進む原付バイクの電動化 かつての2ストから4ストへの移行と共通点があった?

バイクも電動化の動きが活発です。とくに原付など小型バイクに目立った動きがあり、その流れはかつて2ストから4ストへと移行した経緯に共通点が見られます。

かつて小型バイクは2ストから4ストに移行した

 原付クラスに電動バイクが増えています。欧州の環境規制である「EURO5(ユーロ・ファイブ)」と同等の環境基準(排出ガス規制)が国内で適用されることもあり、各メーカーはその対策を行なっています。

ホンダが法人向けの販売を発表したビジネス用電動バイク「BENLY e: I(ベンリィ・イー・ワン)」

 かつて、小型バイクは2ストロークエンジン(以下、2スト)が主流でした。4ストロークエンジン(以下、4スト)に比べ、同じ排気量でも大きな出力が得られ、部品点数が少なく生産コストも抑えられます。

 ホンダ「NSR50」、ヤマハ「JOG」、スズキ「アドレスV50」、カワサキ「AR50」などの原付スポーツバイクやスクーターだけでなく、ビジネスバイクでも2ストが存在していました。とくにビジネスバイクは、重い荷物を運ぶ用途もあり2ストが支持されていました。

ホンダの2スト原付スポーツバイク「NSR50」(1987年)

 しかし、1998年に施行された「平成10年規制」と呼ばれる排ガス規制とともに2ストバイクは徐々に姿を消し、4ストへと移行していきました。そして今回もまた、排ガス規制の影響でバイクのパワーユニットが変わろうという動きがあります。

4ストでも規制対応が難しい? 進む電動化

 4ストエンジンが主流になったあとも、2006年施行の「平成18年規制」で排ガス内の成分上限値が、一酸化炭素(CO)が20.0g/kmから2.7g/kmと87%の削減、窒素酸化物(NOx)も0.51g/kmから0.2g/kmと61%となり、急激に厳しくなります。

平成18年国内排出ガス規制に対応したスズキ「アドレスV50」(2008年)はフューエルインジェクションシステムを採用した4ストエンジンを搭載

「平成28年規制」ではより厳しくなる排出ガス規制に適応するため、継続販売される車種では燃料制御や触媒による排出ガス浄化性能の向上など大幅な見直し、再設計が必要となり、多額のコストを要したことでしょう。

 そしてエンジン自体の再設計が必要になる車種はさらにコスト負担が大きくなるため、やむなく生産を中止し、姿を消していった車種もあります。

 2020年以降適用される排出ガス規制(原付の継続車種は2025年11月)、それと同等とされるEURO5では、一酸化炭素(CO)が1g/km、窒素酸化物(NOx)が0.06g/kmとなっています。

 またそれだけでなく、クルマでも搭載される「OBD2(車載式故障診断装置)」も必要とされ、開発費用が増えて販売価格の上昇は避けられません(原付1種は適用を猶予)。

ヤマハの電動バイク「E-Vino(イー・ビーノ)」(原付1種登録)

 そこで、次世代の原動機としてかつて4ストが2ストの代替の原動機となっていったように、バイクの電動化が進むと考えられます。

 4ストのままでも環境規制に適合させることはできるかもしれませんが、小型バイクの世界で高コスト、高価格となっては存在意義が失われかねません。電気であれば走行時の排出ガスはゼロなので、排出ガス規制にも影響されません。

パワーユニットの転換期到来か?

 電動化の動きは、国内メーカーも着脱式バッテリーの共通化など普及に向けた取り組みをはじめていることや、ヤマハと提携する「glafit(グラフィット)」や、ボッシュやパナソニックの部品を採用する「XEAM(ジーム)」といった、新規参入企業があることからも活発と言えます。

電動バイクブランド「XEAM(ジーム)」が取り扱う「niu U(ニウ・ユー)」は原付1種登録の電動バイク(写真:東京モーターショー2019)

 歴史は繰り返すと言われますが、4ストのバイクが電動バイクに置き換わる、今まさにその時に向けて動き出しているのではないでしょうか。

【了】

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