凄まじい加速でVツインでなくとも満足! 電動ハーレー「LiveWire(ライブワイヤー)」海外試乗記を最速でお届け!
アメリカ・オレゴン州ポートランドにて、ハーレーダビッドソンは2019年8月より全米発売する電動モーターサイクル「LiveWire(ライブワイヤー)」のメディア向け試乗会を開催しました。そのライドフィールは独特としか言いようがありません。
ゼロから100km/hまで、わずか3秒というダッシュ力
まず、なんといっても凄まじいまでの加速力に驚きます。アクセルグリップをワイドオープンすると、リアタイヤはその場で荒々しくホイールスピンし、いかに駆動力が大きいかがわかります。グリップは瞬時に回復し、車体が軽々とダッシュしていくのです。

許可を得たコースで試しましたが、発進すると4.3インチのTFTカラースクリーンに表示される速度は、わずか3秒ほどで60マイル(およそ100km/h)に達し、さらに2秒もすれば80マイル(約130km/h)を軽く超え、そのままフラットにパワーが伸び上がり、最大速度の110マイル(約177km/h)に至ります。
最高速こそ及びませんが、ダッシュの鋭さは1000ccスーパースポーツに匹敵するもので、その痛烈とも言える速度の伸び上がりを、ライダーは風を切る音や「キーン」という胸高鳴るモーター音とともに味わうことができるのです。
航続可能距離は最大235km
じつは筆者。2015年2月にライブワイヤーのプロトタイプをマレーシア・セパンサーキットの敷地内にて試乗しているのですが、4年前の時点でその力強い加速力に舌を巻いたものでした。

試作車の段階で最高出力74PS、最大トルク51Nmを発揮し、トップスピードは92mph(約148km/h)と充分で、ゼロから100km/hも4秒以下という動力性能を持ち、駆動力に関してはすぐに発売しても申し分ないレベルにあると感じたのを覚えています。
ただし、そのとき発表された航続可能距離は100km以上とされ、実用レベルにはないというのが率直な印象。バッテリーへの充電も家庭用電源からの「レベル1」のみで、急速充電「レベル3」には未対応。出先でのバッテリー切れを不安視したのでした。
4年を経て改良された市販版は最高出力105PS、最大トルク116.6Nmを発揮し、航続距離も最大235kmと飛躍的に向上。回生ブレーキによるチャージがあるため、ストップ&ゴーを繰り返す市街地走行の方がより走行可能距離は伸び、電力を消費する一方の高速巡航も組み合わせたワールドモーターサイクルテストサイクル(WMTC)では158kmという結果が出ています。

また「レベル1」(普通充電=家庭用電源)だけでなく「レベル2」(普通充電=コネクタが施設に備え付け)そして「レベル3」(急速充電)にも「CCSコンボ」で対応し、すでに全米650カ所あるディーラーのうち150カ所に充電施設を整備済み。欧州でも100カ所に設けられ、今後さらに増えていく予定です。
充電に費やす時間は0%から80%まででわずか40分、0%から100%まででも60分とスピーディ。充電代は300円程度(アメリカの場合)となっています。