創立125周年!! ロイヤルエンフィールド“最新クラシック”2台の記念モデルの魅力に迫る!! ~高梨はづきのきおくきろく。~
毎月「8」がつく日は『高梨はづきのきおくきろく。』です。今回は、ロイヤルエンフィールドの創立125周年を記念した特別な2モデルの魅力についてお届けします。
ブランドの長い歴史「時間の重なり」を感じられる!!
皆さんこんにちは、バイク女子の高梨はづきです!
本日の「きおくきろく。」は、『東京モーターサイクルショー2026』で出会った、「時間を背負った2台」についてお届けしていくよ。
会場を歩いていると、不思議と足が止まるブースがあった。派手な演出があるわけでもないのに、なぜか視線を奪われるのは、そこに並んでいるバイクたちが「今の新しさ」ではなく、「積み重なってきた時間そのもの」をまとっているように見えたからだと思う。
それは「Royal-Enfield(ロイヤル・エンフィールド)」のブランド創立125周年を象徴する2台、「CLASSIC 650 125周年記念モデル」と「BULLET 650(ブリット・ロクゴーマル)」だった。

最初に目を引かれたのは「CLASSIC 650」だった。単純に「綺麗なカラーだな」で終わらなかったのは、見る角度によって色が変わるその塗装が、ただの装飾ではなく「時間の重なり」のように感じられたから。
ベースの赤の上に特殊なフレークを重ねていることで、光の当たり方によって金にも緑にも見えるその表情は、一瞬として同じ顔を見せない。赤に見えた車体が、少し角度を変えるだけで黄色を帯び、さらに光を強く受けた瞬間には、ふと緑が混ざるように見える。
ブースの中を歩きながら視線を移すたびに、さっきまで見ていた色が静かにほどけて、別の表情に置き換わっていく。だからこそこれは、ただの「綺麗な塗装」ではなくて、その奥にある時間の層を覗き込んでいるような、不思議な感覚になるのだと思う。
新しさの上に、125年という歳月の重みをそっと乗せている。その表現を、色という最も直感的な要素でやってしまうあたりに、このモデルの面白さがあるのかもしれない。
一方で、その隣にあった「BULLET 650」は、まるで逆のアプローチだった。ぱっと見の印象は驚くほどシンプルで、むしろ装飾を削ぎ落としたようにも見えるのだけど、それでも惹かれてしまうのは、このバイクが「何も足さないこと」を選び続けてきた存在だからだと思う。
「ブリットは、90年以上作り続けているモデル名なんです。最初は1933年ですね」
そう聞いた瞬間に、この佇まいが「何もしていない」のではなく、「変えないという選択を積み重ねてきた結果」なんだと、すっと腑に落ちた。

ヘッドライトとメーターを一体で包む「ナセル」や、帽子のつばのように張り出した「キャスケット」。それらは「レトロ風」ではなく、もともとそうだった形が、そのまま今も残っているという事実に価値がある。
例えば、ヘッドライトの上で光る、通称「タイガーアイ(虎の目)」と呼ばれるポジションランプ。昔はヘッドライトを点けないときにここだけがぼやっと光っていたそうで、そんな小さな光の歴史まで、今の時代に連れてきている。
そして燃料タンクに描かれたピンストライプ。驚くことに、これは今でも職人による手描きなんだって。1本の筆で、圧力だけを変えて太いラインと細いラインを書き分けている。力のかけ方ひとつで表情が変わる。
さらに驚いたのは、その仕上がりの繊細さだった。このラインは製品版ではクリアの下に収められる予定だと聞き、まだ開発段階でありながらも、すでに完成形を想像させるだけの存在感を持っていた。
足元を覗くと、ホイールの中心(ハブ)までキラキラのメッキ仕様。「今どき、ハブまでメッキをかけるなんて珍しいんですよ」と教えてもらい、見えないような細部にまで注がれた125年分の熱量を感じた。
そう聞いてから改めてラインを見てみると、確かにわずかな濃淡や揺らぎがあって、均一じゃない。でも、その揺らぎがあるからこそ、1台ごとに違う表情が生まれる。
「(展示車両を)触ってもいいですよ」と言われて、おそるおそる指先で触れてみたときのあの感覚。クリアが塗られる前の、少し生っぽい手触りが、このバイクがこれから世に出ていくんだという息吹を感じさせてくれた。
つまりそれは、「同じモデルであっても同じ1台は存在しない」ということ。工業製品なのに、どこか人の体温が残っている。そんな感覚に触れてしまうと、もうただの「モノ」としては見られなくなる。

もちろん中身は、650ccの並列2気筒エンジンにSHOWA製サスペンションと、しっかり現代の走りを支える仕様。見た目だけを過去に寄せているのではなく、必要な部分はきちんとアップデートされているからこそ、このバイクは「古い」のではなく「今も成立している存在」なのだと思う。
特に印象的だったのはハンドルの位置で、少し手前に引かれていることで、腕を無理に伸ばさなくても自然に手が届く。
私のような身長158cmのライダーにとって、この「ほんの少しの余裕」があるかどうかで安心感は大きく変わるし、ただ跨れるかどうかではなく、「このバイクと一緒にどこかへ行けそうだ」と思えるかどうかは、こういう細かな部分で決まるのかもしれない。
こうして並べて見ると、この2台はまったく違う方向を向いているようでいて、実は同じことを表現している。

「CLASSIC」は変わらない形の上に変化を重ねることで時間を見せていて、「BULLET」は変えないことを積み重ねることで時間を証明している。
どちらも「125年」という歴史の語り方でありながら、片方は「変化」で語り、もう片方は「継続」で語る。だからこそ、この2台を同時に見ることで初めて、「変わり続けるために何を残すのか」というブランドの意思が、よりはっきりと輪郭を持って見えてくる。
新しさを追いかけることだけが進化ではなく、残すことを選び続けることもまた、確かな進化のかたちなのだと思う。
そんな当たり前のことを、あらためて思い出させてくれる2台だったよ。
ということで本日はここまで。また「8」のつく日にお会いしましょう~!

Writer: 高梨はづき/hapi
(役者/YouTuber)17歳で普通自動二輪免許取得し、当時の愛車はホンダCB400T。声優を目指して専門学校に入学後、勉学に専念するため同車を手放し一時バイクを離れる。2020年3月にカワサキ・エストレヤを購入し、数年ぶりにバイクの世界にリターン。声優活動を経て、現在は舞台役者・バイカーモデルとして活動中。同時に"hapi"名義でYouTubeチャンネルを開設、自身のバイクライフをマイペースに投稿してます!チャンネル登録お願いします!!
















