【MotoGP第11戦オーストリアGP】小椋藍選手がMoto2クラスで自身初の2位表彰台を獲得

2021年8月15日、MotoGP第11戦オーストリアGPの決勝レースがレッドブルリンクで行なわれ、Moto2クラスでは唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(IDEMITSU Honda Team Asia)が2位表彰台を獲得。初めてMoto2クラスの表彰台に立ちました。

Moto2クラス唯一の日本人ライダー、初参戦、初の表彰台にガッツポーズ!!

 小椋選手が参戦するMoto2クラスは、最高峰クラスであるMotoGPクラスと、エンジンの排気量が最も小さく(250cc)、多くの若いライダーがしのぎを削るMoto3クラスの中間に位置するクラスです。全ライダーは、トライアンフの3気筒765ccエンジンを搭載したバイクで戦います。

Moto2クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(IDEMITSU Honda Team Asia)

 小椋選手はMoto3クラスで2019年から2020年までの2年間を戦い、2020年には最終戦までチャンピオン争いを展開してランキング3位を獲得しました。2021年からはMoto2クラスにステップアップ。Moto2クラスのルーキーとしてのシーズンを送っています。

 オーストリアGPは、レッドブルリンクでの連戦です。1週間前に行なわれた第10戦スティリアGPでは、レース終盤に2番手を走行。しかし、トラックリミット違反のために、ロングラップ・ペナルティが科されました。レース中にコースのグリーン部分に前後どちらかのタイヤが出た場合、5回目の違反でペナルティとなり、大回りとなる既定のエリアを通過しなければなりません。

 小椋選手はこのペナルティによりポジションを落としましたが、表彰台圏内での走りを見せていたことは確かでした。

 そして、迎えたレッドブルリンクでの2戦目。予選では3番手を獲得し、2戦連続となる1列目に並びます。全25周の決勝レースでは、序盤に3番手をキープすると、5周目には前のライダーを交わして2番手に浮上しました。

レースでは終盤までペースをキープ。Moto3時代に見せていた後半までの粘り強さは健在

 ここから終盤まで、小椋選手はトップを走るラウル・フェルナンデス選手(Red Bull KTM Ajo)を追い続けました。2番手の小椋選手と、トップのフェルナンデス選手のラップタイムは拮抗した状態で、独走を許すほど離れもせず、容易にパスできる距離でもない差を保ったまま、2人は3番手以下のライダーを引き離していきます。

 レース終盤に入っても小椋選手はペースを落とさず、2位でチェッカーを受けました。Moto2クラスで初めて表彰台を獲得したのです。

 表彰台に上がるとき、小椋選手はチームスタッフに向けてガッツポーズを送りました。常に冷静で、Moto3クラス時代には表彰台を獲得しても、時に厳しい表情を浮かべていた小椋選手。Moto2クラスでの初表彰台には、喜びを体で表現していました。

5周目に2番手に浮上し、トップのフェルナンデス選手を追う小椋選手(#79)

「Moto2で初めて表彰台を獲得できて、とてもうれしいです」と、小椋選手は決勝レース後に行なわれた会見で語りました。

「チームが素晴らしいバイクに仕上げてくれました。レースはとてもきつかったです。レース序盤からラウル(・フェルナンデス)がかなり攻めていたので、僕も限界の状態で走っていました。レース中、(フェルナンデスを交わす)可能性が見えたのですが、残り5周で彼にはまだ余力があったので、(交わすのは)難しかったですね。でも、2位はとてもうれしいですよ。シーズン前半は、順位としては表彰台に近いところでしたが、優勝ライダーと僕とのタイム差は大きいものでした。こういう形でシーズン後半戦を始めることができて、よかったです」

 ひと月のサマーブレイクでは、後半戦のためにどんな取り組みをしてきたのか、と会見で質問すれば「特別なことは何もしていないですよ。以前からずっと、変わりません。一生懸命トレーニングして、リラックスする。それだけです」と小椋選手。ひとつひとつの確実な積み重ねが、表彰台という結果を達成した要因なのでしょう。

トップのフェルナンデス選手(#25)と2番手の小椋選手(#79)の差は0.3秒ほどのままレースが進んだ

 小椋選手は「次戦へのモチベーションは高いです」とも語りました。次戦は、第12戦イギリスGP。2021年8月29日に決勝レースが行なわれます。Moto2クラスに参戦する期待の若手日本人ライダー、小椋選手の戦いに注目です。

【了】

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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