1970年代アメリカのレースを席巻!! 画期的排気システムを搭載した「ヨシムラ / クラウスホンダCB750レーサー」
四輪車の開発も行なっていたヨシムラは、二輪車では世界初採用となる集合管をCB750Fourに取り付けレースに参戦します。1970年のデイトナ200マイルに参戦した「ヨシムラ/クラウスホンダCB750レーサー」をご紹介します。
集合管搭載で大幅に出力アップしたCB750Four
ヨシムラ/クラウスホンダCB750レーサーは、1972年アメリカンホンダのディーラー、ロニー・クラウスの依頼で、RSCのパーツ供給担当のヨシムラ・レーシングが製作したマシンです。

ヨシムラは、1960年代ホンダの四輪車の開発も行なっていました。ホンダの四輪市販スポーツカーS800開発時に軽量化や効率を吉村秀雄(POPヨシムラ)は考え集合技術を発案、エキパイをまとめる事でパワーアップやトルクの谷間が解消されることを確認し、ヨシムラは集合管の開発をさらに進めて行きます。
そして、1970年ホンダ「ドリームCB750 Four」に二輪車では世界初採用となった集合管が取り付けられアメリカのレースに参戦します。
ヨシムラ/クラウスホンダCB750レーサーで参戦した1972年のデイトナ200マイルレースは、ゲイリー・フィッシャのライディングで、マイク・ヘルウッドなど有力ライダーの前をレース序盤は走行しましたが、エンジントラブルにより残念ながらリタイヤに終りました。優勝を逃したヨシムラですが、代わりに知名度が上がり引き続きアメリカのレースへ参戦します。

ヨシムラ/クラウスホンダCB750レーサーは、排気量749cc空冷4ストローク4気筒OHCエンジンを搭載、ドリーム CB750 Fourの67PSに対し最高出力96PS/9500rpm以上を発揮していました。
その後ヨシムラの噂は、世界を駆け抜け吉村秀雄の技術や情熱は現在のヨシムラに脈々と継承されています。
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