イカつい顔でヤンチャなハイパフォーマンス系!? 「ストリートファイター」ってどんなバイクのコト?

数あるバイクのカテゴリーの中で、有名なゲームと同名の「ストリートファイター」とはどんなバイクなのでしょうか? なんとなく「尖がったスタイルのネイキッド」というイメージがありますが……。

最初はカスタムスタイルだった!?

 数あるバイクの中で、「ストリートファイター」と呼ばれるモデルは、現在ではカウルを装備しないネイキッドバイクの中のひとつのカテゴリーとして認識されています。

 攻撃的なスタイルや特徴的な異形ヘッドライトの顔つきで、「ストリートファイター系」とか、略して「ストファイ」と呼ぶこともあります。またイタリアのドゥカティでは、そのまま車名にしたモデルも存在します。

 この呼び名は、最初はカテゴリー名と言うより「カスタムのスタイル」として1990年代のヨーロッパで誕生しました(前衛的なスタイルが好みのフランスという説アリ)。

 当時人気を博していたフルカウルのスーパースポーツ車(時代的に日本製の大排気量レーサーレプリカが主体と思われる)から、カウリングを外してバーハンドルを装着したのが発祥だと言われています。

バイクのカテゴリーをそのまま車名にしたドゥカティ「ストリートファイター」(2010年モデル)
バイクのカテゴリーをそのまま車名にしたドゥカティ「ストリートファイター」(2010年モデル)

 敢えてカウリングを外したのか、はたまた転倒などでカウリングが破損したので外したのかは定かではありませんが、レーサーレプリカやスーパースポーツの低いセパレートハンドルから、1本のパイプハンドルに交換するのが特徴です(いわゆる「アップハン」にして装着)。

 これは上半身を起こしたライディングポジションで、かつハンドルを大きく切ったり振り回しやすくするためのカスタムで、ウイリーやジャックナイフ、アクセルターンなどのアクションをやりやすくするためでもありました。現在も人気のエクストリームライディング用に改造したバイクに通じるものがあります。

 そんなカスタムスタイルをバイクメーカー自身が最初に取り入れたのが、英国のトライアンフです。スーパースポーツモデルの「デイトナ」をベースに、カウリングを持たない「スピードトリプル900」を1994年に発売しました。

メーカー製ストリートファイターの先駆けと言える、トライアンフ「スピードトリプル900」(1994年)
メーカー製ストリートファイターの先駆けと言える、トライアンフ「スピードトリプル900」(1994年)

 とは言え、このバイクのハンドルはけっこう低めです。なので、同様の手法で作られたバイクとしては日本のヤマハ「FZ400N」(1985年)やホンダ「VFR400Z」(1986年)の方が早くに登場しています。

 が、こちらはエクストリーム用スタイルというより、ネイキッドとしての軽快性を目的としていました。

 トライアンフに話を戻すと、「スピードトリプル」はモデルチェンジを重ね、1990年代後半にはアップライトなバーハンドルに進化して、いっそうストリートファイターらしいスタイルを手に入れました。

 また2003年には、ミドルクラスのスーパースポーツ「デイトナ600」がベースの「スピードフォー」も発売します。こちらはその後、3気筒エンジンの「デイトナ675」が2006年に発売され、翌2007年に「ストリートトリプル」がデビューします。

 こうしてストリートファイターの先駆けとなったトライアンフですが、いつしかベース車のスーパースポーツ車が消えて、ストリートファイターがメインモデルになった感があります。

スーパースポーツがベースの高性能ネイキッドだったが……

 欧州では2010年に、ドゥカティが「スーパーバイク1198」をベースに、カウリングを剥ぎ取りパイプのバーハンドルを装備した、その名もずばり「ストリートファイター」を発売します。

 その後も「スーパーバイク」のラインナップの拡大(ミドルクラスなど)やモデルチェンジに合わせて「ストリートファイター」も進化し、現在ではV4エンジンを搭載する「ストリートファイターV4」や、新型のV2エンジンを搭載する「ストリートファイターV2」が販売されています。

 またBMW Motorradも、スーパーバイクレース参戦用に開発した「S 1000 RR」(2010年)をベースに、2014年にストリートファイター系の「S 1000 R」を発売。その後も「S 1000 RR」や高性能仕様の「M 1000 RR」のモデル進化に合わせて、「S 1000 R」および「M 1000 R」が登場しています。

BMW Motorrad「S 1000 R」(2025年)
BMW Motorrad「S 1000 R」(2025年)

 そして日本メーカーに目を向けると、ヤマハのスーパースポーツ車「YZF-R1」がベースのネイキッドモデル「MT-10」(日本仕様は2017年に発売)が、ある意味正統なストリートファイターと言えるのではないでしょうか。

 こうして見ると、ストリートファイターとは登場時のカスタムスタイルからメーカー製のカテゴリーに変わってからも、ずいぶん過激なバイク……と感じられます。

ヤマハ「MT-10」(2025年)
ヤマハ「MT-10」(2025年)

 とはいえ序盤でも触れたように、現在では必ずしもスーパースポーツ車がベースというワケではなく、尖ったスタイルやパフォーマンスに長けたネイキッド車を示すカテゴリーになったように思われます。

 そう考えると、いまやネオクラシックやレトロ系を除いたネイキッドモデルの多くが「ストファイ系」なのかもしれません。

【画像】「こんなの扱いきれないよ!!」 スーパースポーツのアップハン仕様的な「ストリートファイター」を画像で見る(20枚)

画像ギャラリー

Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

編集部からのおすすめ

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

最新記事