五輪新競技にも選ばれた「スケボー」 米国生まれのカスタムバイク「チョッパー」との共通点とは
ストリート・スケーターの台頭で再燃した1990年代のスケボー・シーン
安全性の面などが危惧され、一時は衰退するスケートボードですが、THE NASH氏によると、1990年代に新たなブームを生み出したストリートスケーターの登場により、再びシーンの活性化が始まります。
「スケートボードパークや(水の張っていないプールで滑る)ボウルでのスケートボーディングが、様々な“裁判沙汰”に巻き込まれ廃れていくのですが、90年代初頭からストリート・スケーターが台頭してきます。“ジェイソン・ジェイシー”や“マックス・シャーフ”などは、その流れといえるでしょう。

もちろん、ジェイソンはスケートボードブランド“Santacruz(サンタクルーズ)”のプロライダーとして活躍していましたが、やはりストリートスケーターとしてのノリが強いと思います。まさにスケボーがパークから出ていった時代ですね。
“ヘルメットはダサい、プロテクターはダサい”といった感じで、決まったパークではなく、“滑っちゃいけない所”を選んで、あえてソレをやってしまうノリがニューウェーブとして受け入れられたんです。
結局、良くも悪くも尖ったカルチャーじゃないですか? だから万人受けは正直、ナイんですよ。ハマればハマるほど危険なものですし、一般的なものと乖離していく気がします。でも、だからこそ逆にディープにハマるという人も多くいるんでしょう」。
このように、THE NASH氏の話を聞く限り、1960年代にムーヴメントが本格的にスタートし、1970年代に黄金期を迎え、1980年代に一度、衰退するものの、1990年代に再び盛り上がりを見せたスケートボードとチョッパーの世界は、カルチャーとしての流れが驚くほど酷似しています。

また、著名なプロスケーターの中にはハーレー・ダビッドソンやトライアンフをベースにしたチョッパーを愛車とする人も広く見受けられますが、どちらの世界も“リスクとスリル”を求める種類の人間が心惹かれるという部分も一つの共通項なのかもしれません。
米国のカリフォルニアで生まれたカウンターカルチャーであるチョッパーとスケートボード、この二つを取り巻く世界観が同じ匂いを醸し出すのは、歴史を振り返って考察してみると、ある意味、必然といえるでしょう。
【了】
Writer: 渡辺まこと
ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。







