まるでカートのような原付3輪!? ホンダ「ロードフォックス」の悦楽的スイング機構とは!!
1984年に発売されたホンダの原付モデル「ロードフォック」は、「スリーター」シリーズの第5弾です。スポーツライクなライディングとユニークなスタイルが特徴でした。
ホンダ動物名シリーズか? 「フォックステール」もユニーク!!
1981年にホンダから発売された「ストリーム」は、前1輪、後ろ2輪という構成の原付3輪スクーターでした。その後登場する「ジャイロX」などと共に「スリーター」と呼ばれ、シリーズ化されます。
スリーターの特徴はフロント側が左右に傾きながら、リア側は2輪で安定感のある独特な走行特性です。
そして1984年7月に発売された「ROAD FOX(ロードフォックス)」はシリーズ第5弾として登場しましたが、すでに一般ライダーには、スリーターは「3輪の便利な乗り物」として認知されている時期でした。

スリーター初のスポーツモデルとして登場した「ロードフォックス」は、独特なスイング感覚と走行が楽しめるユニークなスタイルの原付バイクでした。
この「ロードフォックス」が3輪スクーターと表現しづらい理由のひとつは、ライダーの両足はボードではなく、バイクのようなステップに置くことです。ライディングポジションと操作はアップライトなバイク的でありながら、エンジンを含めた駆動系は2輪で支えたリア側にあり、低重心な構成です。
フレームはスリーターシリーズ初のパイプ構成のパラレルフレームとなっています。コーナリング時に強い復元力を与える新セッティングのスイング機構と相まって、バイクの様に軽快な左右へのバンキングを楽しめる、スポーツライクなライディングテイストとなっています。

デザインはロングホイールベース&ワイドトレッド、かつ低重心なスタイルで、アメリカンクルーザー的であり、後方から見るとレーシングカートやバギーにも見えるという独特なものでした。
セルボタンで始動できる空冷2ストローク単気筒エンジンは4psを発揮し、2速オートマチック変速はスタートダッシュと中速域の伸びを引き出します。
チャンバータイプの排気管はキツネの尻尾に似た形状で、後方2輪の間に目立つように配置されています。
1980年代は原付スクーター戦争とも言える時代で「ロードフォックス」は大ヒットには至らず、どちらかと言えばレアでカルトなモデルです。
しかし現在に至るまで類を見ない非常にユニークな原付として、記憶に残しておきたいモデルでもあります。
ホンダ「ロードフォックス」(1984年型)の当時の販売価格は13万9000円です。
■ホンダ「ROAD FOX」(1984年型)主要諸元
エンジン種類:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:4.0PS/6000rpm
最大トルク:0.49kg-m/5500rpm
全長×全幅×全高:1595×605×915mm
シート高:620mm
始動方式:セル
燃料タンク容量:3.7L
車両重量:63kg
タイヤサイズ(F):3.00-8-2PR
タイヤサイズ(R):4.50-6-2PR
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員










