伝説の叔父を持つ高校生ライダー、ターナー健人の快進撃 「未経験マシンでも即適応」する才能で世界へ挑戦
日本とヨーロッパのレースで注目を浴びている高校生ライダー、ターナー健人選手について自身もレース経験のある後藤武さんが解説します。
注目の高校生ライダー、「ターナー健人選手」
今回は日本とヨーロッパのレースで注目を浴びている高校生ライダーを紹介することにしましょう。ライダーの名前はターナー健人さん、16歳です。
ニュージランド人の父と日本人の母を持つ健人さんは広島生まれ。現在は大阪の高校に通っています。

小さな頃からポケバイのレースで活躍していた健人さんは、NSF100ccシリーズやフラットトラックレースへとステップアップ。13歳の時にはイタリアのプレモト3選手権に参加して上位を走るようになります。
そして2025年は日本とヨーロッパを往復し、日本のST 600、FIMヤマハ・ブルー・クルーR3ワールドカップ、イタリアの CIV Moto3 選手権にチーム POS Corseから出場しています。フルタイムで高校に通いながら、日本とヨーロッパで開催される3つのレースに参戦しているのですから驚きです。
海外でJean machineというニックネームを持つ健人さん(フルネームはターナー・ジーン・健人)の強みは、速さに加えて適応能力が高いこと。ホンダ、カワサキのライダーとして活躍した武石伸也さんの指導を受けて、2025年の4月にCBR600RRでST600に出場したときは、初めての600ccクラスにもかかわらずデビュー戦で2位となり、第2戦では優勝。どちらのレースでも最速ラップを記録しています。
ヨーロッパで開催されているヤマハR3ワールドカップでもこの適応能力の高さが発揮されることになりました。第1戦ポルトマオまでYZF-R3に乗ったことがなかったにもかかわらずすぐに適応し、6 月のミサノで開催された第2戦では2位に入賞しました。

叔父さんはスズキに500ccクラス初の表彰台をもたらしたあのライダー
実は健人さんの叔父さん、キース・ターナーさんもヨーロッパで活躍したライダーでした。1971年にオーストリアグランプリでスズキ「T500」ベースの「XR05」に乗ってMVアグスタのレジェンドライダー、アゴスチーニ選手を追走。2位に入賞しました。これはスズキが500ccクラスで初めて表彰台を獲得した瞬間でもありました。健人さんはターナー家に54年ぶりのヨーロッパでの表彰台という栄冠をもたらすことになったのです。
当初、健人さんはアジア・パシフィックR3シリーズへの参戦を計画していたと言います。ところがヤマハからR3ワールドカップへの出場の提案を受けて方向転換。これが大きな飛躍へとつながることになりました。現在、ヤマハR3ワールドカップではチャンピオンシップで総合 7 位につけています。まだ 4 戦(8 レース)が残っていますから、ランキング上位も十分に狙える位置にいるのです。
2026 年については、すでにFIMジュニアGP Moto3 および Moto2 からのオファーが届いているとのこと。どちらに進むかはまだ決まっていません。しかし、最終的な目標であるMotoGPを目指していくことだけは間違いないでしょう。若き高校生ライダーがこれからどんな活躍を見せてくれるのかとても楽しみになってきました。
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。











