冬眠中のバイクは一時的にエンジンを始動した方が良いってホント? 状態チェックの注意事項は?

寒い季節、バイクを走らせる機会が少なくなっても車両の状態を良好に保つために定期的にエンジンを始動することが良いと言われていますが、なぜでしょうか。

中途半端なエンジン始動は逆効果になる可能性も

 一般的に、冬季は路面凍結のリスクや寒さ、降雪などによりバイクに乗る機会が減る時期です。とくに住んでいる地域によっては、それに備えて事前にバイクを「冬眠」させているライダーも少なくないでしょう。

 そんなとき、長期間まったく動かさないことによる不調を防ぐために、一時的にエンジンをかけると良いと言われますが、何も考えずにエンジンをかけてしまうと、かえって悪影響を及ぼすおそれもあるようです。

 もっとも気をつけなければならないのが、エンジン内部の水分です。外気温が低い状態でエンジンをかけると、燃焼にともなって発生した水蒸気が冷たいエンジンケース内で冷やされ、水滴となってオイルに混ざる現象が起こります。

 数分程度の短い始動でエンジンを止めてしまうと、この水分が蒸発しきれずに内部に残り、オイルの乳化や金属部品の錆を引き起こす要因になると言います。

 一時的にエンジンをかける場合は、オイルが十分に温まって内部の水分が完全に飛ぶまで止めないことが求められます。

 なお、長期不動状態や冷間時は金属表面の油膜が薄くなっており、急激に回転数を上げると部品の摩耗を早めることにつながるため、始動直後の空吹かしは厳禁です。

 燃料の状態確認も重要なポイントです。とくに寒い季節は燃料タンク内と外気温との温度差によって結露が生じやすく、ガソリンに水が混入することがあります。その状態でエンジンを始動させると不調の原因にもなり、これは季節問わずですが、保管前には燃料タンク内の空気が少ない状態にしておくために、満タン保管が大前提です。

 またキャブレターを採用しているバイクでは、フロートチャンバー内の燃料をあらかじめ排出しておくで、保管中に劣化した燃料による目詰まりを防ぐことが出来ます。

「冬眠中」のバイクでも、一時的なエンジン始動はやった方が良い?
「冬眠中」のバイクでも、一時的なエンジン始動はやった方が良い?

バッテリーにも注意! ほかにもイロイロ?

 一時的にエンジンを始動する理由のひとつに、バッテリーへの給電(バッテリーあがりの防止)が挙げられますが、ここにも注意すべき点があります。

 エンジンを始動してもすぐに十分な電力を蓄えられるわけではありません。始動時にはセルモーターを回すために電力を消費するため、短時間のアイドリングだけでは消費分を補いきれず、調子を整えるつもりが逆にバッテリーの電圧を下げてしまうことにもなります。

 バッテリーの良好な状態を維持するためには、ある程度の時間エンジンを回し続ける、と言うより専用の充電器で補充電が推奨されています。

 操作系の確認も重要です。ブレーキレバーやスロットル、クラッチなどのワイヤー類は、動かさない期間が長いほどグリスの固着や錆が発生しやすくなります。

 スムーズな動きを維持するためにはこれらの可動部を操作し、不具合が無いかも含めて動作チェックすると良いでしょう。

 またドライブチェーンについても、表面の油分が十分か、錆が発生していないかを確認し、必要に応じてメンテナンスします。

※ ※ ※

 これらの作業はあくまで補助的なものですが、冬眠中のバイクでもメンテナンスは大切です。エンジンを始動する際は必ず排気ガスがこもらない広い空間で行い、騒音による近所への配慮も忘れないようにしましょう。

 一時的なエンジン始動は良くない、そもそも走らないなら意味が無いし逆効果という意見もあります。保管状況や機械的な特性を理解して適切なメンテナンスを行うことが、愛車の状態を良好に保つことにつながるでしょう。

【画像】持ってる? 使う場所によって種類が異なるメンテナンスに必須の「グリス」の種類を画像で見る(17枚)

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