ヤマハ「マジェスティS」 ビグスクブーム火付け役の子孫は都市圏の移動に最適!?

ヤマハ「マジェスティ」と言えば、ビッグスクーターブームの火付け役として人気を博しました。現行では「マジェスティS」があり、排気量は250ccではなく155cc……「なんだその中途半端なクラスは!?」と、思うかもしれませんが、これが便利なクラスなのです。

意外と大きい高速も乗れるというアドバンテージ

“ビグスク”ブームだった頃のように略して言うと「マジェエス」は、125ccスクーターのようなコンパクトさで、エンジンにプラス30cc分のパワフルさがあり高速道路にも乗れる。「なんだ、たったそれだけ?」と思うなかれ、これが都市圏に住むライダーにはかなり使える足となるのです。

ヤマハ「マジェスティS」に試乗する筆者(青木タカオ)

 原2スクーターの便利さはいろいろなところで説明されているので割愛しますが、今どきの125ccスクーターはかなり速く、実際に所有している人は急いでいるときなどに感じることがあるはずです。「コンパクトなボディでスイスイ行けるし、渋滞やノロノロ運転の首都高や阪神高速のような都市高速なら動力性能も充分。高速道路も走れたら最高に便利なのに……走ってしまいたい!」と。

 それを叶えてしまったのが、排気量150ccや155ccのスクーターなのです。「えっ、他にもあるの?」と驚いた人もいるでしょう。「これがけっこう売れる!」となり、ヤマハには「NMAX155」「トリシティ155」があり、ホンダも「PCX150」をリリースしています。

ライバルより僅かに大きい、それが持ち味に

 マジェスティSは眼光鋭いフロントマスクで精悍な表情。ヘッドライトを含む灯火器類はLED式で、前後13インチの足まわりを持つ車体は専用設計と、手の込んだ仕上がりを感じます。

ヤマハ「マジェスティS」(シルキーホワイト)

 比較したいのは「NMAX155」あるいは「PCX150」となりますが、車体は大きい順にマジェスティS、NMAX155、PCX150となり、これは他の2車が兄弟車として125モデルがあるのに対し、マジェスティSは155のみということを考えれば納得です。

 つまり若干大柄な分、ドッシリとして落ち着きのある乗り味となり、ライバルらが原2の延長線上にあるのに対し、マジェスティSは200クラスあたりからスケールダウンしてきたという印象があります。それはマジェスティS=145kg、NMAX155=128kg、PCX150=135kgという車両重量を見ても明らかでしょう。

 ちなみにシート高は、マジェスティS=795mm、NMAX155=765mm、PCX150=764mmとなっており、身長175cmの筆者の場合、マジェスティSは地面に両足をおろすとカカトが浮きます。

 また、フットボードがフラットなのがマジェスティSの大きな特徴です。乗り降りがしやすく、フロアトンネルを跨いで乗るのが好きではないという人には見逃せないポイントとなるでしょう。

 シート下のトランクも広く、約32リットルの容量を確保し、ヘルメットを入れてもまだ余裕があります。NMAX155は約24リットル、PCX150は約28リットルと差をつけました。

欧州で鍛えられた前後サスペンションは硬め

 SOHC4バルブエンジンは、スペック表を見る限りではNMAX155とボア・ストローク(58.0mm×58.7mm)が一緒で共通のパワーユニットのように思えますが、燃費に優れるBLUE CORE(ブルーコア)エンジンではなく、可変バルブVVCも採用されていません。

排気量155ccの水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載

 ただし乗って不満などはなく、充分すぎるほどに加速は力強いし、スムーズに高回転まで回ります。車体の重さを感じることなく、走りは俊敏です。

 そして、欧州で鍛えられているからでしょう、前後サスペンションは硬めの味付けで、カッチリとした剛性を持たないアンダーボーンフレームは柔らかくしなり、衝撃を受けたときはシャシー全体で包み込んで対応します。

 アイドルストップなど特筆すべき機能はないものの、マジェスティの血統受け継ぐだけに走りや利便性は申し分なく、選んで間違いはないでしょう。まだまだマジェ派はたくさんいるはずですから、これからも孤軍奮闘を期待せずにはいられません。

 ヤマハ「マジェスティS」の価格(消費税10%込み)は37万9500円です。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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