the「トンネル」地下通路の魅惑!? 鈴鹿サーキットに存在するいくつかのトンネルが気になる

夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」が行なわれた鈴鹿サーキット(三重県)では、観客が広大な敷地を移動するため、いくつかのショートカット地下通路があります。

これもひとつのエンタメ、暑さをやわらげる効果アリ

 サーキット場は広大です。鈴鹿8耐が行なわれた全長5.821kmの国際レーシングコースでお気に入りの観戦エリアに移動しようと思ったら、気温30度を超えるなか最低でも30分くらいは歩くことになります。

鈴鹿サーキットに存在する趣のある地下通路

 たとえば正面(南ゲート、GPスクエア)からコースをはさんで反対側の「S字コーナー」や「逆バンク」を観戦しようと思ったら、1コーナーに沿って時計回りに歩きます。

 歩くのが速いほうの記者でも、最初の観戦席(B2席)まで15分以上かかりました。手元の赤外線温度計で路面温度を計ると50度超、灼熱地獄行脚のはじまりです。

1コーナーから2コーナーを見渡す「B1席」「B2席」の表面温度は52度

 しかしサーキット各所に存在する「地下通路(トンネル)」を活用することで、この地獄のような環境下でも行動範囲を広げることができるようになっています。

 まずは正面から「パドックトンネル」を使ってみましょう(パドックパスが必要)。エスカレーターで地下へもぐると、サーキットコースのメインストレートの下を通ってパドック側へ抜けることができます。

 また、その先にある「S字トンネル」を使うと、その名の示す通り「S字コーナー」の下を通って「2コーナー」から「S字コーナー」、「逆バンク」へと駆け抜けるマシンを見渡す自由席にたどり着きます。

2019年7月28日(日)「鈴鹿8時間耐久ロードレース」決勝戦が行なわれた鈴鹿サーキット

 ちなみに「S字トンネル」は、もともとカメラマンなどの“メディア専用”通路を2017年に一般開放したものです。したがって観客をお迎えするようなつくりにはなっておらず(現在は改修されていますが)、中は昼でも暗く、地面は流れ込んだ泥水でコンクリートの上にぬたぬたの土が残り、サンダルではまともに歩けない状況でした。

 壁には枯れた蔦やクモの巣が垂れ下がり、怪しい水たまりには「ナニか」がいそうで迷わず避け、小さな飛翔体が現れては消え、通路の隅の暗闇には「ナニか」が見えそうなので見ないようにする……立ち入ることを一瞬ためらう、まるでホラー映画のセットでした。

そこへ至るまでが大変!? 趣のある地下通路も

 GPスクエアに向かって今度は右へ、コースに沿って歩くと「最終コーナー」や「シケイン」、「130R」や「120R」などを望める観戦エリアがあります。

「最終コーナー」手前の「シケイン」を見渡す観戦席(Q2席)の表面温度は53度

 スタート地点からもっとも遠い「スプーンカーブ」へ至る道中にも、ショートカットできる地下通路があります。

 パドックから遠いエリアだけあって環境整備は“最低限”といったところですが、前述の「S字トンネル」のように“趣”があります。

 まずエスカレーターは無く、なかなかの長く斜度のついた階段を通ります。入口手前で出口どころかその先が見えない暗い穴を前におそるおそる進入すると、人感センサーが作動してトンネル内の照明が点灯します。

 道幅は2mもありませんが壁と天井が白くペイントされ圧迫感はありません。一緒に通るなんらかの年季が入った配管は日本アニメ「AKIRA」の世界を思わせ、空気はヒンヤリとしてここまで歩いてきた疲労感を少し和らげてくれます。

「110R」の下くぐるトンネルに至るまでは長い階段を通る

 ここのトンネルは「110R」と「MuSASHIシケイン」の下をくぐる地下通路になっており、トンネルをひとつ抜けると砂利道が続き、また次のトンネルに進入するという、一度で二度おいしい(?)ショートカットルートなのです。

※ ※ ※

 鈴鹿8耐がFIM世界耐久選手権の最終戦にもなり、今後は海外からより注目を集めるレースイベントに発展するでしょう。

 2019年の鈴鹿8耐では来場者数が10万人を超え、サーキット運営側はさらに観客動員数を伸ばすため環境整備に力を入れなければなりません。そうすると“趣のある地下通路”を楽しめるのは、もしかしたら今年か来年が最後になるのかもしれませんね。

【了】

鈴鹿サーキットに存在する地下通路の魅惑とは?

画像ギャラリー

最新記事