YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWで「ベスト・アメリカン・モーターサイクル」を獲得 J-BOXによるハーレー・ナックルカスタムを見る

2021年12月5日に、アメリカン・カスタムの祭典「YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)」が2年ぶりに開催されました。今回のショーでは「ベスト・アメリカン・モーターサイクル」として佐賀県のショップ「J-BOX」が製作したハーレー・ダビッドソン、ナックルヘッド・カスタムが選出されました。どのような一台なのでしょうか。

あらゆる側面で高いクオリティを実現

 2021年12月5日(日)に神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜にて、2年ぶりに開催されたYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー:以下HCS)ですが、今年も珠玉のカスタム・マシンが多くエントリーし、訪れた観客の皆さんを大いに楽しませてくれました。その中で“ベスト・アメリカンモーターサイクル”を獲得した1台がここに紹介するJ-BOX製作のカスタムバイクです。

1946年式ハーレーFLナックルヘッドをベースにした車体はリアホイールに装着されたムーンディスクと相まってアメリカのドライレイク(乾湖)で最高速度を競うボンネビルレーサーのような佇まい。スタイルのバランスも絶妙です
1946年式ハーレーFLナックルヘッドをベースにした車体はリアホイールに装着されたムーンディスクと相まってアメリカのドライレイク(乾湖)で最高速度を競うボンネビルレーサーのような佇まい。スタイルのバランスも絶妙です

 1992年に“カスタムカー・ショー”として第1回目が開催され、2002年よりモーターサイクルのエントリーが追加されることで、今や我が国最大のアメリカン・カスタムカルチャーの祭典となったHCSですが、その中でひとつの特徴といえるのが、ショーにエントリーされた車両が“アワード”という形式で選ばれる“コンペティション形式”を採用している点でしょう。

 ちなみに“コンペティション”を直訳すると「競争」や「競技会」といった意味を持つのですが、2019年からは10数名の審査員が、“スタイル”や“オリジナリティ”、“ペイント”に“金属加工技術”、そして“走行性能”など細かく区分された項目に沿って得点をジャッジペーパーに記入し、その合計点によってモーターサイクル部門のアワードが決定されています。

エンジンは基本的に46年式ナックルのストック排気量である1200ccをキープしつつ、レストアを兼ねてシリンダーをV-TWIN製に換装。黒一色に塗り上げられ、スパルタンなムードを強調します
エンジンは基本的に46年式ナックルのストック排気量である1200ccをキープしつつ、レストアを兼ねてシリンダーをV-TWIN製に換装。黒一色に塗り上げられ、スパルタンなムードを強調します

 つまりは、HCSではなるべく公平かつフェアにビルダーたちが製作した作品を評価するような措置がとられているのですが、今回のJ-BOXのカスタムバイクにしても受賞の要因は「スタイル・バランスの良さ」と「オリジナリティ」、そして「金属加工技術」の確かさなどが得点を獲得したポイントとなっています。

 その中でこの度、“ベスト・アメリカン”を獲得したJ-BOXのマシンのディテールを見ていくと1946年式ハーレー・ナックルヘッドをベースとした車両は、リアに装着されたムーンディスクや、あえて現代的なサスペンションが装着されたワンオフのガーダーフォーク、そして低く凝縮されたかのようなフォルムが“アメリカン・レーシング”なイメージとなっており、スタイル自体はショーの冠となった“ホットロッド”に相応しいもの。

 その姿はあたかも水の干上がった乾湖で最高速が競われる「ランド・スピード・レコード」のマシンを彷彿とさせるものです。
 
 もちろん、そうしたスタイルの外殻だけではなく、細かなディテールワークもこの1台の評価の要因なのですが、実際に目にしても各部はかなり丁寧な造り込みとなっており、スポーツスター用をアレンジした上でメーターダッシュが埋め込まれたタンクやサイドパネル分割型となりつつも隙のない「チリ合わせ」となったリアフェンダー、そこに埋め込まれたテールランプやオイルタンクとマフラーのクリアランス、フロントフォークに埋め込まれたクルマ用バックライトを加工したヘッドライトなども見事なフィニッシュ。

 往年のF1マシン、“ロータス78”を彷彿とさせるブラック&ゴールドのシンプルな組み合わせのカラーリング(オーナーからの要望)と相まって、見る者に「メタルワーク技術の確かさ」を分かりやすく伝える一台といえるでしょう。
 
 ちなみにこのHCSではショーの頂点たる“ベスト・モーターサイクル”の他、J-BOXが獲得した“アメリカン”、欧州メーカーの車両をベースモデルに使用したカスタムが対象となる“ベスト・ユーロ”、日本車ベースのカスタムを対象とした“ベスト・ドメスティック”などのアワードがあるのですが、やはり“アメリカン・カスタムカルチャー”の祭典であるこのイベントではハーレーやインディアンなどの米国産モーターサイクルがベースになったカスタムが会場全体の7~8割を占めています。

 そうした中で今回、“ベスト・アメリカン”となったJ-BOXのマシンですが、繰り返しを承知で言えば、やはり見事なクオリティで仕上げられています。

アメリカン・カスタムカルチャーの祭典であるYOKOHAMA HCSにて見事、『ベスト・アメリカンモーターサイクル』を受賞したJ-BOXの津隅(つぐま)潤也氏は佐賀県小城市からのエントリー。過去に勤務したショップでもメカニックとしてアワードを獲得した経験もありますが、今回のHCSが独立後の初受賞です
アメリカン・カスタムカルチャーの祭典であるYOKOHAMA HCSにて見事、『ベスト・アメリカンモーターサイクル』を受賞したJ-BOXの津隅(つぐま)潤也氏は佐賀県小城市からのエントリー。過去に勤務したショップでもメカニックとしてアワードを獲得した経験もありますが、今回のHCSが独立後の初受賞です

 今回の結果を受け、「車両をオーダーしてくださったお客さんが喜んでくれたことが何より嬉しい」とJ-BOXのビルダー、津隈(つぐま)潤也氏は語るのですが、これも“コンペティション形式”でアワードがあるショーの魅力のひとつではないでしょうか。

 珠玉のマシンが一堂に会するYOKOHAMA HCS、来年の展示車両にも期待したいところです。

【画像】J-BOX製作のハーレー・カスタムを画像で見る(11枚)

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Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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