強烈ダッシュとシームレスな加速が痛快! “バイク界のテスラ”ゼロモーターサイクルズの最高峰「SR/F」サーキット試乗!!

“バイク界のテスラ”ともいえるアメリカの新興メーカー「Zero MotorCycles(ゼロモーターサイクルズ)」。その最新モデル『SR/F(エスアールエフ)』に、袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県袖ケ浦市)で試乗することができました。

最高速は190km/h超え! ダッシュが強力!!

 右手のアクセル操作にリニアに反応し、そのままシフトチェンジなしにシームレスな加速が味わえます。ぐんぐんスピードが伸び、最高速は190km/hを超えていくから驚きを隠せません。

ゼロモーターサイクルズ「SR/F」に乗る筆者(青木タカオ)

 20分ほどの試乗で、じっくり比較検討することはできませんが、ゼロのSR/Fは、筆者(青木タカオ)がアメリカ・カリフォルニアの様々な状況下で乗ったハーレーダビッドソンの最新EVスポーツ『LIVEWIRE(ライブワイヤー)』にも匹敵する動力性能を持っているのではないでしょうか。

 スペックを見ると最高出力82kW(110PS)/5000rpm、最大トルク190Nm(19.37kg-m)とあり、78kW(105PS)、116Nm(11.83kg-m)のライブワイヤーを上回り、最大航続距離においても259kmとシティモード=235kmとするハーレーを凌ぎます。

 航続距離は参考値で、実際には150~200km程度となるのもライブワイヤーと変わりません。リチウムイオンバッテリーのアウターカバーには縦にフィンが刻まれ、冷却効果の向上が図られています。バッテリー残量0から満充電に費やす時間は、110~120V(レベル1)で8.5時間、208~240V(レベル2)で4.5時間。SAE J1772コネクターに対応しますが、ライブワイヤーのように急速充電はできません。

同軸設計で際立つシャープなレスポンス

 1450mmのホイールベースはライブワイヤーより40mm短いものの跨ったときのサイズ感はほぼ同等で、大型ネイキッドバイクに乗ったときのようなボリューム感があります。テールエンドは軽快なイメージですが、股ぐらに大きなバッテリーを抱えて走る印象とでも言いましょうか、逆にいうとマスの集中化を図るためここに重量物を集約させているのです。

ハーレーダビッドソンの「ライブワイヤー」に乗る筆者(青木たかお)

 車体重量は約220kgで、249kgとするハーレーより軽量化を実現している点は見逃せないでしょう。フレームはライブワイヤーが高剛性なアルミフレームを採用するのに対し、SR/Fは鋼管製トラス式としています。

 また、同軸(コアキシャル)ピボットであることも大きな特徴です。スイングアームの付け根であるピボット軸とドライブ軸を同軸にすることで、ベルトドライブのわずかなたわみによるレスポンスの悪化を防ぐのが狙いでしょう。シャープな反応、電動の利点を最大限活かそうという意志が、車体設計からも伝わってくるのでした。同軸としたことでアンチスクワット効果もあり、前後輪のトラクションも安定し、旋回力を向上させています。

一線級の足まわりや電子制御も魅力

 マスの集中が図られた車体は切り返しもクイックで、ハンドリングにクセはありません。前後17インチの足まわりはサスペンションをショーワ製フルアジャスタブル式とし、フロントに43mmBPF倒立フォーク、リヤは40mmピストンピギーバック付き。フロントブレーキは4ピストンラジアルマウントキャリパーに320mmディスクの組み合わせと一線級です。

一線級の足回りを備えたゼロモーターサイクルズの「SR/F」

 電子制御も充実し、ボッシュ製「Motorcycle stability control(モーターサイクル用スタビリティコントロール)」を搭載し、発進時のウイリーや加速時のホイールスピンを抑えてくれます。ライダーモードは「スポーツ」「ストリート」「エコ」「レイン」があり、エンジンブレーキのかわりを果たす回生ブレーキの効き具合も各モードで異なり、出力特性やトラクションコントロールなどを含め自分好みに細かく設定したい場合は「カスタムモード」が選べるのも嬉しいかぎりです。

 免許区分は大型2輪AT免許以上で、車検は免除。車体価格(消費税込)は330万円となっています。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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