短いホイールベースのクルマが思い浮かぶ? ビギナーからエキスパートまで楽しめるホンダ「CB250R」の実力に迫る

2019年3月に新型モデルが発売されたホンダ「CB250R」は、CB1000RやCB650Rなどで構成される「新世代CBシリーズ」に属する一台です。いったい、どのような乗り味に仕上がっているのでしょうか。

CB250Rの乗り味は“ホイールベースの短いクルマ”!?

 クルマでは、ホイールベース(前後のタイヤの距離)を短く設定することで、カーブでのより俊敏な動きを狙ったモデルが存在しています。代表例としてはマツダ「ロードスター」や、ちょっと古いですがランチア「ストラトス」というクルマ達が挙げられるでしょう。
 
 この記事をお読みいただいている皆さんの中にも“ホイールベースの短い車”として、これらのクルマ達の名前を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ラリーで活躍した往年の名車、ランチア「ストラトス」

 実は今回、ホンダ「CB250R」を試乗して、走り出した際に「それらのクルマ達に似ている」という印象を受けました。それはどういうことか? まずは街乗りで普通に走っている状態をイメージしてみてください。
 
 路面には段差や継ぎ目、また大型商用車などの走行によってできたワダチなどがありますが、そこを走って行くうえで乗り手には、目で見る情報、音で感じる情報、体で感じる情報などが入って来ます。CB250Rは、その情報の入り方がショートホイールベースのクルマに似ていると感じたんです。

ホンダ「CB250R」に乗る筆者(金子陽一)

 またがりポジションを取ると、メリハリがありエッジを効かせたタンク形状には膝がスッと納まり、その居心地の良さからモダンデザインというだけでなく、考え抜かれた形状だということが確認できます。
 
 液晶のメーターパネルは横長に、ヘッドライトもライダーからは確認できないほどコンパクトに内側に配置されています。結果、前方視界が広く開け、すぐ目の前の死角も少なくクリーン。同時にハンドルの真下にフロントタイヤが有るように感じられ、ライダーが上から押し込むようにして路面とコンタクト、走行を続けて行くと目から入った情報が間違っていなかったと確認しやすいのです。

単気筒らしいトコトコ感とスムーズな回転フィーリング

 単気筒DOHC4バルブエンジンはパワーフィーリングや回転数だけでなく、その振動や音からも効率のいいギアを選択しやすい。これら一連の情報がおもしろい様に受け取れ、またその情報の正確さが、先に上げたホイールベースの短いクルマ達と共通しているなと感じられたポイントです。

ホンダ「CB250R」(マットパールアジャイルブルー)

 エキスパートなライダーが乗れば荷重を転がしながら抜群な姿勢をキープでき、再現性も高い。これからバイクを楽しもうと思うライダーには、ライディングを楽しみながら様々なことを学ばせてくれる。それがこのCB250Rの強みであり、スペックだけでは語れない特徴でしょう。

 座った時にサスペンションが優しく縮みますが、これはホンダの狙いである足つき性の向上というメリットだけでなく、これからスタートするライディングに向けて、上質な気持ちにさせてくれるファーストコンタクトの効果も生み出しています。
 
 幅の広いハンドルバーからは安心感も感じられ、単気筒ということを忘れてしまうくらいスムーズに回って魅せるエンジンですが、赤信号などでのアイドリング時には、しっかりトコトコ感を出してくれるのも愛らしく感じます。最新の250ccバイクは本当にあなどれない、そして、このまま自宅に持って帰りたいと考えさせる1台です。

【了】

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Writer: 金子陽一

トップドライバーを目指し自動車レースに参戦。幾度かの資金難から挫折しかけたところをチューニングカー雑誌の編集部に拾われ、タイムアタック/レポートドライバーを担当。現在、それらの経験を活かし自動車ブランドが開催するドライビングレッスンのインストラクター、そして販売店スタッフ向けの研修トレーナーとしても活躍中。学生時代に乗っていたバイクからはしばらく離れていたが、近年、最新バイクの進化、またバイクを取り巻く最新アイテムの進化に感動しバイク熱が復活。大型自動二輪免許も取得。クルマで経験してきたセンサーを活かして「バイク」「ブランド」「アイテム」「こだわり」など、最新のバイク界をピュアな目線でレポートする。

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