仰天!! 3輪だから三つ目に…!? ヤマハ「ナイケン」デザイナーの開発ウラ話

ヤマハがはじめて開催した「NIKEN/GTエクスクルーシブ試乗会」と「オーナーズミーティング」。驚愕の開発秘話が飛び出したのは、開発責任者やデザイン担当者によるトークショーでのことでした。

掟破りのスリーホイーラー、デザイナーの発想も柔軟!!

 会場となったターンパイク箱根(神奈川県足柄下郡湯河原町)では、2018年より順次デリバリーされているヤマハのスリーホイーラー「NIKEN(ナイケン)」と、2019年3月より予約受付が開始された「NIKEN GT(ナイケンGT)」の試乗・展示車が並べられました。

正面からのスタイリングが特徴的なヤマハ新型「NIKEN GT(ナイケンGT)」(グレー)

 開催日は2019年5月19日(日)、試乗会は事前申し込みで120名限定、オーナーズミーティングは決められたスペースに並べられ、終日ナイケンファンで熱気ムンムンでした。

 午前と午後、合計2回のトークショーでは、ナイケンのプロジェクトリーダーである鈴木貴博さん(ヤマハ発動機株式会社モビリティ技術本部)と、デザインを担当した木下省吾さん(GKダイナミックス動態デザイン部)が登壇し、鈴木さんがLMW(リーニング・マルチ・ホイール)機構の利点をわかりやすく解説すると、木下さんはデザインについて言及しました。

「上から見ると、頭でっかちなオタマジャクシのようなスタイルです。フロントが大きいから、いっそうのことリアもボリュームを持たせるか? など、どうすればカッコよくなるのか最初はとても悩みました」

 木下さんがそう言うと、鈴木さんは「見る人にLMWの機能を伝えれば、結果的にカッコよくなり、デザイン寿命が長くなる」とアドバイス。開発時はふたりで毎晩遅くまでデザインについて語り合ったことを明かしたのでした。

 木下さんは空気の流れを追求し、空力特性に優れるエクステリアを開発。フロント2輪でしっかり路面を捉えるスタイルが強調され、リアは短く軽快なフォルムとなってスタイリッシュなナイケンが生まれたのです。

参加者の前で「NIKEN(ナイケン)」開発の苦労と喜びを語る、デザインを担当したGKダイナミックス動態デザイン部の木下省吾さん

 当初はいろいろなアイデアがあり、木下さんによると「3輪だからヘッドライトは3眼も考えた」とのこと。門外不出のデザインスケッチが会場のディスプレイに表示され、参加者のみがそれを目にすることができたのでした。

 結果は軽量化のために見送られましたが、さすがはフロント2輪という常識破りのナイケン。デザインも斬新な発想が次々出ていたことがわかりました。

 ヤマハ「TRISITY(トリシティ)」からはじまった「LMW」シリーズ展開は現在も進行中です。開発のウラ話を聞くと、三つ目のナイケンは実現しませんでしたが、今後の新登場モデルに期待してしまいます。

【了】

ヤマハ「ナイケン」デザイナー開発ウラ話の画像を見る(6枚)

画像ギャラリー

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

最新記事