「トップ争いをしている女性ライダーがいる」 JP250クラスを走る中原美海「目の前の1戦1戦を大事に走りたい」
2025年シーズンの筑波ロードレース選手権JP250クラスで上位を走る女性ライダーがいます。自身もカワサキの2ストロークマシン「750SS」(マッハIV/H2)でレースを楽しむライターの後藤武さんが紹介します。
激戦クラスで2025ランキングトップの実力
2025年シーズンの筑波ロードレース選手権「JP250」クラスで上位を走っている女性ライダーがいます。中原美海さんです。2025年9月に開催された第3戦の撮影をしていたカメラマン、POP近藤から「トップ争いをしている女性ライダーがいる」という連絡があり、ゴトー(筆者:後藤武)はお話を聞いてみることにしました。

美海さんのレース経験がスタートしたのは小学校時代。多くのバイクキッズ同様ポケバイからでした。お父さんがバイク好きで、美海さんが小学校低学年のときにポケバイに乗せようと考えていたようです。ところがその頃、美海さんはソフトボールに夢中になっていました。しかしある日、家でポケバイを発見します。
「私をポケバイに乗せるきっかけがなかったので、妹が生まれたときにポケバイを買ったみたいです。一目見て乗ってみたいと思いました」
それからポケバイに夢中になり、家族皆でサーキットに通う日々。JP250クラスを走るようになってからは知り合いのバイク屋さんにメカをお願いするようになりましたが、レースがある日は家族全員が応援に駆けつけると言います。
高校生のときに転機が訪れました。国別対抗のアジアロードレース選手権にスポットで参加したのです。これがキッカケとなって、翌年からはアジアロードレース選手権のシリーズ戦に出場することになり、高校3年生までインド、中国、マレーシア、タイなどの国々を転戦します。
「アジア選手権は面白かったですね。いろいろな国に行くことができたし。でも海外の選手は激しかったですよ。向こうは生活がかかっているから、レースを落としたら生きていけないくらいの勢いで来る、最初は圧倒されました」
このレースで、自分の問題点が浮き彫りになりました。
「バトルが苦手なんです。単独でタイムを出すことはできるけど、集団だとどうしてもリズムが崩れてしまうんです。ついていくことはできるけど中々前に出ることができないんです。混戦になると苦手なのは今も変わりません。だから予選ではみんなを先に行かせて半周くらい待ってからコースインしたりして、できるだけ1人で走るようにしています」

それでも経験を積むうちに激しい戦いにも慣れ、集団でバトルができるようになっていきます。
この頃は、トレーニングで全日本スーパーモト選手権にも参戦していました。
「ダート区間が苦手なので、ロードで挽回するようなレース運びでした。大変だったけど東日本のチャンピオンになることができました。その年はたまたまダートを走らないレースが多かったので、運も味方してくれました」
JP250が始まった時は、初年度からヤマハ「YZF-R3」で出場します。
「入門クラスだと言われていたけど、走ってみたらGP3から来た人や昔速かった人もいたりして、かなりの激戦でした」
毎回激しい戦いが繰り広げられるJP250ですが、撮影で訪れた筑波ロードレース選手権第3戦のJP250では2位表彰台を獲得。
「9周目までトップを快走していたのに、抜かれて2位になってしまいました。前に出たら詰めが甘くならないように気をつけないといけないですね」
レースには毎回応援に来る熱心なファンもいます。全日本選手権のときは遥々オートポリスまで来てくれた人もいたのだとか。
2026年シーズンにどのクラスに参戦するかは未定とことですが、来年もその勇姿を見ることができるでしょう。
目の前の1戦1戦を大事に走りたいという中原美海選手。これからの活躍に期待です。
(写真=POP近藤、中原美海公式インスタグラム)
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。











