ツーリング途中に熱中症の症状が出てしまったら!? ~ツーリング時の熱中症対策Vol.2~

炎天下のツーリングなどで熱中症になってしまった時の対策方法を重篤度によって分かりやすく解説します。気温が高い状態での走行時間は、1時間程度に抑えこまめに水分補給、休憩をとりましょう。

『熱中症の症状と対処法』

 前回は「熱中症とはどんなものか」、そして「どんなことで引き起こされるのか」を解説しました。今回は、もし、熱中症になってしまったら、どのように対処するかを解説していきます。

 実は、筆者は以前にアメリカ沿岸警備隊やカナダのロイヤル・ライフセービング協会にも採用されている、一般市民レベルの応急救護法のインストラクター資格も持っていました。その際、特に熱中症については少年スポーツの指導者の方々や高齢者のお世話をする仕事の人などに、講習していた内容をもとに解説していきたいと思います。

夏のツーリングは暑さ対策が大切です

 熱中症は、同じ気温で同じ行動をしていても、発症するかしないかは個人差が大きいものです。また、以前は同じ条件でならなかったのに、今日は熱中症になってしまってということも起こります。前回解説したように、体力や体調の具合、二日酔いや寝不足といった要因でも大きく変わってきます。バイクの運転には体力が必要です。夏の暑い時期にツーリングに行く際には、数日前から十分に体調を整えるようにしてください。

 それでもあなたやツーリング仲間に熱中症の症状が出てしまったら…。対応は、重篤度によっても変わってきます。前回の『熱中症の症状』に対応方法を当てはめてみましたので参考にしてください。

熱中症の対処法

【軽度】
 めまい 立ちくらみ 筋肉痛 汗が止まらない

【対処法】
 応急処置で対応できる範囲です。
 ・直射日光の当たらない、風通しの良い場所で休む
 ・衣服を緩めて体を冷やす
 ・水分と塩分を補給する

 可能であれば、エアコンが効いている室内で休むことが最善です。ライディングジャケットはやブーツは脱いで(脱がし)、体を締め付けているものを緩めて、風通しよくします。そのうえで、うちわや扇風機などで風を当てることで、体を冷やします。タオルやハンカチを濡らして、皮膚に当てることで放熱を促しましょう。

 そして水分を補給してください。その際は、ジュースや炭酸飲料ではなく、冷えたミネラルウォーター飲み、体の内部からも冷やすようにします。大量に汗をかいているようであれば、塩分の補給も必要です。水1リットルに対して、1~2グラムの塩を混ぜて飲むのが有効です。

【中度】
 頭痛 吐き気 倦怠感 虚脱感 嘔吐 集中力、判断力低下

【対処法】
 上記の症状が出ていたら病院搬送も考えなければいけません。
 ・最初に「軽度」と同じ対応
 ・足を高くして横になる
 ・「経口補水液」を飲む
 ・口からの水分補給ができなければ病院へ搬送

 呼びかけに反応ができて、自分の手でペットボトルなどを持って水分が取れるようであれば、どんどん飲む(飲ませる)ようにしてください。スポーツドリンクや経口補水液などが有効です。吐き気があったり、すでに嘔吐したりしている状態だと、暑熱障害によって胃腸の働きが弱っていることが考えられます。また、意識が朦朧としているようであれば、水分が肺に入ってしまう可能性があります。病院で生理食塩水などの点滴が必要になるので、救急搬送の手配をしてください。この時点で、次の「重度」にある、首や脇、鼠蹊部を冷やすと行った対処をしたほうがいいでしょう。

対象方法は、水や氷で体を冷やすことが重要

【重度】
 意識喪失 痙攣 高体温 歩行困難 言動不明 など

【対処法】
 入院や集中理療を必要とするものです。
 ・「軽度」と「中度」と同じ対応
 ・動脈が通っている首や脇の下、太ももの付け根の内側(鼠径部)を水や氷で冷やす
 ・以上の対処をしたうえで、救急車を呼ぶ

 動脈が通っている部分を冷やすのには、保冷剤では力不足です。コンビニや自動販売機で袋入りの氷や氷のうを手に入れて、頸動脈と腋下、鼠蹊部に当てて冷やすようにします。それが手に入らない場合には、冷えた水のペットボトルや保冷剤で代用します。

 救急車で医療機関に搬送する場合は、熱中症が疑われる患者さんが、どんな環境で、どんなことをしていたかをはっきりと伝えてください。特に元気だった人が、暑い環境の中で突然倒れた場合は、医療機関が迅速に熱中症の対応するために情報が必要です。できれば付き添ってください。

安全を確保するためツーリング時は重装備に!

 ツーリングのときは安全を確保するために、ジャケットやプロテクターなどを身に付けた重装備になります。それだけで体から熱が逃げにくくなります。さらに直射日光やエンジンからの熱、ほかのクルマの排熱、そしてバイクコントロールのための動きと、熱中症になりやすい条件が揃います。炎天下での1回の走行は、長く走っても1時間半程度、できれば1時間程度に留めたほうがいいでしょう。小まめに休息を入れて、体の冷却と水分補給を心がけてください。

 次回は、熱中症にならないための方法を説明していきたいと思います。

【了】

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