the「トンネル」密かに掘り進むシールドマシンの実力!! 東名・第三京浜・首都高湾岸線をつなぐ1本の道

オリンピック開催の年、2020年3月に開通される首都高の新線「K7 横浜北西線(よこはまほくせいせん)」工事では、シールドマシンが活躍しています。

ルート選びの自由度広がる自動車専用道路

 首都高の新線「K7 横浜北西線(よこはまほくせいせん)」がオリンピック開催の年、2020年3月に開通され、東名高速、第三京浜、首都高速横羽線、そして首都高速湾岸線までが1本の道でつながります。

横浜北西線のシールドトンネル建設現場(2019年10月)

 横浜北西線は東名高速「横浜青葉JCT」と、第三京浜道路および首都高「K7 横浜北線(よこはまきたせん)」に接続する「横浜港北JCT」とつながる、約7.1kmの路線です。そのうち4.1kmがトンネルとなっています。

 開通後は横浜北線と一本化され「高速神奈川7号横浜北西線」と改名されます。

 横浜北線(2017年3月開通)は首都高速横羽線「生麦JCT」と連結しており、さらに「K5 大黒線」直結で横浜ベイブリッジ、鶴見つばさ橋など湾岸線とのスムーズな流れが構築されています。

 延長約8.2kmの横浜北線は工事の際、家屋の移転を少なく、周辺環境保全のため全体の約7割(5.9km)を地下のトンネル構造とし、開通後の新たな横浜北西線は、トンネルの占める割合が多くなります。

シールド工法で切り拓かれた世界

 延長約13.5kmとなる新たな横浜北西線の半分以上を占めるトンネルは、シールド工法によって掘り進められました。

シールドマシンの模型

 シールド工法の歴史は古く、技術の進歩によって近年はトンネル工事の一般的な工法となっています。

 シールドと呼ばれる巨大な茶筒のような鋼鉄製の外筒(シールドマシン)が、土砂の崩壊を押さえながら筒の中でカッターがゆっくり回転して土を削り、マシンの中でリング状に外壁を組みながら掘り進めます。

 地上が開発されている都市部や、河川や海底の地下でも効率的にトンネルをつくることが可能で、東京湾アクアラインの大断面トンネル工事でも採用されました。

シールドトンネルの仕上がりが気になる!

 開通前の横浜北西線の建設現場、シールドトンネルに足を踏み入れると、じつにさっぱりした、シンプル、合理的な印象を受けます。

トンネル空間はセグメント(覆工材)で保持されている

 円筒状に掘り進められた地下道路は、平らな地面(床版:車道部)に滑らかな壁面、あみだくじのような巨大なブロック(セグメント)のつなぎ目など、薄暗い空間に少しずつ細部が見えてきます。

 このトンネルは内径11.5メートル、内部は床版によって上部の「道路空間」と下部の「道路下安全空間(避難通路・施設)」に分かれています。現場でスタッフの方に話を伺ってみました。

───壁面はこれから塗装などの仕上げは施すのでしょうか?

 いえ、このままです。工場で作られたセグメントがそのまま壁面として使われますし、そのように作られています。セグメントはトンネル空間を保持する覆工材で、継手を用いてリング状に連結しています。

セグメントの搬入(提供:横浜市、2018年6月撮影)

───セグメントのつなぎ目が、タテの線に対してヨコの線が水平だったり斜めだったり不揃いのようですが、規則性はとくに無いのでしょうか?

 厚さ45cmのセグメントは、組み立てて1つの輪を形成するのに9枚使われています。配置する場所によって形状が異なり、つなぎ目が斜めになっているのはそのためです。隣のリングのセグメントとのつなぎ目は、強度のためずらして設置しています。

───1日で最大どれくらい掘り進むのでしょうか?

 もちろん地質にもよりますが、実績として、1日に最大24m進みました。セグメント1枚の幅が2mなので、それが12枚分になります。

※ ※ ※

 バイクで走り抜けるときは気づくこともなかったトンネルの細部には、さまざまな防災設備も見ることができます。最悪と言えるのがトンネル火災ではないでしょうか。

道路下には避難通路・施設が広がっている

 もしもの際は、映画「シン・ゴジラ」にも登場した、すべり台式の非常口から道路下安全空間(避難通路・施設)へ避難します。非常口は50mから250m間隔で設置されており、緑色のボタンを押して跳ね上げ式のカバーを開き、するりと避難通路へ移動できます。道路下空間は車道部から煙や炎が入って来ないよう気圧調整がされています。

すべり台式非常口(カバーを開いた状態)

トウメイ、サンケー、ワンガン……

 新しい道路整備には、「国際競争力の向上」「アクセス性の向上・物流効率化」「災害時等の道路ネットワークの信頼性向上」「保土ヶ谷バイパス等の交通渋滞および沿線地域の生活環境改善」など、さまざまな効果が期待されています。

 シールドマシンで掘削された横浜北西線によって、東名、第三京浜、大黒線、湾岸線などが1本の道路でつながり、物理的な移動がスムーズになることは想像できます。

東名高速道路「横浜青葉JCT」の工事現場(2019年10月)

 一方で、その間の地下空間や地上高くに作られた高架道路など、まるで空想科学小説を思わせる構造物の連続もまた、道路利用者を楽しませてくれるものになるかもしれません。

【了】

シールドトンネルの建設現場を見る

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