【バイクのミライ!Vol.4】見た目は自転車、でも原付免許が必要?小型電動バイクと法規制

自転車のような見た目のものも多く存在する電動バイク。電動アシスト自転車のようにモーターが搭載されていて、気軽に乗れるようなイメージがありますが、電動バイクも立派な「バイク」なのです。

見た目は自転車でも、「こがなくて進める」なら原付き

 電動バイクとひとくちに言っても、まるで自転車のようなものから、大型のスーパースポーツのようなものまで、その中身はさまざまです。

 モーターとバッテリーの力で駆動する電動バイクにはエンジンが搭載されていないため、排気量による区分ではなく、モーターの定格出力ごとに免許区分が分けられています。

原付2種のホンダ「PCX ELECTRIC」

 モーターの定格出力が0.6kW以下の場合は、ガソリンエンジンの50cc以下と同じ扱いになるため、原付免許(原付1種)が必要です。定格出力が1.0kW以下の場合は、ガソリンエンジンの125cc以下と同じ扱いになるため、小型二輪免許、いわゆる50cc超125cc以下の原付2種の区分にあてはまります。なお、ふたり乗りも可能ですが高速道路での走行は禁止です。

 さらにモーターの定格出力が20kW以下の場合は、ガソリンエンジンの400cc以下の扱いになります。つまり、普通二輪免許が必要となり、中型バイクの区分にあてはまります。こちらはふたり乗りや高速道路での走行も可能となります。

 モーターの定格出力が20kWを超える電動バイクに関しては、これまで大型の電動バイクは普通二輪免許があれば運転が可能でした。しかし、2019年12月の道路交通法改正により、ガソリンエンジンの400cc超えのバイクと同じ扱いとなり、大型二輪免許が必要となりました。ただし、改正後の1年間は経過措置期間が設けられています。このように、電動バイクであっても、出力に応じた免許が必要となります。

 いわゆる電動アシスト自転車は、自転車の延長のため免許は不要です。一方、小型の電動バイクも、一見すると自転車に見えるものも多く、実際にペダルがついている電動バイクも少なくありません。

 これらの差は上述の定格出力の差にあります。ただ、出力の差を見た目で判断するのはほぼ不可能であるため、実際には電動バイクでありながら、自転車のような見た目であることを悪用して自転車として使用している人もいるようです。

ペダル付き電動バイクは免許が必要になります

 電動アシスト自転車は、ペダルをこがなければ進むことができません。一方、電動バイクは、見た目はほとんど自転車だとしても、ペダルをこがずに進むことができるほどの力を持っています。つまり、その乗り物が原付に相当するかどうかの基準は、乗り物だけの力で大人を移動させることができるかどうかと言えます。これは、近年一部で流行している電動キックボードなどでも同様で、アシストの範囲を超えた電動モビリティは、必ず免許が必要となります。

電動バイクに乗るにあたって必要なものとは?

 特に小型の電動バイクは、中国をはじめとするアジア各国での需要が高いことから、海外製品も少なくありません。しかし、クルマや大型のバイクと比べて、比較的簡単に輸入できてしまうことから、日本の法規に対応していないものも少なくありません。

海外性の電動バイクに乗るのは、法規に対応した装備が必要になります(写真:GEV600)

 上述のように、一定以上の定格出力を持つものは原付以上の免許が必要になります。そうなると、道路運送車両法などに基づくさまざまなものを装備する必要があります。

 まず、当然ですがナンバープレートが必要となります。次にヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカーといった灯火類も必須です。加えて、ホーンも義務付けられています。そして、それの出力や取り付け位置なども厳格に定められています。

 通常、国内の正規販売店で購入できるものであれば、すべて法規対応した状態で納車されるので、ユーザーは特に気にする必要はありません。しかし、海外から個人輸入をした電動バイクなどであれば、日本の法規へ対応しているかどうかをしっかり確認しなければなりません。

 もし、個人でナンバープレートを取得するには、125cc以下に当たる定格出力1.0kW以下の電動バイクであれば各自治体に申請を行い、定格出力が1.0kw超の電動バイクに関しては陸運局にて手続きを行うことになります。

電動大型二輪車のXEAM「Zero SR/F」

 定格出力が20kW超の電動バイクは大型二輪の区分に当てはまるのですが、車検の有無については現時点では普通二輪免許(~250cc)の扱いとなるため、車検の必要がありません。ただし、法整備が進むことで近い将来に定期的な車検の必要が生じる可能性があります。

 さらに、万が一の事故に備え、電動バイクにも自賠責保険の加入が義務付けられています。基本的にはバイクの販売店や損害保険会社の店舗で加入することになりますが、一部の保険会社ではインターネットやコンビニで簡単に手続きが可能となります。

 自賠責保険の加入に必要となる書類は、原付区分であれば標識交付証明書、その他は軽自動車届出済証が必要となります。1年契約の掛金は7,280円、2年契約は9,420円、3年契約は11,520円、4年契約は13,580円、5年契約は15,600円となります。また、1年ごとに納める軽自動車税については、定格出力600W以下が1,000円、601~799Wが1,200円、800~999Wが1,600円、1kW超えの場合は2,400円を納める必要があります。

 電動バイクであっても、基本的にはガソリンバイクと同様の法規制の中で運用されています。ただ、電動アシスト自転車との違いなど、法律の内容が十分に浸透していなかったり、車検の問題などあいまいな部分もあります。

 今後、バイクの世界でも電動化は進むことは明確です。そうなると、新たに電動バイクを基準にした、免許区分だったり法規制だったりの整備が必要になるでしょう。

※ ※ ※

 電動バイクの普及のためには、技術面での進歩も当然必要ですが、合わせて法整備も重要です。その上で、電動バイクは自転車ではないという、意識の浸透が急務と言えます。

【了】

【画像】ハーレーダビッドソンの電動大型バイク「LiveWire」などを見る(6枚)

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