バイクにもナビ装着 もはや普通? 圧倒的にスマホの利用が多いけど結構キケンです
バイクでツーリングや初めての場所へ行く際は、ハンドル周りにスマートフォンホルダーを装着し、スマホをナビとして使っているライダーが多く見られます。しかしスマホが故障したらかなりの痛手です。ほかに何か良い方法はあるのでしょうか。
スマホにとって、バイクは厳しい環境
近年、スマホをバイクのハンドル周辺に装着してナビとして使うライダーが多く見られます。クルマ(4輪車)でも同様ですが、スマホの所有が一般的な時代において、もはや普通の使い方でしょう。
ただしバイクは思いのほか振動が強く、クルマと違って風雨や日光に直接晒されるため、スマホ的には厳しい使用環境です。
少し以前の話ですが、アップル社はiPhoneをバイクに装着すると、カメラシステムの性能低下の恐れがあると公式にリリースしました。
ナビとして便利に使えるものの、相応に高額なスマートフォンが壊れたり、トラブルを起こしたらかなりの痛手です。
最近は防振機能に優れたスマートフォンホルダーも多く、そういった製品なら振動によるトラブルは少ないかもしれません。

また多くのスマートフォンは防塵・防振機能が国際規格のIP67やIP68になっており、相応に高い耐水性がありますが、強い「噴流水」には耐えられない場合もあります。そのため雨天時に直接雨粒が当たる場所に装着していると、やはり故障する危険があります。
他にも、走行中に直射日光を長時間浴びていると、スマートフォンが熱暴走することもあります。
そして考えたくはありませんが、万一の転倒時の危険性です。立ちゴケくらいなら大丈夫かもしれませんが、走行中に相応の勢いで転倒したら、スマートフォンが路面などにぶつかって壊れるかもしれないし、ホルダーから外れて飛んでしまったら、かなりダメージがあるでしょう。
その際に、バイクが壊れて走行できなかったらバイクショップに連絡したりレッカーを呼んだりするでしょうし、ライダーがケガをしていたら、救急車を呼ぶ必要もあるでしょう。
そんな最悪な状況で、スマートフォンが使えなかったら猛烈に困ります。
……と、脅し文句ばかりになりますが、スマートフォンをハンドル周りにマウントしてナビとして使うことは、少なからずリスクがあることを知っておいた方が良いでしょう。
もし機種変更などで以前使っていたスマートフォンが手元にあるなら、SIMカードを入れ替えるなどしてバイクのナビ専用にするのもアリです。
スマホ連携でナビ表示可能なバイクもある!
とはいえサブで使えるスマホは持っていないし、やっぱりナビは使いたいし、という場合はどうすれば良いでしょうか?
近年はスマホ連携機能を持つバイクが増えていますが、なかには独自のアプリや社外アプリを用いることで、スマートフォンのナビゲーション画面をメーターのディスプレイにミラーリングできる車両もあります。
これらはアプリの起動中にスマートフォンのバッテリー消費が増えたり、スマホの発熱が増す場合もあります。
たとえばドゥカティ「ムルティストラーダV4 S」にはスマートフォンのミラーリングの機能があり、燃料タンク上面に専用のスマートフォン入れを設け、中にはUSBポートがあり、フタにはなんと冷却用の電動ファンまで備わっています。またBMW Motorrad「R 1250 RT」なども同様の機能・機構を備えています。

日本メーカーでも、カワサキ「Ninja H2 SX」やスズキ「GSX-S1000GT」などはスートフォンのミラーリングが可能で、USBポートの装備もあります。
とはいえ、これらの機能を持つ車両は、大型ツアラーやアドベンチャーなどまだ少数なので、誰にとっても選択肢になるというわけではないでしょう。
また、スマートフォン連携と専用アプリによって、メーターディスプレイに道案内を矢印で表記する「ターン・バイ・ターン」方式のシンプルなナビゲーションは装備車両が増えており、新登場のホンダ「CB1000F」も装備しています。
フルマップのナビゲーションと比べると物足りないかもしれませんが、やはりあると便利。スマートフォンをタンクバッグやウエアのポケットに入れた状態で使えるのは安心と言えます。
これからバイクに乗る人、乗り換える人は、車両選びのひとつの基準として考えても良いかもしれません。
これからは「スマートモニター」VS「やっぱりバイク専用ナビ」?
自分の愛車はスマートフォン連携のナビ表示機能が非装備だけど、やっぱりスマホを守りたい、というライダーにオススメなのが、「スマートモニター」でしょう。ナビはもちろん通話やメール、音楽を聴くなど、スマートフォンのほとんどの機能を使えるうえに、タッチパネル操作が大きなメリットです。スマートフォンを取り出すことなく、タッチ操作可能なグローブを使用すれば、非常に使い勝手が良いからです。

最近はドライブレコーダーと連動するスマートモニターなど機能の拡張も著しく、製品の種類もどんどん増えており、価格的にもこなれてきた感があります。
ここまではスマートフォンをハンドルにマウントしないでナビを使う方法を解説しましたが、最後に紹介したいのが「バイク専用ナビ」です。
なんとなく時代と逆行した感じもありますが、やはり専用機は使い勝手と信頼性に差があります。
メーターディスプレイにナビを表示できる車両も、スマートモニターの場合も、いずれにしてもスマートフォンとの連携が必要ですが、アプリが別料金だったりデータ通信費が相応にかかることがあります。
またそれらのコストはともかく、バッテリーの消費やアプリ起動中のスマホの過熱問題、何より接続が不安定で予期せぬタイミングでナビゲーションが途切れることも、そこそこの頻度であります。
その意味では、これらの機能や製品は、現時点ではまだ過渡期と言える部分があるのかもしれません。
その点で、バイク専用ナビは独立して稼働するので、電源さえ確保すればいつでも問題なく使えます。
通話や音楽を聴くことはできませんが、ナビだけで良いなら使用感も含めて(現時点では)専用機に勝るものはありません。

前述したように、スマートフォンホルダーも日々進化しているので以前よりもスマホ故障のリスクは下がっているかもしれません。
また、ナビに求める精度や使い勝手はもちろん、ライディング中もスマートフォンの機能を使いたい、機材のコストを抑えたい等々、バイクのナビはどれが正解なのかは、ライダーの要望や目的によって変わるでしょう。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。










