MotoGP第5戦オーストリアGPで危険な転倒発生 V・ロッシ間一髪で激突から逃れる

MotoGP第5戦オーストリアGPは、9周目に発生した転倒により赤旗中断され、2ヒートで行われました。波乱のレースは、MotoGPの鉄人Ducati Team A・ドビツィオーゾが制しています。

MotoGPで50勝達成したドゥカティ

 MotoGP第5戦オーストリアGPは、9周目にEsponsorama Racing J・ザルコとPetronas Yamaha SRT
F・モルビデリが3コーナーで接触し転倒、コース上にマシンの残骸が多数残ったため赤旗中断され、レースは2ヒートで行われました。また、転倒した2台のマシンが、Monster Energy Yamaha MotoGP のV・ロッシとM・ビニャーレスに襲い掛かり間一髪のところで転倒を免れています。

 V・ロッシはアクシデントのあと動揺していましたが、すぐさま立て直し、わずか15分後に再びマシンに跨り、持ち前のメンタルの強さを見せつけ5位でレースを終えています。

赤旗中断後の気持ちの切り替えはロッシのメンタルの強さを見せつけた

 今回の転倒についてV・ロッシは、「とても怖かったですね。4人とも、とくに私とビニャーレス選手は、本当に幸運でした。非常に危険な場面だったので、それを免れた私たちは、今夜、誰かに祈らなければならないでしょう。誰もが全力で戦っているのですから、アグレッシブになることは良いことに違いありませんが、このスポーツはもともと非常に危険なものなのです。私たちはそのことを忘れてはいけません。とくに時速300kmで戦う時はライバルたちに敬意を払う必要があります。

 私はすでにザルコ選手と話をしましたが、決して故意ではなかったと約束してくれました。彼はブレーキングでかなりワイドにはらんでしまいました。時速300kmで走っていればスリップストリームが効くので、モルビデリ選手が速度を落とすことは不可能だったのです。私はビニャーレス選手と一緒に第3コーナーに入っていて、何かが私に向かってくることに気づきました。ヘリコプターの影かと思いましたが、実際それはよくあることなので、ところがモルビデリ選手のマシンが驚くほどのスピードで私を追い越していき、さらにザルコ選手のマシンもモルビデリ選手を飛び越えていきました。私たちは非常にラッキーだったわけですが、このような事故が将来、ライダーの振る舞いを正していくための教訓になってくれることを望みます。

 モルビデリ選手とも話をしました。彼は大丈夫。今は考えないようにしていますが、考えてしまったら彼も怖くてたまらないでしょう。今回は結果的に誰も怪我をせず、全員が無事でした。しかし、もしも良くないことが起きていたとしたら、状況はまったく違うものになっていたのです。

 正直なところ、再スタートは簡単ではありませんでしたが、再スタートし、いいレースができました。私たちにとって、ヤマハにとってここは楽な場所ではありません。トップスピードでライバルたちに挑んでいくことが難しく、苦戦させられるのですが、そのなかでもペースは良かったと思います。第9コーナーでビンダーに激しく仕掛けられてコースを外れてしまい、この間にトップから大きく離されてしまったのは残念。でもそのあともリズムよく走り、5位でチェッカーを受けることができました。もっと頑張れたかもしれませんが、いいレースだったと思っています」と語っています。

Petronas Yamaha SRT F・モルビデリ

 F・モルビデリは、「少し痛みはありますが、すべて問題はありません。転倒の映像を見れば、このように無事に戻れて良かったし、本当に幸運だったと思います。奇妙な転倒で、ザルコ選手がストレートで私を抜いていき、そのあとラインを変えてワイドにはらんできました。ラインの変化とスリップストリームで、私には行き場がなくなり、彼を避けることができなかったのです。幸いなことに、ふたりとも大きな怪我はありませんでした。ここはヤマハのマシンにとってあまり相性の良い場所ではないので、今回はできるだけ多くのポイントを獲ることが重要でした。それができずチームには申し訳なく思っています。ベストを尽くしましたが、今回はそれが結果につながりませんでした。来週またトライします」と、次戦の意欲を話します。

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 レースは、赤旗中断前に2位につけていたDucati Team A・ドビツィオーゾが11周目にトップに立ちそのままレースを制しています。また、ドゥカティは、今回の優勝でMotoGP通算50勝目を達成しました。2位にはTeam SUZUKI ECSTARのJ・ミルがMotoGPでは初となる表彰台を獲得しています。

■Ducati Team A・ドビツィオーゾ(優勝)

Ducati Team A・ドビツィオーゾ

 ザルコとモルビデッリのクラッシュで中断してしまったことを考えると、非常に特殊なレースだった。今日はマシンのフィーリングは特に良くなかったが、いくつかのエリアでは力強さを感じられたし、差をつけることができた。ウイークエンドのスタートは良かったが、レースで勝てるかどうかは分からなかった。このコースは我々のデスモセディチGPマシンの特性に合っているが、今後のレースで優勝を狙えるように、もう一歩前進するために努力しなければならない。

■Team SUZUKI ECSTAR J・ミル(2位)

Team SUZUKI ECSTAR J・ミル

 素晴らしい日になったよ。表彰台に上がるチャンスはこれまでにも何度かあったのに、いつも何らかの理由に遮られて結果に繋げることができなかったから今日は最高の気分さ。レッドブルリンクはMoto3で初優勝をしたサーキットだから自分にとって良い思い出のある場所でもあるし、今日の2位は優勝に等しいくらいに嬉しいよ。素晴らしい仕事で僕を支えてくれたチームの皆と、パドックの入場規制によって自宅待機を強いられている全ての仲間達に心からお礼を言いたいね。ここに来るまで順風満帆とは言い難かっただけに、こうやって結果を出せたのは間違いなく僕を支えてくれた全ての人のお陰だね。

 MotoGP第6戦スティリアGPは、オーストリアGPと同じレッドブル・リンクで8月23日に決勝が行われます。

【了】

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