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カワサキ「W800 STREET」から見たフォルクスワーゲン「The Beetle」 歴史を受け継いだ2台は、時間の経過をゆっくりと楽しめる名車!

長きに渡り歴史を築き上げてきたW(ダブル)とビートル。ネオレトロマシンとして、人気の高い2台ですが、ビートルは今年いっぱいでその歴史に終止符が打たれます。一方Wは、新たな意匠を纏い再び復活しました。

半世紀以上の長きに渡り歴史を刻む2台の名車とは?

 1945年から生産が開始された初代ビートル・タイプⅠは「ピープルズカー」の先駆者としてフォルクスワーゲンの名を世界に広める大切なモデルとなりました。その後ピープルズカーとしての主役の座はゴルフに譲るものの、シリーズ2代目のニュービートル、そしてシリーズ3代目となるザ・ビートルと、フォルクスワーゲンを代表するアイコン的存在になっています。

フォルクスワーゲン「The ビートル」とカワサキ「W800 STREET」

 一方、カワサキWは、1966年に登場したW1の誕生から歴史がスタートし、空冷OHV直列バーチカルツインエンジンを搭載、その堂々とした風格から日本のビッグバイクの先駆者、そして大型バイクのカワサキとして地位を確立したモデルです。

 以降W3、W650、W800と進化を遂げ、デビュー当時のスポーツバイクとしてのポジションから、現在では伝統を香らせるスポーツ・ネオクラシックバイクとして、独自の世界観を築き続けています。今回は、そんな先駆者として歴史を刻み進化してきた両モデルを重ねつつ、最新のWをチェックしてみたいと思います。

 実際に目の前にするW800 STREETは、独特な雰囲気が漂っていてとにかくクールです。チェックを始めると、色のツヤなし、ツヤあり、半ツヤ、そしてメッキパーツがバランス良く使われているのに気がつきます。

W800 STREETの意匠は、クールな存在感がセンスの良さを感じる

 さらに細かいところをチェックすると、サイドカバーはあえて色を変更し、シート横のシボ加工なども、うるさく感じさせないデザインに仕立てられています。エンジンとフレームは、ブラックアウトされ、使われるボルトはシルバーとブラックが場所によって分けられるなど、あらゆる部分に絶妙なコーディネイトがされているのを確認できます。

 そして、その中心にある空冷ならではのフィンは、しっかりと水平基調とされ、自然に目線が誘導されるかのようになっており、美しい造形に心奪われます。思わず「メーカーはこの雰囲気の作り方を良く知っているのだろうな」と感じてしまいます。決してスペックやサイズ、大きさだけでは醸し出すことのできない、クールな存在感。まさに作り手のセンスの良さだと言えるでしょう。

 さらに、タンクやサイドカバー、シートなどは、全体的に丸みを帯びたデザインとされています。ザ・ビートルは、ニュービートルに対して、丸みを持たせながらもクールさを狙って進化させたデザインが採用されています。丸みを帯びたデザインであっても使い方や配色の仕方によっては、クールさを表現できる良い例なるのが、この2台だと感じます。

W800のガッチリとした剛性は、ドイツの車作りにも通ずる

 Wに跨るとそのポジションは堂々たるモノ。アップ目に設定されたハンドルからだけでなく、ラバーが付けられたステップのサイズやリアブレーキペダル面も大きく余裕があり、そしてペダル操作自体にガッチリとした剛性を持たせることで、安心感まで伝わります。このガッチリとした剛性は、軟弱な操作感にはしないザ・ビートルの生まれ故郷であるドイツのクルマ造り的にも通ずる部分です。

 エンジンをスタートさせると、ビートの効いた排気サウンドがよりクールでワイルドな演出をプラスさせ、走り出せばその効果がドンドン倍増していきます。それは「自分で奏でる排気サウンドに酔ってしまう」という言葉がピッタリとハマり、また排気サウンドと前に押し出すエンジンの太いトルク感も、絶妙にリンクしています。その感覚は街中を普通に走っているだけで気持ち良く、やみくもにスピードを出すのではなく、「ゆとり」が抜群に気持ちいいのです。「これがWの世界観です」とバイクから言われているように感じます。

カワサキ「W800 STREET」に試乗し、バイクの世界観を確かめる

 Wという歴史に名が残る名車は、時代に対応したアップデートを施しながらも、モデルが存在する意味やビジョンがぶれず明確になっており、作り方をしっかり理解し実現しています。ユーザーはそれを確かめながら、世界観を最高な時間として楽しむことができる。それがスポーツ・ネオクラシックモデル「W」なのだと感じました。

【了】

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Writer: 金子陽一

トップドライバーを目指し自動車レースに参戦。幾度かの資金難から挫折しかけたところをチューニングカー雑誌の編集部に拾われ、タイムアタック/レポートドライバーを担当。現在、それらの経験を活かし自動車ブランドが開催するドライビングレッスンのインストラクター、そして販売店スタッフ向けの研修トレーナーとしても活躍中。学生時代に乗っていたバイクからはしばらく離れていたが、近年、最新バイクの進化、またバイクを取り巻く最新アイテムの進化に感動しバイク熱が復活。大型自動二輪免許も取得。クルマで経験してきたセンサーを活かして「バイク」「ブランド」「アイテム」「こだわり」など、最新のバイク界をピュアな目線でレポートする。

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