています。
今回、久々にソフテイル系モデルに試乗したジャーナリスト仲間が、「素直なハンドリング」と目を丸くしていました。これは一般ユーザー向けの試乗会を取材しても、よく耳にする声です。

旧ソフテイルモデルは路面からの衝撃を受けた時の突き上げが大きく、乗り心地は決して良くありませんでした。ステアリングフィールもニュートラルではなく、コーナー進入時はイン側のハンドルを押して入力するなどのキッカケを意識しなければ、車体がスムーズには寝ていきませんでした。
最新式の『ブレイアクト』は超ワイドタイヤを履きながらも、コーナーアプローチを滑らかにしているから、その進化ぶりは目を見張るものがあります。
2025年式は狙い目と言える!
ヘッドライトやウインカーをはじめ、エアクリーナーケースなどディテールも刷新された新型『ブレイアクト』。

冒頭でも報告した通り、ライドモード搭載によって心臓部であるミルウォーキーエイトエンジンが一つの完成系へと達しました。
まさに狙い目と言える2025年式『ブレイアクト』の価格(消費税10%込)は以下のとおりです。
●ビリヤードグレー:345万1800円
●ビビッドブラック:349万4700円
●ブリリアントレッド:351万5600円
●センターライン:350万9000円
●ミッドナイトファイヤーストーム:373万7800円

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。
























































