スーパーカブで訪れた東京都中野区の裏路地 そこには昭和レトロの世界に浸れる光景が広がっていた
開発が進んだ都市部でも、少し歩けば昭和の風情が色濃く残る路地があるのは珍しくありません。東京都中野区にも、そんな路地がたくさんあります。戦後は闇市として栄え、現代ではサブカルの聖地でもある中野の北口をバイクで訪れました。
ふらり裏路地散策、スーパーカブなら降りて歩くのもよし
新宿のゴールデン街や思い出横丁、吉祥寺のハーモニカ横丁など、昭和の香りがプンプン漂う、昭和そのものの雰囲気が残る裏路地や横丁は、まだまだたくさん存在します。そんなレトロなストリートを目指し、JR「中野駅」北口方面へ向かいました。
昭和41年に竣工、サブカルチャーの聖地とも言われる「中野ブロードウェイ」が建つ中野駅の北口エリアには、狭い路地が張り巡らされている飲み屋街でもありますが、平日のお昼時にはサラリーマンやOL、休日は観光客で賑わうランチストリートでもあります。床屋や中古カメラ店、古本屋、パチンコなど、雑多に並ぶ町並みがそこにはあります。
「中野ブロードウェイ」の東側には道幅の狭い「ふれあいロード」があります。ここはバイクでの通行は禁止されているので、通行人の邪魔にならないようバイクを押して散策してみました。比較的新しい店やお洒落な飲食店も並ぶ通りなのですが、一歩横の路地に踏み入れると、「まさに昭和!」と言えるような街並みがありました。
外観が強烈なインパクトの「ワールド会館」は、「中野新仲見世商店街」の奥にあり、かつてホテルとして稼働していた建物が雑居ビルになっています。なんと築40年以上というこのビルには、多数の飲食店が今でも営業中。そのカオスな光景は、一度は見ておきたいところです。
さらに、通り1本東側には「昭和新町商店街」があります。電信柱に貼られていた説明文によると、昭和19年末から20年春の空襲で中野区が焦土となりましたが、この昭和新町は消失を免れたそうです。戦後は進駐軍の駐留や戦災被害者の流入などで混乱期を迎え、北口の闇市は「デパートより豊富な品揃え」だったとか。中野区が大事に保存し、今でも活用しているのがよく分かりました。
中野付近という意味では、高円寺や阿佐ヶ谷にも昭和の風情が色濃く残る路地や横丁があります。中野の雑多な部分もありつつも、高円寺の路地は少し庶民的な感じもします。地域によって異なる雰囲気がある裏路地、バイクを降りて散策するのも面白いものです。
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