カスタムバイクに不可欠なエキゾースト・カスタム 多種多様に広がる奥深き世界とは

官能的な排気音を吐き出す「エキゾースト」は、オートバイを楽しむ上でのひとつの重要 な要素に挙げられます。ここでは、主にハーレーのカスタムで用いられるエキゾースト・カスタムの一例を紹介していきます。

機能性を求めて生み出されたエキゾーストのカスタム

 空に向かってそびえるようなアップスゥイープマフラーやシンプルなドラッグパイプなど、ともすればスタイルや装飾性から作り上げられたイメージを持たれることが多いチョッパーのマフラーですが、じつのところそもそも機能的な部分を求め、生み出されたという歴史的な背景が存在します。

映画「イージーライダー」登場バイクに装着されたアップスゥイープ・マフラー

 たとえば映画「イージーライダー」に登場したピーター・フォンダが駆るパンヘッド・チョッパーに見られるようなアップスゥイープ・マフラーは、そもそも浅瀬の川などを走る際、水の侵入を防ぐ為に生み出されたものであり、四輪車で見られる“煙突”のようなエキゾーストと同じような狙いのものです。

 1940年代にアメリカで行われたTTレースではオフロードの荒れ地を走り、時には川を渡るという状況もあったとのことですが、じつはそんな背景から生み出されたといわれています。

 またドラッグパイプに関しても、もともとは予め長めのパイプをレーシングバイクに装着し、それを少しずつ切り詰め、最もエンジンのレスポンスが上がった部分を探るために作られたものであるとのことです。

多種多様に広がるエキゾースト・カスタムの世界

 こうしてレースの世界から機能を求めて生み出されたパーツたちが装飾的な要素を強め、様々なバリエーションへ広がっていったという過去が、チョッパーやハーレーのカスタムの世界にはあるのですが、一口にマフラーのカスタムと言っても多種多様なものが存在します。

 たとえば旧車のものを、あえて現行バイクに取り付けたり、純粋に性能を求めたりと乗り手やカスタムバイクの創り手によって、その狙いは千差万別です。また現在のカスタムシーンではワンオフ(一点物)のマフラーも多く存在し、簡単にカテゴライズ出来ないのですが、ここからはそんなマフラーたちの基本的かつ大まかなスタイルをそれぞれ解説していきたいと思います。

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●フラッシュゴードン・フィッシュテール
 1936年から1940年製ハーレーの「ナックルヘッド」や「サイドバルブ」のULに装着されていたマフラーです。旧車レプリカとして2in1のエキゾーストパイプに組み合わせたり、アップスウィープにセットしたりというバリエーションをチョッパーやカスタムの世界で見ることが出来ます。

フラッシュゴードン・フィッシュテール

●フィッシュテール(1941-1949タイプ)
 ハーレーの「ナックルヘッド」から「パンヘッド」にかけて純正採用されたタイプのマフラーです。デザインとサイズゆえか、あまりアップスゥイープなどのチョッパー的マフラーに使用されることはなく、2in1のエキゾーストなどに装着するパターンが基本です。

 また写真のように若干アップタイプ(正式にはこの手のスタイルもアップスゥイープと呼びます)になったエキゾーストパイプと組み合わせた“ボバー”的なマシンにも似合います。ちなみに、魚の尾に似た形状が名の由来です。

●シガーマフラー
 その形状が葉巻に似ていることから通称でCigar(シガー)と呼ばれるマフラーです。ハーレー純正では1950年から1966年までのFLやFLHに採用されました。このマフラーもサイズが大きいゆえ、チョッパー的なアップスゥイープに使われることは少なく、旧車的な2in1や左右出しのデュアルエキゾーストに組み合わせるのが基本でしょう。

●フィッシュテール
 1958年から1966年までハーレー純正で採用されていたマフラーです。チョッパーの世界ではフィッシュテールといえばアップスゥイープのエキゾーストパイプと組み合わせるのが基本ですが、こちらの純正タイプは、やはりサイズが大きいゆえ、デュアルや2in1のエキゾーストパイプに合わせる例が多く見られます。またエンド部の形状から“シャークフィン”と呼ばれることもあります。サイズ違いで似たデザインのものが1970年から1984年のFLHにも採用されました。

●ターンナウト(純正タイプ)
 1967年から1969年までハーレーのFLHに採用されていたタイプのマフラーで、ターンナウトの名のとおり排気口が外側を向いているのが特徴です。近年まで、カスタムの世界であまり目にしないパーツでしたが、その個性的なデザインが見直されてか最近では写真のようなものやリアアクスル付近を取り回すセンター出しのエキゾーストパイプ、エンド部をハネ上げた2in1などに組み合わせたものを見かけます。デザイン的に旧車的なカスタムにマッチするといえそうです。

●アトラスタイプ・デュアル
 1950年代に米国のATLAS CYCLE-ACCESSORIES(アトラス・サイクル・アクセサリーズ)社がリリースしたデュアルタイプのマフラーです。当時の広告に掲載された『DUAL AND SINGLE STAKS WITH REMOVABLE MUFFLER INSERTS』という商品名から察するに、マフラーのインナーサイレンサーが取り外し可能だったことが伺えます。またハーレー用の他、トライアンフやBSAなどの英車用も存在します。※写真は日本の新潟にあるジャックサンズによるレプリカです。

●ドラッグパイプ
 これ以上ない程、シンプルな形状ゆえ様々なスタイルに合わせやすいマフラーです。プロダクツ名のとおり、元々は1/4マイル=約400mを駆け抜けるレーシングバイク「ドラッグレーサー」に装着されていましたが、現在はチョッパーの世界でも定番となっています。ただインナーサイレンサーを使用しなければ直管となり、人様に迷惑をかける爆音になってしまうのは勿論、構造的にも排圧がかからないゆえ、トルク不足となり、むしろノーマルよりパフォーマンスダウンに繋がってしまうケースがあるので注意が必要です。

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