「もしモンハンの世界にあったら?」スズキが東京オートサロンで示した“遊び心あふれる答え” 「DR-Z4S」と「ジムニーノマド」が話題に
『東京オートサロン2026』で披露されたスズキのカスタムバイクが話題です。注目すべきポイントは、「もしモンスターハンターの世界にDR-Z4Sがあったら?」というもの。人気のゲーム「モンスターハンター」の世界観への本気度と、スズキらしい遊び心が詰まっています。
「モンハンの世界に存在していそう」スズキ「DR-Z4S」で描く仮想世界
2026年1月に開催された『東京オートサロン』で、スズキが展示した1台のカスタムバイクが来場者の注目を集めました。それが「DR-Z4S モンスターハンター・ワイルズ・エディション」です。
世界的な人気を誇るゲーム『モンスターハンター』(略称:モンハン)の世界観をモチーフに、「もしモンハンの世界にDR-Z4Sが存在したら、現地の人たちはどんなカスタムを施すのか?」という発想から生まれたコンセプトモデルとのこと。
キャラクターやロゴを前面に押し出すコラボとは異なり、あくまでも「その世界に自然に存在していそうな1台」を目指して制作したそうです。

まず目を引くのが、独特の雰囲気を醸し出す外装のグラフィックです。工業製品らしい均一なペイントではなく、「村人が刷毛で塗ったような質感」をイメージしたデザインを採用しているのが特徴です。
ちなみに、ペイントではなくラッピングで仕上げられており、シュラウドからテールカウルまで統一感のある刷毛塗り風グラフィックを実現しています。
また、ハンドルまわりやリアキャリア、バッグ類には革細工が取り入れられていて、モンスターハンターの世界で長く使い込まれてきた「道具感」が表現されています。
オフロード走行を得意とする「DR-Z4S」の走破性をより強調するために、タイヤにはあえて競技用のエンデューロタイヤを装着しています。もちろん展示専用仕様で公道走行は想定されていませんが、荒れたフィールドを走り抜けるモンスターハンターの世界観を、足元からしっかりと表していると言えるでしょう。
フロントブレーキのディスクカバーやリアキャリアは、実はスズキの純正オプションパーツを使用しています。形状はそのままにカラーを変更することで、モンハンの世界観に自然に馴染ませている点も見逃せません。
ブラウンのシート表皮も純正品で張り替えたもの。またローシートではなく「通常タイプ」となっています。
エンジンまわりにも手が加えられており、クラッチカバーを含めエンジン全体をブラックアウトする一方、吸排気系など中身はノーマルのまま、性能アップではなく世界観重視の作り込みであることがはっきりとしています。
若年層へ向けたアピールと、今後の展示予定
今回のコラボ展示について、スズキの担当者は「若い世代にブランドを知ってもらうきっかけづくり」と言います。
近年、スズキではゲームやカルチャーとのコラボレーションを通じた取り組みを進めており、4輪(ジムニーノマド)でモンスターハンターとの企画が進んだ流れから、2輪でも制作が決まったそうです。

モンスターハンターの舞台は悪路が多く、走破性の高さをイメージしやすいモデルとして「DR-Z4S」が選ばれたのも納得です。
今後は、2月開催予定の「モンスターハンターフェス」や大阪オートメッセでの展示が予定されているとのこと。
展示車両の市販化への予定はありませんが、だからこそ実現できた世界観は、多くの来場者に強い印象を残す結果となりました。
現実のバイクをゲームの世界に持ち込む……そんな遊び心あふれる発想を、スズキらしい真面目さで形にした1台と言えるでしょう。
Writer: 佐賀山敏行
カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。














