ホンダ横型エンジン「北米仕様」のモトスポーツ「SL70」 オールペンで初期型のグラフィックを再現!

手軽に楽しめるスポーツスクランプラーとして大人気だったホンダ「SL」シリーズ。その末弟は、実は北米輸出専用モデルとして発売された、横型エンジン搭載の「SL70」でした。そのボロ中古車を里帰りさせて、フルレストアにチャレンジしています。【VOL.05】の今回は、初代シリーズに共通したグラフィック&ペイントで、外装パーツをオールペンします。

ポップなカラーリングが印象的な「SL」シリーズの末弟

 外装ペイントは自前ではなく「プロにお願いする」のが、ぼく(筆者:たぐちかつみ)の基本的な考え方です。目立つ外装パーツが気に入らない仕上がりになってしまうと、それが気になってしまい、後々気分が晴れません。

 足まわり部品の黒モノやシルバー、エンジンカバー類のシルバー系小物部品などは、ゴミやチリが付いてもさほど気にならないし、後々のリカバーもさほど難しくはないと思いますので、DIYでペイント実践することが多いです。

 例えば、ペイント中に飛んできた虫がピタッと貼り付いてしまったら、どうしてますか? ぼくの場合は、その段階で吹き付けを中止して、ある程度まで乾燥を待ちます。表面が研げる程度まで塗料が硬化したら、耐水サンドペーパーでペイント表面と虫を一緒に磨き落とし、ゴミの除去を確認してからペイント続行します。

 ゴミやチリの付着を除去するための専用工具=極細のピックアップツールなどもありますが、集中力が無いのか(?)、今まで成功したことがありません。

ホンダのスクランブラー「SL」シリーズの末弟である「SL70」は、兄貴分のメタリックペイントとは違って、ソリッドカラーを採用していました。初期型K0には、ブルーの他にレッドと山吹色のようなイエローがありました。クリアペイントで仕上げ拭き中です
ホンダのスクランブラー「SL」シリーズの末弟である「SL70」は、兄貴分のメタリックペイントとは違って、ソリッドカラーを採用していました。初期型K0には、ブルーの他にレッドと山吹色のようなイエローがありました。クリアペイントで仕上げ拭き中です

 そんな腕前なので、外装パーツのペイントになるとプロ頼りになります。一方、リカバーが容易かつ、そもそも安っぽい仕上がり印象のエンジンや足まわり関連部品のペイントは、DIYで楽しませて頂いてます。

 おそらく過去には、キッズモトクロスなどで使われていたこの「SL70」(1971年型)ですが、前後フェンダーの先端部分などは、もはや原型が無くなりつつあり「しゃもじ」のように平らに変形していました。特に前フェンダーは、専用ステーが曲がって折れ、亀裂がひどく入っていたため、戻して叩いて溶接修理しました。鈑金修理後にフェンダーとステーを合体して、車体に取り付けられるか確認しないとペイント依頼できません。

 結局は、タンク以外のすべてのパーツを鈑金補修し、車体に取り付けて、ねじって形状を修正補正してから、ペイントショップへ持ち込むことになりました。

1971年モデルのメーカー純正グラフィックが可愛い!!

 埼玉県寄居町の『ドリーム商會』は、高級外車から原付モデルまで、幅広く仕事を請け負ってくださる職人気質の高いプロショップとして知られています。

 とにかく旧車が大好きな小島代表に話しを伺うと「旧車のペイント依頼は相変わらず多いです。中には、タッチアップと磨き仕上げだけでキレイになってしまうレベルの純正ペイント外装が持ち込まれることも多くあります。そんな程度の良い純正ペイントを見ると、オールペンではなく、ノーマルペイントを生かした仕上げ方を、お勧めするようにしています」。

ベースカラーのブルー(ポリバケツ色)の調色から始まり、ペイント、そして最後の磨き仕上げによって美しく仕上がった外装パーツ。スクランブラー兄弟の兄貴「SL350(K1)」を所有するの小島代表は「このSL70は気になりますね~」との感想でした
ベースカラーのブルー(ポリバケツ色)の調色から始まり、ペイント、そして最後の磨き仕上げによって美しく仕上がった外装パーツ。スクランブラー兄弟の兄貴「SL350(K1)」を所有するの小島代表は「このSL70は気になりますね~」との感想でした

 ショップ代表自身が熱烈な旧車ファンなので、どうしてもそのような提案が多くなってしまうそうですが、仕上がった外装パーツを見ると、依頼したユーザーの誰もが「選択が正しかった」ことを理解されるようです。

 お願いした「SL70」は、小島代表が所有する「SL350」の兄弟モデルで、しかも末弟モデルになります。部品を持ち込むと「こりゃかわいいデザインですねっ!!」の連発でした。

 作業工程としては、純正グラフィックを再現するためのデータ取りから始まります。また、現物見本で調色データが作られます。その後、旧ペイントの剥離作業が始まります。

 鉄板地肌を出してから、鈑金処理の有無が判断されます、それから下塗りのサフェーサー仕上げが行われ、その後、ベース色となるブルーがペイントされます。

 乾燥後に表面を水研ぎしたら、データ取りしておいたデザイングラフィックをマスキングして、白ラインを再現します。その後、ライン境界の段差処理を施してからクリアペイントで仕上げられます。

 クリアペイントに関しては、ピカピカ仕様もしくは純正調のような、やや「ゆず」っぽい肌仕上げにするのかで、吹き付け方法を変えているそうです。

 そうして素晴らしい仕上がりになりましたので、これからの組み立て作業が待ち遠しくて仕方ありません。

 ですがその前に、今回ペイントしていただいたサイドカバーにも触れなくてはいけません。ぼくの「SL70(K0)」は、片側のサイドカバーが欠品していたので、実はペイント依頼前に、ABS製の樹脂板から完全複製していました。その作業はまた次回リポート致しますので、ご期待下さい!!

【画像】当時風のカラーリング(ポリバケツ色?)を再現!! 手磨きで仕上げるプロの技を画像で見る(12枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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