減少傾向にある「放置自転車」問題にさらなる一手 「民営駐輪場設置」に助成金が!? 狭小地の活用で社会問題に貢献

年々減少傾向にある放置自転車ですが、ゼロを目指すにはまだ駐輪場が足りない状況です。知られざる「民営駐輪場の助成制度」について紹介します。

放置自転車は大迷惑。人口の多い地域では対策が続く

 車道や歩道をふさいで交通障害を起こしたり、街の景観を損ねるなど大きな問題になっているのが放置自転車です。とくに東京都や大阪府などの大都市では、その数の多さから事故や救急車などの緊急車両の通行困難などを引き起こし、近年深刻な社会問題として取り上げられてきました。

 また、大規模な地震や火災などの災害が発生した際に、放置自転車は消火や避難、救助活動に深刻な障害となりえます。

 このような問題を背景に、各地の自治体では「駐輪場設置の推進」や「自転車撤去費用の増額」、クリーンキャンペーンの実施など手を尽くしてきました。その結果、令和6年には、東京都内の駅周辺における放置自転車の台数は1万4876台となり、東京都自転車安全利用推進計画で設定した「令和7年度中に1万5000台以下」という目標を1年前倒しで達成しています。

自治体によっては「民営自転車等駐車場」の設置に対する助成制度がある
自治体によっては「民営自転車等駐車場」の設置に対する助成制度がある

 放置自転車の数は減少傾向にあるものの、地域によって差があり、また電動アシスト自転車(e-BIKE)の利用増加に伴い、一般のシティサイクルよりも重く、タイヤも太く、子乗せタイプで幅を取る電動アシスト自転車専用スペースの確保が難しいといった課題も残っています。

 また、これまで駅前周辺の駐輪場設置の拡充が行われてきましたが、駅近の駐輪場は午前中に満車になってしまい、慢性的な駐輪場不足に陥っている地域も多々あるようです。

 多くの自治体で、大規模小売店舗、飲食店、金融機関、スポーツ施設、遊技場、学習施設などの施設を新築・増築するときは、自転車駐輪場の設置を義務付けていますが、それでも足りていないのが現状です。

 そこで各自治体ではさらなる一手として、「民営駐輪場」を整備する際の助成を設定しています。

 例えば東京・目黒区ではこの2026年4月から、民営駐輪場助成制度の要件を緩和し、以下の項目を条件に、民営自転車等駐輪場を設置する際にその建設費、運営費の一部を助成するという制度を新設しました。

①駅からおおむね200メートル以内の場所にあること。

②継続して3年以上運営されること。

③自転車等がおおむね10台以上(原動機付自転車専用の駐車場はおおむね5台以上)収容できるものであること。

 これまで設置台数要件は50台でしたが、狭小地での助成も可能とする新制度は大きな緩和と言えます。

 また、江東区など小規模スペースを活用した自転車駐輪場整備を促すため、自転車1台単位での補助区分を設けている自治体もあります。ビルの脇や道路沿いのわずかなスペースなど、一般的には活用が難しい場所に駐輪場を設けることでスペースを増やそうという試みで、広い土地を確保することが困難な都市部ならではの施策です。

 自治体によって設置台数や継続年数などの条件に違いがありますが、東京都内に限らず、横浜市やさいたま市など人口が集中している地域の多くで助成金制度を設けているようです。

 空いている狭小スペースを、有意義に活用できる選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。

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