「バイク」といえば「自転車」? 自分の足で漕ぐ2輪車にもさまざまな種類があった

英会話で「Bike」といえば、主に「bicycle=自転車」のこと。日本における「バイク」は「Motorcycle」や「Motorbike」などと呼ばれていますが、どちらも同じ2輪車、バイクに違いないわけです。ここでは「バイク=自転車」の大まかな種類についてご紹介します。

バイクと同じように、自転車にもさまざまな種類がある

 バイク(モーターサイクル)が目的に応じて様々なカテゴリがあるように、自転車にも様々な種類があります。もっとも身近なものは「シティサイクル(いわゆるママチャリ)」と呼ばれる自転車ですが、ここでは趣味のための自転車、スポーツ用の自転車(以下スポーツサイクル)に絞ってご紹介します。

高性能な部品で構成される「スポーツサイクル」

「スポーツサイクル」のシティサイクルとの大きな違いは、車体が軽量で剛性が高い点です。スポーツサイクルにはフレームはもちろん、ホイール、タイヤ、変速機などのパーツもすべてシティサイクルとは規格が異なる高性能なものが使用されており、ペダルを漕いだときの反応性やハンドリングなどがとてもダイレクトでシャープです。

 まるで氷の上を滑っているかのように、惰性でグングン進むあの感覚はママチャリとは完全に別物。筆者はもともとバイク好きから自転車好きになった人間ですが、初めてスポーツサイクルで走ったあの感動はいまも忘れられません。スポーツサイクルはバイク乗り、とくにスポーツモデルに乗っている方と親和性の高い乗り物だと断言します。

奥深きスポーツサイクルの入口へようこそ!

 ここで紹介するのはスポーツサイクルの代表的なカテゴリーに過ぎません。スポーツサイクルの世界はさらに広く、深く、どこまでも続いているので、これを機にぜひご自身でも調べてみてください。

●ロードバイク

ロードバイク/スペシャライズド「S-WORKS TARMAC SL6 DISC RED ETAP」価格100万5000円(税抜き)

 もともとはロードレースを走るために作られた自転車ですが、道路がよく整備された日本では気軽に楽しめる自転車として広く普及します。

 自転車のロードレースというのは、だいたい150から200kmの長距離コースを走って順位を競いますが、その道中には平坦路もあれば高低差の大きな山道もあります。陸上競技で例えると、100m走ではなくマラソンに近いものです。

 ロードバイクは多様なシチュエーションをより速く走りきるために進化した自転車です。車体は超軽量かつ高剛性。上級モデルには無線式の変速機など、最先端のテクノロジーがふんだんに用いられ、フレームはF1のようなカーボンモノコック製です。車両重量は7kg以下と超軽量にできています。

 タイヤは脚力を最大限効率的に生かすため、転がり抵抗の低い細身の高圧タイヤを採用しており、内燃機エンジンの有り余るパワーを路面に伝えるため太いハイグリップタイヤを装着するバイクとは真逆です。

 握る場所によって姿勢を変えられる「ドロップハンドル」も必須の装備です。平坦地や下り坂ではハンドル下側を握って前傾姿勢を取ることで空気抵抗を減らし、登り坂ではハンドル上側を握ることで上体の起きたリラックスした姿勢をとることができます。

 また、あらゆる速度域でも適正なギアを選択できるよう20段や21段といった多段変速機も備えています。競輪用の自転車も同じに見えますが、あちらは変速機やブレーキがなく、専用競技場(トラック)でのスプリントレースに特化した設計となってます。

●MTB(マウンテンバイク)

マウンテンバイク/コナ「CINDER CONE」価格14万1000円(税抜き)

 未舗装路の山道を走るための自転車です。頑丈なフレームに太いブロックタイヤ、泥や水に強いディスクブレーキ、サスペンション、変速ギアなどを備えています。

 ただひと口にMTBといっても、急勾配をハイスピードで下ることに特化した「ダウンヒルバイク」と、軽量な車体で登りも下りもこなす「クロスカントリーバイク」とでは別のカテゴリといってもいいぐらい各部が違います。

 モトクロスやエンデューロ、トライアル、スクランブラーといった様々なオフロードバイクがあるように、MTBも様々なカテゴリに細分化しているのです。

 一般的にトラベル(ストローク)量の大きいサスペンションを装備すると、走破性やコントロール性がアップする一方で、車体の重量化を招き、強くペダルを漕ぐと沈んで脚力をロスしやすくなります。

 サスペンショントラベルの大きいMTBはダウンヒルが得意で、小さいMTBは登り坂にも対応できるMTBと覚えておきましょう(あくまでも目安ですが)。

 また、前後にサスペンション機構をもたないMTBは「リジッド(Rigid)」、フロントサスペンションのみのMTBは「ハードテイル」。前後にサスペンションを備えたMTBは「フルサス」などと呼ばれてます。

●クロスバイク

 本来はロードバイクとMTBの特性をクロスオーバーさせた自転車のことですが、こちらも用途に応じて様々な形態に派生していったため、最近は少々定義が分かりにくくなっています。いずれにしても用途的にはレースではなく、通勤などの日常使用から週末のフィットネス、ちょっとしたツーリングまでを想定した自転車です。

 コントロール性に優れたフラットハンドルバーを装備し、ロードバイクより太くてMTBより細いサイズのスリックタイヤ。低中速を重視したワイドレシオな設定のギアなどを採用するのが特徴です。

 よく似たものとして、ロードバイクのドロップハンドルをフラットバーハンドルに換装した自転車がありますが、こちらは「フラットバーロード」などと呼ばれてます。

●折りたたみ自転車(フォールディングバイク)

折りたたみ自転車/バーディ「BIRDY CLASSIC」価格14万5000円から(税抜き)

 スポーツサイクルにおける折りたたみ自転車とは、優れた走行性能と収納性を両立した自転車のことを指します。途中から折りたためるようフレームやフォークにヒンジ機構を設け、20インチなどの小さな車輪を採用するケースが多いです。

 小径タイヤは車輪の慣性が小さいため発進時のレスポンスは鋭いものの、巡行時に速度が落ちやすいのが弱点なので、ロードバイクやクロスバイクと比べると長距離走行は苦手です。ただし、最高速度はタイヤ径ではなくギア比によって決まるので、車輪の大きさはあまり関係ありません。

「輪行袋」と呼ばれる専用の収納袋に入れれば、鉄道を利用することもできるため、旅のツールとしても人気のカテゴリーです。

●e-BIKE(イー・バイク)

e-BIKE/ヤマハ「YPJ-XC」価格35万円(税抜き)

 スポーツタイプの電動アシスト自転車です。シティサイクルタイプの電動アシスト自転車との決定的な違いは、「シマノ」や「ボッシュ」、「ヤマハ」といったメーカーが製造しているe-BIKE専用のドライブユニット&バッテリーを搭載していることです。

 この専用ドライブユニットは軽量かつコンパクトであることに加え、モーターによるアシストのレスポンスが素早いところが強み。また、バッテリーはフレーム内蔵式で容量が大きく、1充電で100kmを超える走行が可能なモデルも少なくありません。

 ただし、モーターによるアシストのパワーは道交法で定められているため、数値上はシティサイクルタイプの電動アシスト自転車とあまり変わりません。すなわち時速10kmまでは人の力「1」に対して最大「2」までのアシストが可能で、速度が上昇するとともにアシスト力が減少、時速24kmでアシスト力は完全にゼロになります。

 もちろんモーターの力だけで自走することもありません。それでもドライブユニットが高効率であることや、自転車そのものの基本性能が高いこともあって、加速感は圧倒的に優れます。

 e-BIKEはあくまでスポーツタイプの電動アシスト自転車の総称なので、ロードバイクやMTB、クロスバイクなど様々なタイプが販売されています。

※ ※ ※

「バイク」を「自転車」として見ると、エンジンを搭載するバイクと同じようにさまざまな種類があります。また、電動アシスト自転車は「電チャリ」などと呼ばれ、小さな子どもを乗せた母親や配達などの業務用として、生活に根差した存在となっています。

 趣味としても生活の道具としても、2輪車の世界は広く、奥が深いものですね。

【了】

いろいろな種類のスポーツサイクルを見る

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Writer: 佐藤旅宇(ライター)

オートバイ専門誌『MOTONAVI』、自転車専門誌『BICYCLE NAVI』の編集記者を経てフリーライターに。クルマ、バイク、自転車、アウトドアのメディアを中心に活動中。バイクは16歳のときに購入したヤマハRZ50(1HK)を皮切りに現在まで20台以上乗り継ぐ。自身のサイト『GoGo-GaGa!』も運営する1978年生まれ。

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